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第4章 ラブコメディ。
第27話 ほぼ異世界転移。
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いきなり異世界に転移させられた主人公は最初どんな事を思うのだろう。「ここはどこ?」「どうしてここに?」なんて最初は頭を抱えるだろうか。それとも迷わずドラゴンでも魔王でも倒しに行くだろうか。いや、そうとも限らない。欲望に忠実にブロンドヘアの美少女を探す度に出るかもしれない。
男子高校生ならだれでも、異世界を夢見てしまう。
そう、それは自然の摂理なのだ!
だが、ぼくは素直に喜べなかった。
何故ならぼくが今いる異世界はどんでもない場所だったからだ。
周りには誰がいる?
女、女、女! 女ばかりじゃないか!
それも美容に気を遣っている、女子力高めの存在があちこちで歩いている。男性はどこだ。探しても見当たらない、なるほどここはある意味で異世界なのだ。
さて、異世界にいる事が分かった主人公は次にここに来た原因を探るのだ。「トラックに轢かれた」「謎の光に包まれた」「魔法陣が展開されて」かもしれない。じゃあぼくもそれに倣って、過去一時間に起きた出来事を振り返ってみようじゃないか。
どうしてこうなったんだっけ。
「悠斗。あまりきょろきょろしないでよ」
「ご、ごめん」
そう。この状況を作り出した張本人は、ケーキを食べて頬をとろとろのスライムみたいに緩ませる天下の結愛様である。彼女の一言によって、ぼくの人権はどこへやら。あらゆる場所に連れ出される日常、あらゆる事件に巻き込まれるのは殆ど習慣のようになっていた。
「不審者だって通報されるよ?」
「ええ……でも落ち着かないし」
そろそろ勘のいい諸君なら気が付いただろう。
安藤くんの事件を解決してくれたお礼に休日、一緒にケーキバイキングについて行くという約束をしていた事を覚えているだろうか。ぼくは、通り魔事件によって有耶無耶になったその記憶を、つい1時間前に結愛によって掘り起こされたのだ。
だが、話はそう簡単じゃない。
実は、ある一つの名目が追加された。
「じゃあ悠斗。そろそろ……」
言葉尻にある程度の緊張を滲ませながら、ケーキを乗せたフォークをぼくの口元へと運んでくるではないか。なんて事だ、これは夢か!? 夢なのか!!
まるで魔法にかけられた気分だ。
「あ、あーん」
良いのか、食べていいのか、良いんだよな!
心なしか、周囲の女性陣が視線を寄せている気がする。
対する結愛は……熟れた林檎のように顔を赤らめていた!
自爆するくらいなら止めておけばよかったのに!
「は、早くしてよっ」
「わわ、わかったから落ち着いて」
ええーい、やってやる。
全ては未来研究部の為。これはただの調査だ!
「あーん」
口に広がる甘い味。
汗が背中の方までぐっしょりだ。
ケーキのシロップのように甘い、デート紛いの行為に及んでいるのは他でもない、ぼくと結愛が未来研究部に持ち掛けられたとある相談がきっかけだったのだ。
まずはその話から始めた方が良かったかな。
男子高校生ならだれでも、異世界を夢見てしまう。
そう、それは自然の摂理なのだ!
だが、ぼくは素直に喜べなかった。
何故ならぼくが今いる異世界はどんでもない場所だったからだ。
周りには誰がいる?
女、女、女! 女ばかりじゃないか!
それも美容に気を遣っている、女子力高めの存在があちこちで歩いている。男性はどこだ。探しても見当たらない、なるほどここはある意味で異世界なのだ。
さて、異世界にいる事が分かった主人公は次にここに来た原因を探るのだ。「トラックに轢かれた」「謎の光に包まれた」「魔法陣が展開されて」かもしれない。じゃあぼくもそれに倣って、過去一時間に起きた出来事を振り返ってみようじゃないか。
どうしてこうなったんだっけ。
「悠斗。あまりきょろきょろしないでよ」
「ご、ごめん」
そう。この状況を作り出した張本人は、ケーキを食べて頬をとろとろのスライムみたいに緩ませる天下の結愛様である。彼女の一言によって、ぼくの人権はどこへやら。あらゆる場所に連れ出される日常、あらゆる事件に巻き込まれるのは殆ど習慣のようになっていた。
「不審者だって通報されるよ?」
「ええ……でも落ち着かないし」
そろそろ勘のいい諸君なら気が付いただろう。
安藤くんの事件を解決してくれたお礼に休日、一緒にケーキバイキングについて行くという約束をしていた事を覚えているだろうか。ぼくは、通り魔事件によって有耶無耶になったその記憶を、つい1時間前に結愛によって掘り起こされたのだ。
だが、話はそう簡単じゃない。
実は、ある一つの名目が追加された。
「じゃあ悠斗。そろそろ……」
言葉尻にある程度の緊張を滲ませながら、ケーキを乗せたフォークをぼくの口元へと運んでくるではないか。なんて事だ、これは夢か!? 夢なのか!!
まるで魔法にかけられた気分だ。
「あ、あーん」
良いのか、食べていいのか、良いんだよな!
心なしか、周囲の女性陣が視線を寄せている気がする。
対する結愛は……熟れた林檎のように顔を赤らめていた!
自爆するくらいなら止めておけばよかったのに!
「は、早くしてよっ」
「わわ、わかったから落ち着いて」
ええーい、やってやる。
全ては未来研究部の為。これはただの調査だ!
「あーん」
口に広がる甘い味。
汗が背中の方までぐっしょりだ。
ケーキのシロップのように甘い、デート紛いの行為に及んでいるのは他でもない、ぼくと結愛が未来研究部に持ち掛けられたとある相談がきっかけだったのだ。
まずはその話から始めた方が良かったかな。
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