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壊せ 予定調和の未来をー16
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小麦はすぐさまその場を離れつつ、大量の小麦粉を遊大の周囲に撒き散らす。王子は石油を遊大にかけ、大樹とラストバトルが大型バスを遊大に叩きつける。
そこに太陽が爆破する槍を降り注がせ、光がレーザーを放ち、雨がマッチで地下のガス配管を爆破し、颯天が大量のミサイルを撃ち込む。
第一部隊のほぼ全員の力を合わせて放った一撃は、周囲一体を盛大に吹き飛ばした。
その中で遊大は、頬にじんわりとした痛みを感じていた。
*
気がつくと少年は、浜辺で仰向けになって倒れていた。起き上がって真っ先に見えたものは、どこまでも続く水平線。頬を潮風が撫で、後方からは車の走る音が聞こえる。
少年は後ろを振り返った。浜辺の先の道路の向こう側は、繁華街のようになっていた。一部道路を隠すように半透明のトタンで何やら作られてはいる。
少年は道路のほうへと歩き出した。浜辺から道路に通じる階段を上り、しばらく当てもなく道沿いに歩道を歩いていく。
少年はとあるトタン製の小屋の前で止まった。そこはバーベキュー場であり、12人の大人の男女が楽しげに海鮮料理を楽しんでいた。
「おい。あそこ、ガキがこっち見てるぞ」
12人の中の一人が少年に気づく。それを聞いて残りの11人も少年を見やる。
「ノ、??イ??クン チョ ウィ??アイ?」
一同の中の一人の女性が、現地の言葉で話しかけてくる。だが少年には何が言いたいのかまるで分からなかった。
返答に困る少年を見て、少し困惑する女性。すると黒髪をポニーテールにしている女性が、こういったアドバイスをした。
「もしかして、迷子の日本人観光客のガキじゃね? だから韓国語通じねえんだよ」
それを聞いた少年は、気がついてから初めて口を開いた。
「あ、日本語は分かります」
それを聞いて最初に話しかけてきた女性が安心した様子を見せる。
「そうだったんだ~。うろ覚えの韓国語だから通じなかったと思ってたよ~。お父さんお母さんとはぐれちゃったの?」
「お父さん……。お母さん……」
少年は少し考え込む。その言葉の意味は充分に理解しているが、自分の両親がどんな顔だったかを思い出せなかったのだ。
そこに太陽が爆破する槍を降り注がせ、光がレーザーを放ち、雨がマッチで地下のガス配管を爆破し、颯天が大量のミサイルを撃ち込む。
第一部隊のほぼ全員の力を合わせて放った一撃は、周囲一体を盛大に吹き飛ばした。
その中で遊大は、頬にじんわりとした痛みを感じていた。
*
気がつくと少年は、浜辺で仰向けになって倒れていた。起き上がって真っ先に見えたものは、どこまでも続く水平線。頬を潮風が撫で、後方からは車の走る音が聞こえる。
少年は後ろを振り返った。浜辺の先の道路の向こう側は、繁華街のようになっていた。一部道路を隠すように半透明のトタンで何やら作られてはいる。
少年は道路のほうへと歩き出した。浜辺から道路に通じる階段を上り、しばらく当てもなく道沿いに歩道を歩いていく。
少年はとあるトタン製の小屋の前で止まった。そこはバーベキュー場であり、12人の大人の男女が楽しげに海鮮料理を楽しんでいた。
「おい。あそこ、ガキがこっち見てるぞ」
12人の中の一人が少年に気づく。それを聞いて残りの11人も少年を見やる。
「ノ、??イ??クン チョ ウィ??アイ?」
一同の中の一人の女性が、現地の言葉で話しかけてくる。だが少年には何が言いたいのかまるで分からなかった。
返答に困る少年を見て、少し困惑する女性。すると黒髪をポニーテールにしている女性が、こういったアドバイスをした。
「もしかして、迷子の日本人観光客のガキじゃね? だから韓国語通じねえんだよ」
それを聞いた少年は、気がついてから初めて口を開いた。
「あ、日本語は分かります」
それを聞いて最初に話しかけてきた女性が安心した様子を見せる。
「そうだったんだ~。うろ覚えの韓国語だから通じなかったと思ってたよ~。お父さんお母さんとはぐれちゃったの?」
「お父さん……。お母さん……」
少年は少し考え込む。その言葉の意味は充分に理解しているが、自分の両親がどんな顔だったかを思い出せなかったのだ。
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