Night Sky

九十九光

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知らない 知らない 僕は 何も知らないー3

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『鬼仔の父ちゃんすげえな! エベレスト登頂してマリアナ海溝探検して、ピラミッドの中にも入ったんだってな!』

『名無、探検はいいぞ。探検することは地球の声を聞くことだ。ルールさえ守れば、人間に行っちゃいけないとこなんてないほうがいいんだ。中露半島もそうさ。お父さんはいつか中露半島に探検家として行く。あそこにどんな素晴らしい自然があるか、世の中に見せてやるんだ』

『お父さん、電話越しに怒鳴ることばっかりになったな。中露半島に入れないからなのかな? 南極がいいんだから、自然さえ守れば入ってもいいはずなのに』

『ここで臨時ニュースです。国際的な探検家である鬼仔氏を含む14名が、不正に中露半島に侵入しようとしたとして、国際海上保安庁によって補足されました。その際鬼仔氏含む14名の船舶は銃による攻撃を行ったとして、その場で沈没させられました』

『行くわよ、名無。いちいちカメラに反応しないで』

『お父さんはただ単に探検がしたかっただけなんだ! 銃を使って抵抗なんてするはずないんだ! 悪いのは何かを隠してるお前らのほうだ!』

『それで政府を信用できなくなったと。世界は何かを隠してると確信したと。その通りだよ、鬼仔名無君。世界は昔とっても悪いことをして、それを隠しているんだ。そのためなた人殺しだって構わないと思ってる。僕と一緒にそれを暴こう。世界が悪者だって証明しよう』

 瓦礫の山の上に立った太陽は息を整える。足に巻きついているはずの舌の一部は消滅していた。



 王子とフロリマールの戦いは、デパート屋上での戦闘に発展した。

「おら、かかってこいよ! 間合い取ってねえで漢らしく近接勝負といこうぜ!」

 煽ってくるフロリマールに、王子はどうすればいいか分からないでいた。本物同様の出力を得た人形やミニカー、プラレールが走り回る中を、かいくぐって、パンダの攻撃力を持つ人間と近接戦闘などできるわけがなかった。幸いなのは、この世界にモデルガンや戦闘用ロボットのプラモデルがなかったことくらいだった。
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