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「我」貫き通せー2
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「……。は?」
その後も人陰の一騎当千は止まらない。向かってくる恐竜を物理的にちぎっては投げを繰り返し、およそ人間とは思えないフィジカルの高さを見せつけた。
恐竜では勝てないと悟ったリナルドは、その隙を見て人陰に触れにいく。猿まで退化させて無力化するつもりだった。そして人陰との距離およそ50センチ。人陰に触れようと手を伸ばした、その時だった。
人陰はあえて伸ばされた手のひらを拳で受けた。そしてリナルドは感じた。何か膜のようなもののせいで人陰本人に触れることができないと。
「一人ぼっちの最終決戦(ロンリー・ラストステージ)。それは、ラストバトルを纏って僕自身という弱点をカバーする技。影を退化させれないことは、さっき実験して分かってるだろ」
人陰はもう一方の手でリナルドを殴りつけ、彼女をビル内のレストランへと叩き込んだ。
「これ以上の抵抗をしなければ、首の骨を折って一瞬で終わらせると約束しよう。そのままそこでじっとしていろ」
人陰はレストラン内へ入っていく。
犬の力が身につくユニゾンと触れた物体を退化させるユニゾン。カウンターに叩きつけられたリナルドは、自身に与えられたユニゾン2つで何ができるのかを考えた。
そしてひとつの結論にたどり着いた。
レストラン中央付近に到達した人陰は、唐突に息苦しさを感じ始める。そして本当に呼吸が難しくなり、その場にうずくまった。
「大昔の地球は……! 大気が今と大きく違って……! ほとんど二酸化炭素だったんだ……!」
息苦しそうなリナルドの発言を聞いて、人陰は理解した。大気を古代の、それも生物誕生以前のものにまで退化させたのだと。
レストラン内は熱がこもり、水蒸気による霧も発生し出す。気圧も高くなり、圧力鍋の原理で人陰は床にへばりつくように横になる。やがてラストバトルの出力も落ち、人陰はもとの状態に戻った。
「この程度でへばるか……! 単純強化じゃないユニゾンは苦労するな……!」
リナルドが汗まみれになりながら、這いつくばって迫ってくる。人陰の手に触れて退化させるつもりでいた。
その後も人陰の一騎当千は止まらない。向かってくる恐竜を物理的にちぎっては投げを繰り返し、およそ人間とは思えないフィジカルの高さを見せつけた。
恐竜では勝てないと悟ったリナルドは、その隙を見て人陰に触れにいく。猿まで退化させて無力化するつもりだった。そして人陰との距離およそ50センチ。人陰に触れようと手を伸ばした、その時だった。
人陰はあえて伸ばされた手のひらを拳で受けた。そしてリナルドは感じた。何か膜のようなもののせいで人陰本人に触れることができないと。
「一人ぼっちの最終決戦(ロンリー・ラストステージ)。それは、ラストバトルを纏って僕自身という弱点をカバーする技。影を退化させれないことは、さっき実験して分かってるだろ」
人陰はもう一方の手でリナルドを殴りつけ、彼女をビル内のレストランへと叩き込んだ。
「これ以上の抵抗をしなければ、首の骨を折って一瞬で終わらせると約束しよう。そのままそこでじっとしていろ」
人陰はレストラン内へ入っていく。
犬の力が身につくユニゾンと触れた物体を退化させるユニゾン。カウンターに叩きつけられたリナルドは、自身に与えられたユニゾン2つで何ができるのかを考えた。
そしてひとつの結論にたどり着いた。
レストラン中央付近に到達した人陰は、唐突に息苦しさを感じ始める。そして本当に呼吸が難しくなり、その場にうずくまった。
「大昔の地球は……! 大気が今と大きく違って……! ほとんど二酸化炭素だったんだ……!」
息苦しそうなリナルドの発言を聞いて、人陰は理解した。大気を古代の、それも生物誕生以前のものにまで退化させたのだと。
レストラン内は熱がこもり、水蒸気による霧も発生し出す。気圧も高くなり、圧力鍋の原理で人陰は床にへばりつくように横になる。やがてラストバトルの出力も落ち、人陰はもとの状態に戻った。
「この程度でへばるか……! 単純強化じゃないユニゾンは苦労するな……!」
リナルドが汗まみれになりながら、這いつくばって迫ってくる。人陰の手に触れて退化させるつもりでいた。
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