308 / 379
「全肯定」に酔ってる勇者に反吐が出たー12
しおりを挟む
易々とへこむ盾を見て、退くことしかできない王子。結局は盾も棒も放してしまい、ぬいぐるみコーナーに叩きつけられた。
「……! これなら!」
王子はフロリマールとの距離を取り、強化プラスチックと合成ゴムの即席の弓矢を作り出す。それでフロリマールを射ぬこうとしたその時だった。
ぬいぐるみコーナーにあったマンモスやクマ、グレイ型宇宙人などのぬいぐるみが一斉に動き出し、王子に襲いかかったのだ。
王子は慌てて宇宙人に弓を射るが、マンモスとクマが体当たりをしてくる。その威力は本物そのもの。王子は遠くのミニカー、プラレールコーナーまで飛ばされた。
2つ餅じゃなくて2つ持ち。ぬいぐるみを操るユニゾンでも付け加えられたのか。
王子がそう考えた次の瞬間。プラレールやミニカーが、ジオラマケースや紙の箱を突き破って出てきて体当たりをしてきた。その威力も本物さながら。王子は骨や内蔵にダメージがくるのを実感した。
「漢だろ? 俺だってこんな汚ねえ手で勝ちたかねえ! 間合いとらねえで正面からぶつかってこいよ!」
《大ヤコブのフロリマール 本名:半田球次郎 ユニゾン名:パンダヒーロー……ジャイアントパンダの力が身につく。クマ科特有の凶暴性とパワーを持つ。 第二のユニゾン名:フォニイ……造花、人形、プラモデルなどを、大きさはそのまま、本物同様の出力にして操れる。》
とりあえずユニゾン2つ持ちだという情報だけでも伝えないと。
そう考えた王子はスマホでメッセージを送る。
『餅じゃなくて持ちだ 俺は今デパートでパンダと高専中』
このメッセージを真っ先に受け取ったのは、ターミナル地下街、公衆トイレ内にてサロモンと交戦中の風雅だった。
(高専中? とりあえずこれで敵はユニゾン2つ持ちだってのは分かったが……。この文面、まだ何かあるのか?)
サロモンに早々に全裸になられたせいで彼を見失い、風雅は誤字を深読みする余裕ができた。
そこにドアの空いている個室の便器から、陶器を叩く音がする。
誘っているのか。
風雅は掃除用具入れのドアを裏拳で破壊し、デッキブラシを1本持って問題の個室を確認する。
「……! これなら!」
王子はフロリマールとの距離を取り、強化プラスチックと合成ゴムの即席の弓矢を作り出す。それでフロリマールを射ぬこうとしたその時だった。
ぬいぐるみコーナーにあったマンモスやクマ、グレイ型宇宙人などのぬいぐるみが一斉に動き出し、王子に襲いかかったのだ。
王子は慌てて宇宙人に弓を射るが、マンモスとクマが体当たりをしてくる。その威力は本物そのもの。王子は遠くのミニカー、プラレールコーナーまで飛ばされた。
2つ餅じゃなくて2つ持ち。ぬいぐるみを操るユニゾンでも付け加えられたのか。
王子がそう考えた次の瞬間。プラレールやミニカーが、ジオラマケースや紙の箱を突き破って出てきて体当たりをしてきた。その威力も本物さながら。王子は骨や内蔵にダメージがくるのを実感した。
「漢だろ? 俺だってこんな汚ねえ手で勝ちたかねえ! 間合いとらねえで正面からぶつかってこいよ!」
《大ヤコブのフロリマール 本名:半田球次郎 ユニゾン名:パンダヒーロー……ジャイアントパンダの力が身につく。クマ科特有の凶暴性とパワーを持つ。 第二のユニゾン名:フォニイ……造花、人形、プラモデルなどを、大きさはそのまま、本物同様の出力にして操れる。》
とりあえずユニゾン2つ持ちだという情報だけでも伝えないと。
そう考えた王子はスマホでメッセージを送る。
『餅じゃなくて持ちだ 俺は今デパートでパンダと高専中』
このメッセージを真っ先に受け取ったのは、ターミナル地下街、公衆トイレ内にてサロモンと交戦中の風雅だった。
(高専中? とりあえずこれで敵はユニゾン2つ持ちだってのは分かったが……。この文面、まだ何かあるのか?)
サロモンに早々に全裸になられたせいで彼を見失い、風雅は誤字を深読みする余裕ができた。
そこにドアの空いている個室の便器から、陶器を叩く音がする。
誘っているのか。
風雅は掃除用具入れのドアを裏拳で破壊し、デッキブラシを1本持って問題の個室を確認する。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
モニターに応募したら、系外惑星に来てしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。
津嶋朋靖(つしまともやす)
SF
近未来、物体の原子レベルまでの三次元構造を読みとるスキャナーが開発された。
とある企業で、そのスキャナーを使って人間の三次元データを集めるプロジェクトがスタートする。
主人公、北村海斗は、高額の報酬につられてデータを取るモニターに応募した。
スキャナーの中に入れられた海斗は、いつの間にか眠ってしまう。
そして、目が覚めた時、彼は見知らぬ世界にいたのだ。
いったい、寝ている間に何が起きたのか?
彼の前に現れたメイド姿のアンドロイドから、驚愕の事実を聞かされる。
ここは、二百年後の太陽系外の地球類似惑星。
そして、海斗は海斗であって海斗ではない。
二百年前にスキャナーで読み取られたデータを元に、三次元プリンターで作られたコピー人間だったのだ。
この惑星で生きていかざるを得なくなった海斗は、次第にこの惑星での争いに巻き込まれていく。
(この作品は小説家になろうとマグネットにも投稿してます)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
3024年宇宙のスズキ
神谷モロ
SF
俺の名はイチロー・スズキ。
もちろんベースボールとは無関係な一般人だ。
21世紀に生きていた普通の日本人。
ひょんな事故から冷凍睡眠されていたが1000年後の未来に蘇った現代の浦島太郎である。
今は福祉事業団体フリーボートの社員で、福祉船アマテラスの船長だ。
※この作品はカクヨムでも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜
むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。
幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。
そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。
故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。
自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。
だが、エアルは知らない。
ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。
遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。
これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
平和国家異世界へ―日本の受難―
あずき
ファンタジー
平和国家、日本。 東アジアの島国であるこの国は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、 政府は戦闘機搭載型護衛艦、DDV-712「しなの」を開発した。 「しなの」は第八護衛隊群に配属され、領海の警備を行なうことに。
それから数年後の2035年、8月。
日本は異世界に転移した。
帝国主義のはびこるこの世界で、日本は生き残れるのか。
総勢1200億人を抱えた国家サバイバルが今、始まる――
何番煎じ蚊もわからない日本転移小説です。
質問などは感想に書いていただけると、返信します。
毎日投稿します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
彷徨う屍
半道海豚
ホラー
春休みは、まもなく終わり。関東の桜は散ったが、東北はいまが盛り。気候変動の中で、いろいろな疫病が人々を苦しめている。それでも、日々の生活はいつもと同じだった。その瞬間までは。4人の高校生は旅先で、ゾンビと遭遇してしまう。周囲の人々が逃げ惑う。4人の高校生はホテルから逃げ出し、人気のない山中に向かうことにしたのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる