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かなしみのなみにおぼれるー11
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「これからどうする? 灰色先生を倒すにしても、逃げきるにしても、私たちどころか日本の残存戦力を全部かき集められてももう……」
「灰色先生じゃねえ……」
小麦の発言を颯天が取り消す。
「アイツは裏切り者の燃えカス野郎だ。もう俺らの先生じゃねえよ……」
颯天がそう口にしたその時だった。
「ああ、もう僕は君たちの教官じゃないね」
渦を巻く灰。それはやがて人の形になり、仁に変わった。
「これで残り2人、いや、この場にいない夜空遊大を含めれば3に」
仁がセリフを言い終える前に颯天がミサイルを撃つ。それで倒せないことをしっている颯天は、絶えることなくミサイルを撃ち続ける。
「逃げろ、小麦!」
「逃げろって……! 颯天君、そんなことしても」
「時間稼ぎくらいはしてやんよ!」
颯天はきしむ腕を奮い起たせてミサイルを撃ち込む。
「何が君をそうさせる。こんなことしても無意味なのは君が一番知ってるだろ」
仁がミサイルに撃たれながら質問する。
「てめえは今までどんな気分だった!」
颯天が質問を質問で返す。
「どんな気分で訓練生時代を過ごしてた! どんな気分で現場の同僚と協力してた! どんな気分で俺らにあれこれ教えてた! どんな神経してたらこんな真似ができるんだ! この燃えカス野郎! 最低最悪の害虫野郎!」
仁が爆風を乗り越えて颯天のガスマスクにさわる。
「罪の意識でも感じててほしかったか? 一切罪悪感はなかったね」
颯天の口に、大量の灰が流し込まれた。
『遊大。おい、クソガキ。こっちだ』
遊大の視界が再び鳥籠の中に変わる。目の前には颯天がいた。
『試練11。あと1つだ』
「実砂さんまで……」
遊大が唖然とした悲しい顔をする。
『……。お前、今どうしてる』
颯天は早々に試練に関する話を打ち切り、個人的な話に移った。
「……。今八王子から23区に戻ってます。灰色先生、灰色仁を倒すために」
『算段はあるのか』
「回天さんから聞かされました。でも……」
遊大は顔をうつむき、自分の気持ちを吐露する。
「その方法はあまりにも残酷で……。いくら倒さなきゃいけない敵だとしても、その手を使うのはまだ抵抗が……」
遊大がそう言うと、颯天は厳しいことを言った。
「灰色先生じゃねえ……」
小麦の発言を颯天が取り消す。
「アイツは裏切り者の燃えカス野郎だ。もう俺らの先生じゃねえよ……」
颯天がそう口にしたその時だった。
「ああ、もう僕は君たちの教官じゃないね」
渦を巻く灰。それはやがて人の形になり、仁に変わった。
「これで残り2人、いや、この場にいない夜空遊大を含めれば3に」
仁がセリフを言い終える前に颯天がミサイルを撃つ。それで倒せないことをしっている颯天は、絶えることなくミサイルを撃ち続ける。
「逃げろ、小麦!」
「逃げろって……! 颯天君、そんなことしても」
「時間稼ぎくらいはしてやんよ!」
颯天はきしむ腕を奮い起たせてミサイルを撃ち込む。
「何が君をそうさせる。こんなことしても無意味なのは君が一番知ってるだろ」
仁がミサイルに撃たれながら質問する。
「てめえは今までどんな気分だった!」
颯天が質問を質問で返す。
「どんな気分で訓練生時代を過ごしてた! どんな気分で現場の同僚と協力してた! どんな気分で俺らにあれこれ教えてた! どんな神経してたらこんな真似ができるんだ! この燃えカス野郎! 最低最悪の害虫野郎!」
仁が爆風を乗り越えて颯天のガスマスクにさわる。
「罪の意識でも感じててほしかったか? 一切罪悪感はなかったね」
颯天の口に、大量の灰が流し込まれた。
『遊大。おい、クソガキ。こっちだ』
遊大の視界が再び鳥籠の中に変わる。目の前には颯天がいた。
『試練11。あと1つだ』
「実砂さんまで……」
遊大が唖然とした悲しい顔をする。
『……。お前、今どうしてる』
颯天は早々に試練に関する話を打ち切り、個人的な話に移った。
「……。今八王子から23区に戻ってます。灰色先生、灰色仁を倒すために」
『算段はあるのか』
「回天さんから聞かされました。でも……」
遊大は顔をうつむき、自分の気持ちを吐露する。
「その方法はあまりにも残酷で……。いくら倒さなきゃいけない敵だとしても、その手を使うのはまだ抵抗が……」
遊大がそう言うと、颯天は厳しいことを言った。
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