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かなしみのなみにおぼれるー2
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「ああ、それね。実を言うと、簡単に無力化できるんだ」
そう言って仁は灰になった両腕を2人の顔の近くまで持っていき、手の部分だけもとに戻す。そしてその手でガスマスクに触れた。
するとマスクは紙や木が燃えたあとのような灰になって消滅した。
「コイツまさか……!」
「さわったものを灰にできるのか! だがいつの間にそんな技を」
「始めから裏切る前提の相手に、できること全部見せるわけがないだろ!」
そう、仁のユニゾンはさわった無生物を有毒の灰にする能力も兼ね備えていた。
そして畳み掛けるように、仁は毒の灰を2人に大量に吸い込ませる。症状は咳から始まり、吐血、血涙と続き、2人とも立っていられない状態になった。
「ついでに言うと、僕は毒の強弱も調整できる。その気になれば一呼吸させてしまえば30秒で人を殺すことも可能だ」
その30秒で、仁は嬉しそうに語り出す。
「何が特級兵士だ! 所詮は愛国心とちょっと強いユニゾンだけで登りつめた地位だろ! 僕は愛国心なし、実力の半分の力でその地位に登りつめた! お前らとは完成度が違うんだよ!」
演説の終了とともに、正義はユースティティアの消滅とともに落下。ナナツも事切れた。
それと同時に仁のスマホが鳴る。通話相手はナモだった。
「灰色だ」
「もしもし。特級兵士はどうなった?」
「今片づいた」
「だったらあれやりたいでしょ~? 教え子の皆殺し」
「居場所が分かったのか?」
「墨田区のスカイツリー前駐車場に集合って、君を追い出したあとのLINEでやり取りしてた~」
それを聞いて仁の顔がにやつく。彼は正義とナナツの亡骸を乱雑に掴むと、専用のデバイスでワープゲートを出す。そして2つの亡骸を引きずりながら、ワープゲートをくぐった。
「……! 来た!」
「おいおい! 特級兵士2人やられてんじゃかよ!」
駐車場には第一部隊の生き残り、小麦、信也、風雅、颯天、人陰が揃っていた。全員が道中で入手したガスマスクをつけている。
「……。本当に裏切ったんですか?」
人陰が恐る恐る仁に質問する。
「裏切ったんじゃない。前々からの計画を実行したんだ」
そう言いながら仁は、倒れているナナツの頭を踏む。
そう言って仁は灰になった両腕を2人の顔の近くまで持っていき、手の部分だけもとに戻す。そしてその手でガスマスクに触れた。
するとマスクは紙や木が燃えたあとのような灰になって消滅した。
「コイツまさか……!」
「さわったものを灰にできるのか! だがいつの間にそんな技を」
「始めから裏切る前提の相手に、できること全部見せるわけがないだろ!」
そう、仁のユニゾンはさわった無生物を有毒の灰にする能力も兼ね備えていた。
そして畳み掛けるように、仁は毒の灰を2人に大量に吸い込ませる。症状は咳から始まり、吐血、血涙と続き、2人とも立っていられない状態になった。
「ついでに言うと、僕は毒の強弱も調整できる。その気になれば一呼吸させてしまえば30秒で人を殺すことも可能だ」
その30秒で、仁は嬉しそうに語り出す。
「何が特級兵士だ! 所詮は愛国心とちょっと強いユニゾンだけで登りつめた地位だろ! 僕は愛国心なし、実力の半分の力でその地位に登りつめた! お前らとは完成度が違うんだよ!」
演説の終了とともに、正義はユースティティアの消滅とともに落下。ナナツも事切れた。
それと同時に仁のスマホが鳴る。通話相手はナモだった。
「灰色だ」
「もしもし。特級兵士はどうなった?」
「今片づいた」
「だったらあれやりたいでしょ~? 教え子の皆殺し」
「居場所が分かったのか?」
「墨田区のスカイツリー前駐車場に集合って、君を追い出したあとのLINEでやり取りしてた~」
それを聞いて仁の顔がにやつく。彼は正義とナナツの亡骸を乱雑に掴むと、専用のデバイスでワープゲートを出す。そして2つの亡骸を引きずりながら、ワープゲートをくぐった。
「……! 来た!」
「おいおい! 特級兵士2人やられてんじゃかよ!」
駐車場には第一部隊の生き残り、小麦、信也、風雅、颯天、人陰が揃っていた。全員が道中で入手したガスマスクをつけている。
「……。本当に裏切ったんですか?」
人陰が恐る恐る仁に質問する。
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そう言いながら仁は、倒れているナナツの頭を踏む。
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