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僕ら 今、敬礼の合図をとり 三流映画の主役に成り下がったー14
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氷助の最期の発言から、ネットカフェ内のロイドが何らかの形でキャラクターを現実に引っ張り出しているのは確かだと感じた爆美。すぐに瓦礫の山になったネットカフェ跡地に目を向けた。
「第一のクモ女、ネガティブ男。すぐにその辺の車に乗ってここを離れろ」
「……! 農鈴さんはどうするんです!?」
「……。生きて合流できたら、霊子に伝えてくれ。先に死んでごめんって」
そう言い残して爆美は瓦礫の山の中に走っていった。途中で襲うビルの破片や創作のキャラクターは爆破する汗で吹き飛ばし、元凶のロイドを探す。
元凶のロイドは瓦礫の山の中で、リュックから出したノートパソコンでキャラクターを出していた。
爆美はそのロイドに抱きついた。その間にもキャラクターや破片が彼女の背中を襲う。
体表面は爆破耐性がある爆美。しかし体内はそうはいかない。決死の覚悟だった。
第一部隊の2人が車を手に入れ逃走を始めた次の瞬間、ネットカフェの跡地で大爆発が起こった。
「農鈴さん……」
「でもお陰でロイドが出した巨大ロボットも消えました」
糸美が運転する車の中で、信也が爆破地点を振り返る。
「僕たちはこれからどうすれば……」
「他の区に行きましょう。現在走っている方向からして、杉並区に行くのが」
そこで糸美の視界が変わった。自分の位置は急な坂の下。両脇は手狭な住宅が隙間なく建っていた。
ここはどこだ、丼息さんはどこだと糸美が困惑していると、坂の上から声がする。
「糸美ー!」
「こっちだ、八脚ー!」
そこにいたのは、光と文活だった。
「お二人とも……! 死んだはずじゃ……!」
「詳しい話はあとだ! 坂をのぼってこい!」
「話があるんだ! いいからのぼってこいよ!」
2人は笑顔で手を振って糸美を呼ぶ。糸美も嬉しくなって坂をのぼった。東京ではまずない急すぎる坂を、息を切らしながらのぼりきった。
糸美が坂をのぼりきると、光と文活が彼女に抱きつく。
「会いたかったぞ、糸美!」
「大変だったな、八脚!」
糸美は2人の体に確かなぬくもりと心臓の鼓動を感じ取った。それを思うと自然と涙が出てきた。
「第一のクモ女、ネガティブ男。すぐにその辺の車に乗ってここを離れろ」
「……! 農鈴さんはどうするんです!?」
「……。生きて合流できたら、霊子に伝えてくれ。先に死んでごめんって」
そう言い残して爆美は瓦礫の山の中に走っていった。途中で襲うビルの破片や創作のキャラクターは爆破する汗で吹き飛ばし、元凶のロイドを探す。
元凶のロイドは瓦礫の山の中で、リュックから出したノートパソコンでキャラクターを出していた。
爆美はそのロイドに抱きついた。その間にもキャラクターや破片が彼女の背中を襲う。
体表面は爆破耐性がある爆美。しかし体内はそうはいかない。決死の覚悟だった。
第一部隊の2人が車を手に入れ逃走を始めた次の瞬間、ネットカフェの跡地で大爆発が起こった。
「農鈴さん……」
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糸美が運転する車の中で、信也が爆破地点を振り返る。
「僕たちはこれからどうすれば……」
「他の区に行きましょう。現在走っている方向からして、杉並区に行くのが」
そこで糸美の視界が変わった。自分の位置は急な坂の下。両脇は手狭な住宅が隙間なく建っていた。
ここはどこだ、丼息さんはどこだと糸美が困惑していると、坂の上から声がする。
「糸美ー!」
「こっちだ、八脚ー!」
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「お二人とも……! 死んだはずじゃ……!」
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「会いたかったぞ、糸美!」
「大変だったな、八脚!」
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