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僕ら 今、敬礼の合図をとり 三流映画の主役に成り下がったー10
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「時間もかかるし強引だけど、これしか道はないと思う」
ミカがそう言って渋滞のほうに視線を向けたその時だった。
白目を向いたピンクのツインテールの女のような姿の、巨大な鎌を持ったロイドが、車の屋根を跳び移りながら、車内の人間たちを屋根越しに刺し殺して回っていた。
「乾イタ心臓ノ音……。淡イウワ言……。」
《ロイド番号:bN2r9B6LXRM 素体名:種職銅鑼(シュショク ドラ) ユニゾン名:ミスチバス・ファンクション……周囲の人間の心音を的確に聞き分けられる。それだけで位置、性別、年齢、運動量などのデータが分かる。本体は盲目。》
「早く全員を車から出せ! 走らせろ!」
風雅が叫ぶ。車内にいた市民は突然のことにパニックになり、車同士をぶつけたり窓を割って出たりする。それらすべてを心音で感知できるロイドは、素早く立ち回って人々を殺して回る。
「停止(止まれ)!」
ミカが一か八かロイドに向かって叫ぶが、思考が停止しているロイドに命令は通らない。それを見た喰は自身のユニゾンの射程まで近づき、ロイドの足と車の屋根に磁力を与える。吸着させてひとまず動きを止めようという算段だった。
だがそれをやられたロイドは、持っていた鎌を喰に向かって縦回転で投げつける。その場から離れれば射程圏外になってロイドが動き出し、動かず食らえば自分が死んでロイドが動き出す。
その状況を変えたのは失斗だった。彼は喰の前に立ち塞がり、鎌の刃を胸に受けた。
「君の恐怖のサインは歯ぎしり……! 他の兵士を先導してここから逃げろ……!」
失斗は最期の最期に自身のユニゾンで喰に命令する。
喰はまた使われないように失斗から鎌を抜いて持っていき、4人は戦闘車に向かって走り出す
その時だった。
青と白のストライプ模様のロイドが戦闘車の前に陣取っていた。そして戦闘車の上に巨大な岩石が落下し、大破させた。
「動カナイ信号ノ赤色……。月世界マデウォーアイニー……」
《ロイド番号:wCj04kwAFX8 素体名:満月寝音(ミツツキ ネオン) ユニゾン名:コメット・ハネムーン……火星木星間の小惑星帯から自身の近くに小惑星を降らせる。どの程度のサイズのものが降ってくるかはランダム。》
ミカがそう言って渋滞のほうに視線を向けたその時だった。
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「乾イタ心臓ノ音……。淡イウワ言……。」
《ロイド番号:bN2r9B6LXRM 素体名:種職銅鑼(シュショク ドラ) ユニゾン名:ミスチバス・ファンクション……周囲の人間の心音を的確に聞き分けられる。それだけで位置、性別、年齢、運動量などのデータが分かる。本体は盲目。》
「早く全員を車から出せ! 走らせろ!」
風雅が叫ぶ。車内にいた市民は突然のことにパニックになり、車同士をぶつけたり窓を割って出たりする。それらすべてを心音で感知できるロイドは、素早く立ち回って人々を殺して回る。
「停止(止まれ)!」
ミカが一か八かロイドに向かって叫ぶが、思考が停止しているロイドに命令は通らない。それを見た喰は自身のユニゾンの射程まで近づき、ロイドの足と車の屋根に磁力を与える。吸着させてひとまず動きを止めようという算段だった。
だがそれをやられたロイドは、持っていた鎌を喰に向かって縦回転で投げつける。その場から離れれば射程圏外になってロイドが動き出し、動かず食らえば自分が死んでロイドが動き出す。
その状況を変えたのは失斗だった。彼は喰の前に立ち塞がり、鎌の刃を胸に受けた。
「君の恐怖のサインは歯ぎしり……! 他の兵士を先導してここから逃げろ……!」
失斗は最期の最期に自身のユニゾンで喰に命令する。
喰はまた使われないように失斗から鎌を抜いて持っていき、4人は戦闘車に向かって走り出す
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