Night Sky

ざんざん ぎゃりぎゃり ばるばるーらる ばんばん ががが いえいいえいだ ぱーりーー４

「出藻倉先生！　ネズミを使って負傷者を一ヶ所に集めて！　僕が治し」

　それを一発の銃声が遮る。遊大は左のふくらはぎに銃弾を受けた。

「……！　どこから……！」

　小麦が周囲を見渡すと、颯天たちの後方に、中に浮かぶ銃を見つける。

「颯天君、後ろ！　透明人間がいる！」

　サロモンに気づいた小麦が叫ぶ。存在がバレたサロモンは銃を捨てて走り出す。そこにうっすら白く濁った液体が飛んできて彼にかかる。先行して教官棟に追いついた慶紀が、空になっているスポーツドリンクのペットボトルを持っていた。

　液体を被ってシルエットが見えるようになったサロモン。ほぼ非ユニゾン持ちになってしまった彼は、慌ててリッチャルデットのもとに駆け寄って守ってもらおうとする。そのリッチャルデットは、すでに風雅を無力化していた。

　まだだ。もう一方の脚は無事だ。それで踏み込んで飛ぶことはできる。

　遊大はそう考えて右の脚で踏み込んで飛ぼうとする。

　そこにネズミの山から抜け出したアストルフォが、脇差しで遊大を右のふくらはぎを突き刺す。

「これで離陸に必要な脚が使えなくなったね～。もう諦めて僕たちと一緒に来ようよ～」

　アストルフォが不気味な愛をぶつける。

　そこに隙焼を除く太陽たち美術室組が合流する。太陽は即座に槍を生み出し、アストルフォを攻撃する。アストルフォはすぐさま薙刀を抜き、槍の穂先のすぐ下を受け止める。

「穂先が当たらなければ爆発しないよね～」

　数のわりにずいぶん劣勢な関東支部組を見て、倒れた風雅に腰かけてタバコを吸うリッチャルデット。目的達成までもうすぐだろうと余裕を持っていた。

　そこに真後ろから、根本からへしおった街灯を持った花子が襲いかかる。

「アルティメット真拳奥義！　満月大根斬り！」
　
　乱暴に街灯を振り回す花子に、リッチャルデットとサロモンが風雅から離れる。鬼のような形相の花子に危機感を覚えたアストルフォはすぐさま遊大から離れる。

「両足やられたか！」

「お陰で走れないですし、飛ぶのに必要な踏み込みもできません……！」