Night Sky

九十九光

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ざんざん ぎゃりぎゃり ばるばるーらる だんだん ばばば わいわいだ  ぱーりーー16

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 ジラールの歯車とテュルパンの舌が追ってくる。最後尾の姪宮にはそれも計算済みだった。腕だけを出して銃を取り出すと、ガス弾を数発放つ。ガスが触れた2人はその場で苦しくなり、追跡どころではなくなった。

「ああ、ちくしょう! 汚ねえ真似しやがって!」

 うろたえてもとの姿に戻るジラール。テュルパンも全身にしびれを感じながらも、冷静に判断した。

「落ち着け。行き先はどうせ一番安全な教官棟だ。そこを根城に俺らに応戦する算段なんだろう。だったら俺らもそこに行けばいい」

 その頃、王子、太陽、零二、喰がいる美術室では、オリヴィエがいた。すでに交戦中だった。

「コイツ、どうなってんだ!?」

「体が水になって攻撃が通らない……。蒸発させるだけの火力もない俺なんて……」

 オリヴィエは自身のユニゾンで体を液体にして、王子と零二の攻撃を無力化していた。

「下がってろお前ら! 俺がやる!」

 そこに太陽が1本の槍を構えて突進する。穂先は液化しているオリヴィエの体に突き刺さり、爆破させる。オリヴィエの体は割れた水風船の中身のように周囲に飛び散った。

「……。倒したのか?」

 顔にオリヴィエの水滴がついた太陽が疑問視する。

 結論を言えば、まだだった。

 顔の水滴は鋭くなったかと思うと太陽の頬を傷つける。壁、床、天井に飛び散った水滴も弾丸のように王子たちを襲う。間一髪で彼がプラスチックの壁を作らなければ、もろに受けていた。

「十二勇士がこの程度で倒れるとでも?」

 ひとしきり攻撃を終えた水滴は一塊に集まり、もとのオリヴィエへと戻っていった。

《オリヴィエ 本名:時停涙(トキトメ ナミダ) ユニゾン名:メルト……自身の体を液体にできる。水圧カッターの要領で攻撃も可能。》

 準備室に隠れている喰が、このタイミングでオリヴィエと床にひっつくように磁力を付与する。これでひとまず行動は封じたはず。

「そういえば磁力付与のユニゾン持ちもいたわね」

 冷静なオリヴィエに付け焼き刃の対策は無駄だった。彼女は腕を水に変え、喰のいる準備室に向けて水の鞭を放つ。木製の扉を破壊するその攻撃に怯んだ喰は後方に下がり、射程距離3メートルから離れてしまった。
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