Night Sky

ざんざん ぎゃりぎゃり ばるばるーらる だんだん ばばば わいわいだ ぱーりーー９

《ローラン　本名：黄金絶(コガネ　ゼツ)　ユニゾン名：ディストピア・ジパング……背中から白い翼が生えて空を飛べる。また、触れた物体の時間経過を高速で進行させる。》

「そうだぜ！　俺らはお前らみたいな偽りの正義を抹殺するために活動する、ユニゾン革命隊十二勇士！　今まで相手してきた末端人員や触発されたチンピラとはわけが違うんだ！」

　フロリマールも左手の金属バットを構えて臨戦態勢に入る。

「俺はフロリマール！　シャルル総督の掲げる正義を貫く」

「コワードリー・ビーム！」

　フロリマールたちの背後から、Ｃの形をしたビームが発射され、２人を吹き飛ばした。小麦たちは、コイツらが出ると同時に勇者がいなくなったと思ったら後ろに回り込んでたのか、とあきれた。

「……！　てめえ！　不意討ちだなんて、仮にも正義を全うする者のする行動か！」

「お約束などいらん！　正々堂々戦って負けるよりマシだ！」

　勇者が堂々と宣言すると、フロリマールの標的は勇者に向かった。

「コワードリー・ソード！」

　勇者は振り下ろされた金属バットを、どこからか取り出した剣で受け止める。この打ち合いの時点で、勇者は相手がパワー増強系のユニゾンであることに気がついた。

「力比べか！　それなら俺に分が」

　フロリマールの言葉を遮るように、勇者が剣に仕込んであるスイッチを押して刀身に電流を流す。電流は金属バットを通じてフロリマールにも流れ、彼を後退させた。

「……！　どこまで卑怯なら気が済むんだ、てめえ！」

　さらに怒りを増したフロリマールが、金属バットを乱暴に振り回す。

「私のコワードリー・パラライズを受けてもほぼノーダメージ。そしてこのパワーに顔の白黒模様。パンダのユニゾンだな！」

《フロリマール　本名：半田球次郎(ハンダ　キュウジロウ)　ユニゾン名：パンダヒーロー……ジャイアントパンダの力が身につく。クマ科特有の凶暴性とパワーを持つ。》

「あのなんとかレンジャーみたいなのはフロリマールで充分そうだな。なら俺は……」

　フロリマールの戦況を見て、ローランは小麦と糸美に狙いをつける。

　２人の十八番の拘束技は基本無効。翼がある以上速度でも負けている。

　万事休すかと思った２人に、空から援軍が駆けつける。