Night Sky

ざんざん ぎゃりぎゃり ばるばるーらる だんだん ばばば わいわいだ ぱーりーー６

　突如調理室の明かりがつく。幽体離脱した霊子がやったのだ。

「まずい！　西後のユニゾンが使える！」

　オジェが警戒したまさにその時、机の影から出た人陰がラストバトルを実体化させる。

「ドレスの奴のビームに気をつけろ！　お前でも当たったらどうなるか分からない！」

「任セトケ、相棒！」

　ラストバトルはマラジジに襲いかかる。マラジジはビームで応戦するが、ラストバトルの素早さの前には当たることはなかった。そしてマラジジとラストバトルの取っ組み合いになる。

「僕もやらざるを得ないか」

　達観していたオジェが四つん這いになる。すると全身から短く黒い毛が生え、犬のような顔になった。

　人陰が横目でそれに気づいた時には、オジェは人陰に食らいつこうとする。しかし人陰自身も肉弾戦を想定して訓練している兵士。柔道の組手のような掴み合いになると、人陰はオジェをチョコレートの窓に叩きつけた。

「……！　こういうのは本体は弱いのがお約束だろ！」

　そう言うオジェは元の姿に戻っていた。そして訓練生側４人が驚く真似をした。

「ラストバトル！」

　オジェの影が実体化し、人陰のラストバトルとほとんど変わらない姿に変化した。

「アイツ、犬のユニゾンじゃねえのか!?」

　机の下から様子を見ていた爆美が驚愕する。

《オジェ　本名：妬増間練(ネタマシ　マネル)　ユニゾン名：ゴッディッシュ……触れた相手のユニゾンを使えるようになる。別の相手に触れると使えるユニゾンは上書きされる。》

　オジェのラストバトルは取っ組み合う人陰のラストバトルとマラジジの間に割って入る。マラジジは引き、２体のラストバトルが戦う構図になった。手の空いたマラジジは残りの３人に襲いかかる。

「霊子！　体に戻れ！　この部屋から出るぞ！　第一の陰キャは影伸ばして自分を守れ！」

　霊子は包丁を１本手にした爆美の言う通りにし、３人で出口に向かって走る。マラジジが背後からステッキを構えてチョコレート化ビームを放とうとする。

　そのタイミングで颯天がミサイルをガスコンロに向かって撃った。

　ミサイルの爆破はガスに引火し、調理室内で誘爆を起こした。