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ひゅ~どろろ ひゅ~どろろー10
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それと同時にピアノの音色と少年の歌声が聞こえる。楽曲はGreen DayのBoulevard of Broken Dreamsのピアノソロアレンジだった。
ピアノを演奏する少年は黒いフードで顔を隠しており、さすがの2人も不気味さを感じた。
さっさと旗を取って戻ろう。そう思って並べられた椅子の上に置かれた旗に向かった、その時だった。
2人のうなじを濡れたふでのような何かが撫でる。後ろを振り返ると、天井から垂れ下がった濡れた黒髪がいくつもの束になっていた。
「うおっ」という声を出して驚く2人。大樹は素早く旗を取り、文活とともにすぐにその場を去ろうとする。
すると今度は足元を複数のパチンコ玉が転がり、それを踏む2人。無論転倒した。これでさらに恐怖心が増した2人は、無言ながらも廊下に向かって走り出した。
2人が完全に廊下に出ると、ピアノを弾いていた風引臣蛇(カゼヒキ シンジャ)が、「うまくいったな」と、パチンコ玉を転がした少年、夢血小読(ユメヂ コドク)に声をかける。小読は転がしたパチンコ玉をユニゾンで手元に回収しながら、無言でうなずいた。
《風引臣蛇 ユニゾン名:ロキ……リズムに乗っている間、髪の毛を自在に伸ばしたり操ったりできる。》
《夢血小読 ユニゾン名:リ・エデュケーション……パチンコ玉サイズのあらゆる球体を操作できる。同時に100個まで操作可能。》
七不思議その六、体育館にたった一人でやって来た遊大。10分前には閉ざされた扉の前に来ていたのだが、正直開けるのを躊躇していた。
ただ単に七不思議を伝えてそこに旗を取りに行かせるとは思えない。絶対に脅かし要素があるに決まってる。
そう思うとなかなか開ける勇気が出なかった。
だがこうも考えていた。
すでに他の人たちは各地で旗を取って灰色先生のところに戻っているだろう。自分のせいでこの肝試しが終わらないとなったらそれこそ迷惑だ。
ついに意を決して遊大は扉を開けた。
ピアノを演奏する少年は黒いフードで顔を隠しており、さすがの2人も不気味さを感じた。
さっさと旗を取って戻ろう。そう思って並べられた椅子の上に置かれた旗に向かった、その時だった。
2人のうなじを濡れたふでのような何かが撫でる。後ろを振り返ると、天井から垂れ下がった濡れた黒髪がいくつもの束になっていた。
「うおっ」という声を出して驚く2人。大樹は素早く旗を取り、文活とともにすぐにその場を去ろうとする。
すると今度は足元を複数のパチンコ玉が転がり、それを踏む2人。無論転倒した。これでさらに恐怖心が増した2人は、無言ながらも廊下に向かって走り出した。
2人が完全に廊下に出ると、ピアノを弾いていた風引臣蛇(カゼヒキ シンジャ)が、「うまくいったな」と、パチンコ玉を転がした少年、夢血小読(ユメヂ コドク)に声をかける。小読は転がしたパチンコ玉をユニゾンで手元に回収しながら、無言でうなずいた。
《風引臣蛇 ユニゾン名:ロキ……リズムに乗っている間、髪の毛を自在に伸ばしたり操ったりできる。》
《夢血小読 ユニゾン名:リ・エデュケーション……パチンコ玉サイズのあらゆる球体を操作できる。同時に100個まで操作可能。》
七不思議その六、体育館にたった一人でやって来た遊大。10分前には閉ざされた扉の前に来ていたのだが、正直開けるのを躊躇していた。
ただ単に七不思議を伝えてそこに旗を取りに行かせるとは思えない。絶対に脅かし要素があるに決まってる。
そう思うとなかなか開ける勇気が出なかった。
だがこうも考えていた。
すでに他の人たちは各地で旗を取って灰色先生のところに戻っているだろう。自分のせいでこの肝試しが終わらないとなったらそれこそ迷惑だ。
ついに意を決して遊大は扉を開けた。
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