Night Sky

Hip hip HOORAYー９

「今まで僕の周りにいた兵士やその候補生は、みんなお金や地位への欲、強い愛国心を持っていた。でもここに来てから出会った人たちは、みんなそれだけで動いてる人ばかりじゃない。突拍子もない夢を持ってたり、毎日の中に楽しみを感じようとしてたりする人ばかり。そんな人に出会えたのが嬉しいんです。こんないい意味で人間くさい人たちに出会えたのが、嬉しいんです」

　遊大の予期せぬ発言に、思わず照れくさくなる一同。それを払拭するために、人陰が自分なりに思いきったことを言う。

「つ、着けてみてよ。そのネックレス」

　その言葉で遊大は早速ネックレスを着けてみる。

「いいね～。なんか今まで地味目だったのに一気に華が出たって感じで。やっぱ俺の美的センスやべえわ～」

「そうか？　自分の名前が彫られたネックレスだぞ？　犬の首輪みてえでだせえじゃん」

　太陽の高評価を光がぶった切る。

「いえ、僕これ大事にします」

　遊大は満面の笑みでそう答えた。

　こうして始まった遊大の誕生パーティ。やたらと買い込んできた食事を処理しきれず、第二、第三部隊も呼んで強引に完食を図ろうとする。喉の調子が戻った花子がアカペラで訓練生が知らないアニメソングを歌い出し、便乗した第二部隊教官の細田神介も昭和の歌謡曲を熱唱する。挙げ句の果てには調子に乗った花子が遊大にYesterdayのアカペラを要求し、彼は照れながらも歌い、皆を脱帽させた。

　こうして楽しい時間は夜の11時まで続き、遊大は床についた。