Night Sky

遠い夏の思い出ー６

「再火隊長が滅多に現場に出ないからここでやったんでしょうけど、やっぱりこういうことは渋谷や新宿でやるべきでしたね」

《野田氷助　ユニゾン名：アウトバースト・ドリーマー・ボーイズ……氷を生成できる。氷に触れた液体は同じ性質の氷になる。》

「はーい、皆さーん。氷上の犯人たちの確保と巻き込まれた人たちの救助お願いしまーす。幸い波の中に完全に閉じ込められた人はいないのでー、慌てず騒がず落ち着いてー」

　玉玲の指示で第一部隊の一同と残りの現役兵士たちは、一斉に行動に移る。

　颯天がミサイルで犯人を吹き飛ばし、小麦が植物の小麦で犯人を拘束する。氷に半身が埋まった車や人々を救助するため、大樹、人陰が強引に氷を壊して回る。光も光熱で氷を溶かし、文活は車を分解して中の人の救助を優先する。逃げ出そうとする犯人たちは雨、遊大、風雅、信也、王子、糸美が取り押さえる。

「まだだ！　こんなところで俺らの革命を終わらせてたまるか！」

　達知たちは遠距離攻撃持ちのユニゾンを中心に兵士たちに攻撃を開始する。しかし遠距離攻持ちは兵士サイドにもいた。

　黄法がギターを取り出し、それに緑色の炎を纏わせる。そしてギターを弾き鳴らすと、ヘッド部分から同じ色の炎の弾丸が射出され、達知たちを襲った。

《猿踊黄法　ユニゾン名：ジャンキーナイトタウンオーケストラ……ギターに緑色の炎を纏わせる。弾くと先端から炎の弾を飛ばせる。》

　だが弾丸の一部は達知の生み出した水で防がれてしまう。達知はそのまま大量の水を出して再び津波を起こそうとする。

「出番よ！　ララララフレシアちゃん！」

　今度は鉛が指を鳴らす。すると花の顔を持つ巨大な植物のような怪物が出現した。津波は植物の怪物に激突するが、波は怪物の足元から吸収される用に消えていく。

《赤黒鉛　ユニゾン名：ララララフレシア……巨大な花の顔に蔓でできた体を持つ怪物を召喚し、操る。》

　勝てない。そう悟った犯罪者の一同は左右の歩道に分かれて逃走を図る。