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九十九光

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仇花すっかり舞い散る季節ー14

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「確かユニゾンの登場が、太平洋戦争が終わった直後くらいの、1950年代だろ。わしは1952年に軍に属した時にはすでにユニゾンを持っていた。だがいつどのようにこの力を得たのかは覚えてないんだ。ユニゾンは先天的に持つもので、後天的に手に入れることはないはず。だがわしは、確かに子供の頃はユニゾンを持っていなかった。50年代は他に思い出せる記憶がない。年のせいかの? その後の60年代以降ははっきりと思い出せるんだがの」

 太郎は思考を張り巡らせる。それを横で聞いていた仁は、「やはり」と呟いた。

「ん? 今何か言ったか?」

 太郎がカップ酒を口にする。

「いえ、こう思っただけです」

 次の瞬間、太郎は目を疑った。仁が自分の目の前で、全身を有毒の灰にしたのだ。

「アンタもあの時代、ろくな仕事してなかったんだって」
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