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窓を見たら外は春先ー3
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食器の後片付けを終えた二人は、寮を出て支部の敷地内にあるグラウンドのひとつに向かった。野球場が併設されたグラウンドであり、その明かりに照らされながら、他の部隊の訓練生が自主練に励んでいた。そのうちの何人かは、有名人の遊大と支部内でも屈指の目立つ見た目をした大樹に一瞬視線を向ける。
二人はグラウンド前の階段に腰かける。そこからは明かりに照らされた砂地のグラウンドと、その奥にある林が見えた。
「たぶん、話がしたくてここまで来たんでしょうけど、なんです?」
遊大は大樹に切り込む。
「……。今日のインタビュー、陰から見ていた。お前がひどく緊張しているのも、お前が純粋な気持ちで夢を語っているのも」
その大樹の言葉を聞いて、遊大の頬が赤くなる。
「バ、バカみたいですよね!? ユニゾンで人を笑顔にしたいなんて……!」
遊大が慌てふためく。横にいる大樹は微笑みながら口を開こうとする。
その時だった。
「……! なんだ、あの男」
大樹が出かかった台詞を飲み込み、林のほうに注目する。それを聞いて遊大も大樹と同じ場所に視線を向ける。
遊大の目には、小太りでとんがった髪型の男が林の奥から出てきたように見えた。支部の教官か、用務員か。遠目に見ても見覚えのない人間なのは間違いなかった。
「異形型のユニゾン持ちだ。頭に赤いキノコが生えている」
「キノコ? てかこの距離からそこまで分かるんですか?」
「俺は人並み以上の視力を持ってるからな。とにかくあの男、支部の関係者じゃないぞ」
大樹が立ち上がる。それと同時に彼は3つの目を丸くした。
「全員逃げろ! その男、胞子をばら蒔いている!」
大樹がグラウンド内の訓練生に叫ぶ。
その時にはもう遅かった。グラウンドのあちこちから赤いキノコが一気に生え始め、訓練生たちは胸や口を押さえながら咳き込み、倒れる。
「何が起きてるんですか!? 胞子をばら蒔いてるって……!」
動揺する遊大。大樹は汗をかきながら遊大に自分の予想を説明する。
「あの男の頭のキノコから、ピンクがかった胞子が出てくるのが見えた。それが何かに付着した瞬間急速に生長した。もしかしたら胞子を吸い込むと、体内でキノコが生えるのかもしれない」
二人はグラウンド前の階段に腰かける。そこからは明かりに照らされた砂地のグラウンドと、その奥にある林が見えた。
「たぶん、話がしたくてここまで来たんでしょうけど、なんです?」
遊大は大樹に切り込む。
「……。今日のインタビュー、陰から見ていた。お前がひどく緊張しているのも、お前が純粋な気持ちで夢を語っているのも」
その大樹の言葉を聞いて、遊大の頬が赤くなる。
「バ、バカみたいですよね!? ユニゾンで人を笑顔にしたいなんて……!」
遊大が慌てふためく。横にいる大樹は微笑みながら口を開こうとする。
その時だった。
「……! なんだ、あの男」
大樹が出かかった台詞を飲み込み、林のほうに注目する。それを聞いて遊大も大樹と同じ場所に視線を向ける。
遊大の目には、小太りでとんがった髪型の男が林の奥から出てきたように見えた。支部の教官か、用務員か。遠目に見ても見覚えのない人間なのは間違いなかった。
「異形型のユニゾン持ちだ。頭に赤いキノコが生えている」
「キノコ? てかこの距離からそこまで分かるんですか?」
「俺は人並み以上の視力を持ってるからな。とにかくあの男、支部の関係者じゃないぞ」
大樹が立ち上がる。それと同時に彼は3つの目を丸くした。
「全員逃げろ! その男、胞子をばら蒔いている!」
大樹がグラウンド内の訓練生に叫ぶ。
その時にはもう遅かった。グラウンドのあちこちから赤いキノコが一気に生え始め、訓練生たちは胸や口を押さえながら咳き込み、倒れる。
「何が起きてるんですか!? 胞子をばら蒔いてるって……!」
動揺する遊大。大樹は汗をかきながら遊大に自分の予想を説明する。
「あの男の頭のキノコから、ピンクがかった胞子が出てくるのが見えた。それが何かに付着した瞬間急速に生長した。もしかしたら胞子を吸い込むと、体内でキノコが生えるのかもしれない」
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