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幸福なのは義務なんですー1
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目が覚めると、秋晴小麦の視界には満点の青空が広がっていた。しばらくは眠気の余韻で物事を考える余裕がなかったが、それが覚めると、自分は灰色仁の毒にやられて死んだはずだということを思い出した。
起き上がると、自分はどこかの川辺の芝生の上にいることが分かった。川の向こうはきれいな芝生の防波堤になっている。三途の川と呼ぶには少しきれいすぎる光景だった。そして何気なく左横を見て、彼女の残りの眠気は吹っ飛んだ。
照州光が眠い目を擦って仰向けになっていたのだ。
「光ちゃん!? どうしてここに!?」
小麦が光を揺すりお越しながら周囲を見渡す。周囲には小麦から時計回りに、光、文活、雨、王子、大樹、糸美、太陽、人陰、信也、風雅、颯天と、円形に並んで仰向けになっていた。全員意識があることが分かった。
「……。ここはどこだ。なぜ俺たちは輪になって眠っていた」
文活が起き上がって尋ねる。
「知らねえよ。それより戦況はどうなった」
太陽が語る。戦争が起こったことを知らない光と文活が、なんのことだと質問する。
それに対して颯天が詳しく説明した。2人が死んだあとに政府側とユニゾン革命隊で大規模な戦争が起き、学徒動員もされたこと。その裏で灰色仁が革命隊側で暗躍していたこと。戦況は政府側の敗北が99%確定したところまでいったこと。すべて話した。灰色仁の裏切りを知る前に死んだ面々は衝撃を隠せなかった。
「それよりここがどこかって話のが重要だ。先に死んだペチャパイと中二病は分からねえのか」
颯天が光と文活に尋ねる。無論答えは、分からないだった。
「遭難したら高いところに登れ。こっちの防波堤に上がってみよう」
雨が12人の後ろにある防波堤を指差す。作りは対岸の防波堤と同じだった。
12人が防波堤に上がると、その上は道路になっていた。向こう側は住宅地になっており、さらにその先には高層ビルが立ち並んでいた。辺りを見渡すが、ここがなんという名前の川なのかを示す看板には、『第一級河川 はじまり川』と記されていた。
「……。ますます分からんぞ」
大樹が看板をまじまじと見つめながら雨に言う。
起き上がると、自分はどこかの川辺の芝生の上にいることが分かった。川の向こうはきれいな芝生の防波堤になっている。三途の川と呼ぶには少しきれいすぎる光景だった。そして何気なく左横を見て、彼女の残りの眠気は吹っ飛んだ。
照州光が眠い目を擦って仰向けになっていたのだ。
「光ちゃん!? どうしてここに!?」
小麦が光を揺すりお越しながら周囲を見渡す。周囲には小麦から時計回りに、光、文活、雨、王子、大樹、糸美、太陽、人陰、信也、風雅、颯天と、円形に並んで仰向けになっていた。全員意識があることが分かった。
「……。ここはどこだ。なぜ俺たちは輪になって眠っていた」
文活が起き上がって尋ねる。
「知らねえよ。それより戦況はどうなった」
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「遭難したら高いところに登れ。こっちの防波堤に上がってみよう」
雨が12人の後ろにある防波堤を指差す。作りは対岸の防波堤と同じだった。
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