カゴの中のツバサ

＃４－２

　衝撃的な内容だった。
　詳細な説明といったほかのコメントが一切ない状態で、全裸のカナコの画像が四枚送信されていた。
どの画像でもカナコは、画面外にあるスタンドランプによって暗い部分が多く残された空間で、自分の乳白色の身体を自慢げに見せていた。そのどれもこれもが、大の大人の男が見れば、自分を性的な行いに誘っていると認識してしまいそうなポージングをしている。そのくらいのことは、中途半端な性知識しか持ち合わせていないツバサにもすぐに理解できた。
　画像を一目見た瞬間から、ツバサは胸の拍動が大きくなっているのを感じ取った。彼はこれらの画像を、決して見てはいけない画像だと直感で認識した。早く何とかしないと、姉弟の様に暖かかったカナコとの関係が音を立てて崩れてしまうんじゃないかと、根拠のない恐怖が襲い掛かってきた。早く画面を落として見なかったことにするか、どういうことなのかとカナコに返信をしないといけないと、ツバサは頭の中で考えた。
　しかし彼は、それらの思考を実行に移せなかった。スマートフォンの液晶に触れている指先は、ツバサの理性とは裏腹に、ゆっくりと画面を下から上へとなぞり、送られてきた画像をじっくりと時間をかけて、ツバサへ見せつけてきた。
　一枚目は、白い壁をバックに正面を向いて立つカナコの姿だった。右脚は垂直にし、左脚は身体の外側へ斜めに伸ばした、いわゆるモデル立ちをしており、右腕は身体の後ろへ、左手は頭の毛に触れている。ツバサの母親より二回りほど小さな乳房には、母親のものよりずっと小さく色も薄い乳首がついていた。シュシュを使って後頭部の中間あたりで結んだままにしてある髪の毛も、もしかしたら胸が隠れないように結んでいるんじゃないかとツバサには思えた。腹回りは胸と腰に比べて細くなっており、うっすらと陰毛が生えた股間も含めて、保健の教科書の十代後半の女性のイラストと一致していた。画面外のライトに光に照らされている彼女の顔は、うっすらと笑みをたたえている。同じく画面外に陣取っているカメラマンから脅されているといった様子は、ツバサにはこの画像だけでは感じ取れなかった。
　二枚目は、ベッドの上で尻をこちらに向けている女性の姿だった。この画像だけ顔が映っていないため、本当にカナコかどうかの確かめようはないが、これだけ別人の画像を当てはめる意味は皆無だということは、ツバサにも理解できていた。画面上のカナコは上半身を白いシーツの上に完全に預けて尻を突き出している、腰に負担のかかるポーズをしていた。さ