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eスポーツ部誕生
10 出会い2
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翔は教室へ戻るため、とぼとぼ歩きながら独り言を言っていた。
「eスポーツ部か。ストVできるならマジで入るんやけど。LoLっていうのがちょっとな。一度やったけど、よう意味が分からんかったし……
あー本当に何部に入ろうか? 他に何か良いの無いかな。えらいのは(きついのは)嫌やで楽なのがええな。それに可愛い子は欠かせんし、楽しい高校生活を送るには女の子は不可欠や。あっ! そういえば、あいつなんて名前やったんやろ? 聞くの忘れたがね」
翔はそんな事をつぶやきながら、速人の方を振り返った。
「何! あいつ女の子と話しとる。しかも、でら可愛い子だがね。こうしてはおれん」
翔は速人に向かって一目散に駆け出した。
女子生徒の前まで行くと開口一番
「おみゃーさん、eスポーツ部入るの? 俺も入っとるから一緒にやろまい」
突然現れた翔に驚きながら女子生徒は応えた。
「えっ、今説明を聞いていただけなので、まだ何も決めていません」
「翔君、ストVできるようになったら誘ってとか言ってなかった?」
速人は困惑した顔をしながら言った。
「あぁ、あれは、ほら、言葉の綾や。入部する事は決めっとったんやて。いつから参加するかって事よ。とりあえずそれは置いておいて、おみゃーさんはゲーム好きやろ?」
翔は一瞬だけ速人を見た後、女子生徒へ質問した。
「はい、ゲーム好きです。いつもやってますよ」
女子生徒の顔が不安げな表情から笑顔に変わった。
「ほらー、eスポーツ部にピッタリや。絶対入った方がええって」
まるで強引な押し売りだ。自分には絶対無理だが、部員を増やすにはこれ位の押しの強さが必要なのかもしれないと速人は思った。
「う~ん、全然考えてなかった事ですから。どうしようかな?」
「やらない後悔より、やって後悔って言うやろ。迷っているんなら絶対にやるべきやって」
「じゃあ、一度体験してから決めるって事でも良いですか?」
「勿論ええって。そうだよな? え~と名前なんやっけ?」
翔はそう言い、速人を見た。
「光田速人。光る田んぼの速い人って書くよ」
「光田速人か、光る……速い……。そうだ、光速だ! これから光速って呼ぶな。俺の名前は多田野翔。翔って呼んでな」
「私は1年2組の原田真紀です。あっ、『ハラマキ』って呼ばないでくださいよ」
真紀はそう言い、翔を見た。
「今、言おうと思ったのに先に言われたがね」
翔がそう言うと、三人はそろって笑った。
うまくいけば部員が三人になるかもしれない。速人はそう思うと少し気分が軽くなった。
真紀は第一印象とは違い、意外にも普通の子だった。
『最初話したときのボーっとしていた感じは何だったんだろう?』と速人は思った。
「eスポーツ部か。ストVできるならマジで入るんやけど。LoLっていうのがちょっとな。一度やったけど、よう意味が分からんかったし……
あー本当に何部に入ろうか? 他に何か良いの無いかな。えらいのは(きついのは)嫌やで楽なのがええな。それに可愛い子は欠かせんし、楽しい高校生活を送るには女の子は不可欠や。あっ! そういえば、あいつなんて名前やったんやろ? 聞くの忘れたがね」
翔はそんな事をつぶやきながら、速人の方を振り返った。
「何! あいつ女の子と話しとる。しかも、でら可愛い子だがね。こうしてはおれん」
翔は速人に向かって一目散に駆け出した。
女子生徒の前まで行くと開口一番
「おみゃーさん、eスポーツ部入るの? 俺も入っとるから一緒にやろまい」
突然現れた翔に驚きながら女子生徒は応えた。
「えっ、今説明を聞いていただけなので、まだ何も決めていません」
「翔君、ストVできるようになったら誘ってとか言ってなかった?」
速人は困惑した顔をしながら言った。
「あぁ、あれは、ほら、言葉の綾や。入部する事は決めっとったんやて。いつから参加するかって事よ。とりあえずそれは置いておいて、おみゃーさんはゲーム好きやろ?」
翔は一瞬だけ速人を見た後、女子生徒へ質問した。
「はい、ゲーム好きです。いつもやってますよ」
女子生徒の顔が不安げな表情から笑顔に変わった。
「ほらー、eスポーツ部にピッタリや。絶対入った方がええって」
まるで強引な押し売りだ。自分には絶対無理だが、部員を増やすにはこれ位の押しの強さが必要なのかもしれないと速人は思った。
「う~ん、全然考えてなかった事ですから。どうしようかな?」
「やらない後悔より、やって後悔って言うやろ。迷っているんなら絶対にやるべきやって」
「じゃあ、一度体験してから決めるって事でも良いですか?」
「勿論ええって。そうだよな? え~と名前なんやっけ?」
翔はそう言い、速人を見た。
「光田速人。光る田んぼの速い人って書くよ」
「光田速人か、光る……速い……。そうだ、光速だ! これから光速って呼ぶな。俺の名前は多田野翔。翔って呼んでな」
「私は1年2組の原田真紀です。あっ、『ハラマキ』って呼ばないでくださいよ」
真紀はそう言い、翔を見た。
「今、言おうと思ったのに先に言われたがね」
翔がそう言うと、三人はそろって笑った。
うまくいけば部員が三人になるかもしれない。速人はそう思うと少し気分が軽くなった。
真紀は第一印象とは違い、意外にも普通の子だった。
『最初話したときのボーっとしていた感じは何だったんだろう?』と速人は思った。
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