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第一章 夢の世界で
夫の秘密
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「「「「結婚!?!?」」」」
メンバーは声を揃えて驚いた顔をしている。
まぁ…当然の反応か。
今日は、話があるから、とメンバーを俺の自宅に招いていた。
さすがに外では話しづらいからね…。
「自転車の彼女でしょ?」
「そう」
「いつの間に付き合ってたの?」
「いや、付き合ってるってゆーか…連絡は取り合ってるけど…」
「え!?付き合ってないの!?!?」
「てゆーか、特に会ってもない」
「「「「はぁ~!?!?」」」」
…まぁそりゃそうなるわな。
俺はふぅ~…と深呼吸をして話し始める。
「俺たちの仕事は夢を売ることじゃん?だから安易に出歩いて、スクープになるのは避けたかった。だから会わなかったし、電話だけで何年も過ごしてきたわけ」
メンバーは俺の話を真剣に聞いてくれている。
「でもさ、俺だってさ、やっぱり会いたいのよ…。だからさ、一緒に住めば、結婚すれば、もう我慢する必要も無くなるじゃない?」
しばらく沈黙が続く。
いきなりこんな話を聞かされて、戸惑うのも仕方ない。
「…いいんじゃない?結婚すれば」
いつも無口なヤツが一番最初に口を開いた。
「御村くんは『アイドル』を貫いてたくさん我慢してきた。僕たちに話してくれたってことは、もう心は決まってて、それなりにプランはあるってことでしょう?」
…さすが、よくお分かりで。
「…ありがとう。そう、ここでみんなが了承してくれたら、次に何をするか、どうするかはもう全部考えてある」
また1人。
「グループに迷惑かけないための最善策を考えてくれての、今日の集まりってことなんでしょ?いいじゃん!結婚しちゃお!おめでとー!!」
気が早ぇよ。
でも、おめでとうと言われて思わず口元が緩んだのを隠せなかった。
そして、その「おめでとー!!」を皮切りに、張り詰めていた空気が和み、メンバーみんなが俺の結婚について前向きに協力してくれる運びとなった。
ありがたい限りである。
―――
俺らはまず社長の元を訪ね、経緯と俺の結婚について報告した。
もちろん驚かれたが、反対はされなかった。
そして俺の考えたプランをまとめた書類を渡し、ひとつずつ説明していく。
住まいについて。
今のマンションはマスコミに知られているので引越しは必須。
都心から郊外のマンション、しかもセキュリティに特化した所をいくつかピックアップ済。
所有車について。
マンション同様、マスコミに知られているので買い替え必須。
仕事の都合上、彼女が乗ることが格段に多いため、彼女名義で購入予定。仮に、俺が乗っても違和感のないクラスのメーカーを予定。
結婚について報告する人物について。
社長、メンバー、俺の運転手をしているマネージャーのみ。
…この件については、社長から、メンバー全員のマネージャーと、社内上層部の一部の人間にも伝えるべきだとの助言を頂いた。
万が一何かあった時、守れる人が少しでも多い方がいいから、と。
そして最後に、入籍について。
「婚姻届は提出しません」
メンバーは声を揃えて驚いた顔をしている。
まぁ…当然の反応か。
今日は、話があるから、とメンバーを俺の自宅に招いていた。
さすがに外では話しづらいからね…。
「自転車の彼女でしょ?」
「そう」
「いつの間に付き合ってたの?」
「いや、付き合ってるってゆーか…連絡は取り合ってるけど…」
「え!?付き合ってないの!?!?」
「てゆーか、特に会ってもない」
「「「「はぁ~!?!?」」」」
…まぁそりゃそうなるわな。
俺はふぅ~…と深呼吸をして話し始める。
「俺たちの仕事は夢を売ることじゃん?だから安易に出歩いて、スクープになるのは避けたかった。だから会わなかったし、電話だけで何年も過ごしてきたわけ」
メンバーは俺の話を真剣に聞いてくれている。
「でもさ、俺だってさ、やっぱり会いたいのよ…。だからさ、一緒に住めば、結婚すれば、もう我慢する必要も無くなるじゃない?」
しばらく沈黙が続く。
いきなりこんな話を聞かされて、戸惑うのも仕方ない。
「…いいんじゃない?結婚すれば」
いつも無口なヤツが一番最初に口を開いた。
「御村くんは『アイドル』を貫いてたくさん我慢してきた。僕たちに話してくれたってことは、もう心は決まってて、それなりにプランはあるってことでしょう?」
…さすが、よくお分かりで。
「…ありがとう。そう、ここでみんなが了承してくれたら、次に何をするか、どうするかはもう全部考えてある」
また1人。
「グループに迷惑かけないための最善策を考えてくれての、今日の集まりってことなんでしょ?いいじゃん!結婚しちゃお!おめでとー!!」
気が早ぇよ。
でも、おめでとうと言われて思わず口元が緩んだのを隠せなかった。
そして、その「おめでとー!!」を皮切りに、張り詰めていた空気が和み、メンバーみんなが俺の結婚について前向きに協力してくれる運びとなった。
ありがたい限りである。
―――
俺らはまず社長の元を訪ね、経緯と俺の結婚について報告した。
もちろん驚かれたが、反対はされなかった。
そして俺の考えたプランをまとめた書類を渡し、ひとつずつ説明していく。
住まいについて。
今のマンションはマスコミに知られているので引越しは必須。
都心から郊外のマンション、しかもセキュリティに特化した所をいくつかピックアップ済。
所有車について。
マンション同様、マスコミに知られているので買い替え必須。
仕事の都合上、彼女が乗ることが格段に多いため、彼女名義で購入予定。仮に、俺が乗っても違和感のないクラスのメーカーを予定。
結婚について報告する人物について。
社長、メンバー、俺の運転手をしているマネージャーのみ。
…この件については、社長から、メンバー全員のマネージャーと、社内上層部の一部の人間にも伝えるべきだとの助言を頂いた。
万が一何かあった時、守れる人が少しでも多い方がいいから、と。
そして最後に、入籍について。
「婚姻届は提出しません」
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