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しおりを挟む気づいた時には
父親、兄、親戚、楽しそうに過ごしてると思わせる為に洗面台にある鏡の前で笑う練習をするようになりました
いつでも笑っていられるように
学校に近づくにつれ足が重くなったとイジメを受けた他の方の体験談を聞いたことがありますが、僕の場合は少し違いました。普通の足取り。今思えばあれは諦めの胸中だったからだと思います。何をしても変わらない現状、ただひたすら耐える我慢する。反抗するだけ無駄なのだと思考していたあの頃。思考の基礎を作ったのはその時の環境もあれば母親の教育も関係していたと思います
やさしいいいこになってね
けんかしちゃだめだよ
あぶないからやめようね
おかあさんがいやだからやめようね
おかあさんがおかあさんがおかあさんが
おかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんが
おかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんが
おかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんがおかあさんが
精神に刻み込まれた言葉は楔となり呪いとなり行動を制限されていました
僕の考えは果たしてぼくのいしによるものだったのか
ぼくのしたことは ぼくのためだったのか
わからない
果たしてこれはぼくのじんせいなのだろうか
桐沢への黙祷を済ませ、そろそろ帰ろうとした時に、世間の当たりよりは若干弱い風が吹き、それが服からはみ出した各肌色部位に当たり鳥肌人間となる。五秒後には戻ったけど。寒さを浴びたお陰でくしゃみが連続。へっくし!ういっくし!ひっぐらし!あーー、はながヤヴァイ・・・あっ。
「・・・すいません」
この場に居たのは自分だけではないことを思い出す。今現在花束お菓子ジュースが添えられた箇所で手を合わせてた母校の後輩が真顔で此方をじぃぃぃと見ていた。まじですまんかったいやホントに。
気まずさで落ち着かなくなり辺りをテキトーにキョロキョロ。目を泳がせる大会があれば世界に挑戦出来ていた。いやホントに。目回し過ぎて吹っ飛んじゃいそう。うん、言いすぎた精々裏返しになりそうなくらい。それはそれでやべぇな。
それにしても、
視界の端に映る後輩
相も変わらず此方を見ている
見続けている飽くことなく
うるさくしたことを責めるにしても実に回りくどい。下手な発言をしてトラブルになるのを避けるつもりならこうして視線を向け続けている事が矛盾している。それがわからない程のコミュニケーション不足なのかむしろトラブルスキーさんか。それが正解なら人生生きづらそうである。本人がどう思うかは別として。
まあ、僕には出来ない生き方なのは間違いない。憧れないけど。
また一つくしゃみ。
あー、いかんあかん
鼻水長いのが出た垂れた、んで戻した
戻し方?んなの吸うしかないじゃないですかやだなぁ。
尚その光景を間近で見ていた後輩が噴いて噎せた。少なくとも女子がしていい表情ではなかった。僕の周りの女子達は本当に表情が豊かだなとしみじみ。
「んふぉっ・・・見るな変態」
キッ!と分かりやすく睨まれながら変態呼ばわりされた。それに昔見たアニメの場面と酷似していたのである種の感動をしてしまったのは非常に仕方の無いことなのだ。多分。
それはそれとして気付いていないので後輩に鼻水出てるよをオブラート且つ抽象的に伝えてみたが変態認定された今聞く耳持たれずコミュニケーション拒絶。拒否ではなく拒絶コレジュウヨー。ウオーン、オレ、コマッタ!ウーーン・・・・。
取り敢えずオブラートにではなくストレートに言ってティッシュを差し出した。
夕闇でも分かるくらい顔を真っ赤赤になった。おー、血行良いんだねお嬢ちゃんハッハッ。
蹴られた
「うん悪気は無かったんだよいやホントに。ただとてもデリカシーが一ミリも感じられない言い方だったのは認めよう。ごめんなさい脛めっちゃ痛いけど」
「あの、あたしもいくらムカついたからって何度も的確に脛を蹴ってごめんなさい。でも今年一番スッキリしました」
二重の意味で、とは訊かないよ後輩をまたキズモノにしちゃうから。この言い方だと誤解を生みそう。ま、いっか。
制服の女子生徒、夏原千鶴はやはり母校の後輩で桐沢とは桐沢が引っ越すまで年中暇さえあれば朝から晩時には夜通し遊んでいた仲だったそうだ。控えめに言ってくたびれた姿の桐沢しか知らない身としては信じられないの一択なにがあった桐沢。
「ほーーん、それじゃ桐沢は同中だったかもしれないのか」
「きーちゃ・・・・桐沢さんとは学年が離れてるから結局疎遠になっちゃうんですけど。あの先輩って本当にOBなんですか?」
「そうだよ一昨年卒業した。社会の新嶋先生ってまだいる?蝶ネクタイがカラフルな新嶋先生」
しかも動くんだよ蝶ネクタイ(手動)想像して欲しい強面のおじさんの首もとでファンシー柄の蝶ネクタイがパタパタ羽を動かして自己紹介する光景。その時の表情はとても崩れたものになったのは僕だけではなかったことを鮮明に覚えているンフッ。
「えっ、気味が悪いんですけど」
急に笑みを浮かべたのを目撃した夏原が正直な感想を出したごめんでもちょっと傷付いた。
「えっ、先輩って傷付くんですか」
どういう意味だこんにゃろう。場合によっちゃ朝まで徹底論戦しちゃるぞ。
「えっ、嫌ですよ先輩となんて。先輩とこうして2人だけで居るのも結構、かなり、酷くしんどいんですから」
「そこまで言うか!」
「あの出来れば呼吸をするの控えてくれませんかお願いいたします」
「貴様それは死ねってことか!!」
「いえいえそんなことは言いませんあたしにそんなことを言う権利は無いんですから。命は平等であり尊いものです。だから呼吸を控えていただけると助かるんですが」
「脈絡がない!脈絡がねーよ!?えっ!理由もわかんないし!というか理解出来ない僕が悪いの?」
・・・鼻で笑いやがった、わらいやがった、ワライヤガッタ!
寒空の下、年下に泣かされた高校二年生がいた。僕ではない。代わりといっちゃなんだが鼻水をまた流したけどな。
「いやいや泣きたいのはこっちですよ。鼻水を飛ばしてくるってどんな神経してるんですかしかも連射で。マジありえない」
ドン引きした顔の夏原に今度はこっちが鼻で笑ってやろうとして失敗した。鼻水が滝のように止まらない。ズルズル。
「あの今更ながら先輩って桐沢さんとはどんな関係だったんですか?」
「うん?」
「正直に言いますと先輩と桐沢さんは対して仲が良かったようには見えないんですよ。なんて言うか好き嫌い以前の関係、どちらかといえばそう他人の間柄と思えたので」
「・・・・おお、ほぼ正解。桐沢とは昨日初めて会話した仲だ、しかしその初日でマブダチになったのさ・・・あぁ、うんごめん嘘。だからローキックは止めて。でも何でわかったんだ?女の勘ってやつ?」
「いえ、その来る途中で見えたんですけどあの手前にある赤いパッケージの駄菓子、お供えしたの先輩ですよね」
花束とお菓子の山に指さして夏原は続ける。
「アレ、桐沢さん食べれないんですよ。食物アレルギーなんで。だからアレをお供えするのは何も知らない人かなって」
「えっっ、アレルギー持ちだったの?桐沢」
「半年間毎食で食べ続けた結果そうなったそうです」
「えーーー・・・・・・」
桐沢、アホの子疑惑浮上。
まあ、幼少期はみんなそんなもんかもしれない。本能で動いているような時期。経験者は語る。伊達に田んぼにダイブしたワケではない。知ってるかい?泥で溺れる恐怖を。
というか、さ
「半年もの間桐沢の家族は何も言わなかったのか?」
うちだったら一日目の夕飯で間違いなくゲンコツ判定ですよ。虐待?食育ですよ奥様おほほのほ。
「何言ってるんですか言うわけないですよ。桐沢さん以外の家族、あの宗教に入っていて、そこで何があったのかわからないですけど桐沢さんは良くないもの扱いされてから気n
暗い森の奥からぼくを呼ぶ声がきこえる
おこってるようなないているようなわらってるような
なまえをよんでくる
ひさしブり の かnか
━━━━━ぃ、先輩?ちょっ!先輩!大丈夫ですか!!」
手の平と膝に伝わる熱くジンジン痛い感覚に涙目。
「いちゃいの」
「いや気持ち悪い」
もう少しね、優しくしてくれてもいいと思うんだよ僕は。いやホントに。
それにしても、だ。先程の醜態は控え目に言ってこのままアスファルトの染みになりたい。すっかりうっかりきれいさっぱり油断していたんだ。声のした方へ目を向ける。見渡す限りの田んぼの向こう側に呑み込まれそうな黒を彩った森がありその奥は山となっていた。距離にすれば徒歩で三十分はありそう。
黒い森から聞こえていた声は聞こえず代わりに鼓膜に仕事をさせたのは心配してくる声。それに「実は僕年下の女の子と会話すると細胞が活性化しすぎて眩暈を起こす体質なんだ」と嘯けばチベットスナギツネの目が向けられた。
「本当言うと立ち眩みが起きやすい体質でね。こうして長時間立っているといつの間にかダウンすることがある。そうならないように気をつけてはいたんだけどね」
スラスラとこうなった時用に考えていたテンプレートがこちらも久しぶりに活用し大活躍となる。夏原が「男の人にも居るんですね私の友達にもいます」と納得していた。
「そうなんだその友達大変だろうね。ところでさっきの続きなんだけど」
強引に話を変える。これ以上続けたらボロがボロボロと出そうなんで。
「桐沢の」
「ああ、それなんですけど忘れてください」
はい?
「いえ倒れられた時に、ふと会って間もない人に亡くなったとはいえ他の人のプライバシーを話して良いのだろうかと思いまして。今更ですけど。ほぼ話してしまいましたけど」
あぁ、それ正論。
「でも」
「でも?」
「私が話さなくても他の人に訊けば話してくれると思います。この町の人達話好きですから。先輩は違いましたけど」
「この町の人達噂好きなのは同意するけど僕が違うって?」
「だって桐沢さんの話知らなかったじゃないですかというかなんで知らないんですか」
あんな有名な話
老若男女面白おかしく話している噂話
そう吐き捨てた夏原の口はひどく歪んでいたとても堪っているんだろう身体の奥底にあるナニかが。
「桐沢の話を知らなかったのは人付き合いが苦手という事があって人と会話する機会がめっちゃ少なかったのが理由だな間違いなく」
人付き合いが苦手になった理由は関係ないので言わない訊かせて楽しい話にはならんし。
「まあ、そんな薄っっっすい関係だったからこそフツーに接することが出来たんだよ。その点に関してのみ人付き合いが苦手なことが良かったよいやホントに」
それ良いことですか?と首をかしげる夏原にもう一度肯定しといた。
「間違いなく良いことだよいやホントに」
すっかり暗くなってしまったので僕らはもう一度桐沢に黙祷してから帰ることにした。その際毒にも薬にもならない世間話、互いに苦にしかなかった小中時代の話、うちの学校の話等(進学先の候補らしい)をして途中の十字路で夏原と別れた。本当はもう少し先まで同じ道のりだったが適当な理由をつけて先に帰ってもらった。
うん訊きたいこと訊けた
ほーーーーーん、この家がそうか
成る程お話の通り壁に埋め込み型ポストの横に表札があって名字確認
そんじゃおっ始めますか
ひゃっはー
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