1 / 1
呼ばわるもののはなし
しおりを挟む
人で歩いてると。
誰かが名前を呼んで来るんだよね、いや誰がって言われても、誰もいないんだけどさ。そう、周りをぐるっと見回しても誰もいないの。人の気配もないの。声の方も男だか女だかわかんないような声で。
それがさ、良くは聞こえないんだけど、呼んでるのはどうも違う名前なんだよね。そう、自分のじゃないの。でも何となく自分が呼ばれてる気になるって。
場所? うーん、この町なのは確かなんだけど、どうもあちこちであるみたいでね。時々場所も移動するみたい。だから、はっきり何処とは言えないんだけどさ。ただ、他に一人でも人がいる時には起こらないのは確か。
あ、一つ注意しとくよ。もしそれに出会っても、絶対に答えないこと。まあ違う名前を呼んでるんだから、そうそう答えないとは思うけどね。え? 答えたらどうなるって、詳しいことなんて知らないよこっちも。ただ、何か悪いことが起こるのは確かみたいよ。
……てな噂を街角を散歩しながら思い返していると、誰かに呼ばれた気がした。
「え? 何?」
辺りを見回しても、誰もいない。
──○○さん。
今度はもっと近くから、でもどこか不明瞭に。よく聞こえなかったけど、確かに私のじゃない名前を呼ばれた。
……しまった。答えちゃった。
誰かが名前を呼んで来るんだよね、いや誰がって言われても、誰もいないんだけどさ。そう、周りをぐるっと見回しても誰もいないの。人の気配もないの。声の方も男だか女だかわかんないような声で。
それがさ、良くは聞こえないんだけど、呼んでるのはどうも違う名前なんだよね。そう、自分のじゃないの。でも何となく自分が呼ばれてる気になるって。
場所? うーん、この町なのは確かなんだけど、どうもあちこちであるみたいでね。時々場所も移動するみたい。だから、はっきり何処とは言えないんだけどさ。ただ、他に一人でも人がいる時には起こらないのは確か。
あ、一つ注意しとくよ。もしそれに出会っても、絶対に答えないこと。まあ違う名前を呼んでるんだから、そうそう答えないとは思うけどね。え? 答えたらどうなるって、詳しいことなんて知らないよこっちも。ただ、何か悪いことが起こるのは確かみたいよ。
……てな噂を街角を散歩しながら思い返していると、誰かに呼ばれた気がした。
「え? 何?」
辺りを見回しても、誰もいない。
──○○さん。
今度はもっと近くから、でもどこか不明瞭に。よく聞こえなかったけど、確かに私のじゃない名前を呼ばれた。
……しまった。答えちゃった。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

怪談 四方山
おばやしりゅうき
ホラー
『怪談 四方山』
ライターとして生計を立てている「私」は、とある「風」にまつわる話を思い出したことをきっかけに、一風変わった怪談を集めた短編集をつくることにした。
しかし、「私」が身近な人物達からそうした話を集めてゆくと、ある奇妙な共通点が浮かび上がりーー
連作(予定)の掌編小説集の一つ。
幽霊話とはほんの少し趣の異なる奇妙な物語をライターの「私」が収集し、短いお話としてまとめた、というストーリー。
実話怪談モノ、と言った所か。
全五編、全て読み終えたところで全体の共通点が浮かび上がるという内容にしようと思っている。
今のところ三編まで完成しているが、一時中断している為、忘れないように(場合によっては供養も兼ねて)投稿。
……やっぱり文量を増やすのが難しいですね。スカスカの内容に一つ一つの話はペラペラの文量なので、ちょっとしたジャンクフードみたいな感じで読んでもらえると嬉しいです……なんて。
他にも小説を投稿するのは初めてなのでよければアドバイスなどもお願いします。
オカルト嫌いJKと言霊使いの先輩書店員
眼鏡猫
ホラー
書店でアルバイトをする女子高生、如月弥生(きさらぎやよい)は大のオカルト嫌い。そんな彼女と同じ職場で働く大学生、琴乃葉紬玖(ことのはつぐむ)は自称霊感体質だそうで、弥生が発する言霊により悪いモノに覆われていると言う。一笑に付す弥生だったが、実は彼女には誰にも言えないトラウマを抱えていた。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
日本隔離(ジャパン・オブ・デッド)
のんよる
ホラー
日本で原因不明のウィルス感染が起こり、日本が隔離された世界での生活を書き綴った物語りである。
感染してしまった人を気を違えた人と呼び、気を違えた人達から身を守って行く様を色んな人の視点から展開されるSFホラーでありヒューマンストーリーである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
キャラ情報
親父…松野 将大 38歳(隔離当初)
優しいパパであり明子さんを愛している。
明子さん…明子さん 35歳(隔離当初)
女性の魅力をフルに活用。親父を愛している?
長男…歴 16歳(隔離当初)
ちょっとパパっ子過ぎる。大人しい系男子。
次男…塁 15歳(隔離当初)
落ち着きのない遊び盛り。元気いい系。
ゆり子さん31歳(隔離当初)
親父の元彼女。今でも?
加藤さん 32歳(隔離当初)
井川の彼女。頭の回転の早い出来る女性。
井川 38歳(隔離当初)
加藤さんの彼氏。力の強い大きな男性。
ママ 40歳(隔離当初)
鬼ママ。すぐ怒る。親父の元妻。
田中君 38歳(隔離当初)
親父の親友。臆病者。人に嫌われやすい。
優香さん 29歳(隔離当初)
田中君の妻?まだ彼女は謎に包まれている。
重屋 39歳(出会った当初)
何処からか逃げて来たグループの一員、ちゃんと戦える
朱里ちゃん 17歳(出会った当初)
重屋と共に逃げて来たグループの一員、塁と同じ歳
木林 30歳(再会時)
かつて松野に助けらた若い男、松野に忠誠を誓っている
田山君 35歳(再会時)
松野、加藤さんと元同僚、気を違えた人を治す研究をしている。
田村さん 31歳(再会時)
田山君同様、松野を頼っている。
村田さん 30歳(再会時)
田山、田村同様、松野を大好きな元気いっぱいな女性。
視える棺―この世とあの世の狭間で起こる12の奇譚
中岡 始
ホラー
この短編集に登場するのは、「気づいてしまった者たち」 である。
誰もいないはずの部屋に届く手紙。
鏡の中で先に笑う「もうひとりの自分」。
数え間違えたはずの足音。
夜のバスで揺れる「灰色の手」。
撮ったはずのない「3枚目の写真」。
どの話にも共通するのは、「この世に残るべきでない存在」 の気配。
それは時に、死者の残した痕跡であり、時に、境界を越えてしまった者の行き場のない魂でもある。
だが、"それ"に気づいた者は、もう後戻りができない。
見てはいけないものを見た者は、見られる側に回るのだから。
そして、最終話「最期のページ」。
読み進めることで、読者は気づくことになる。
なぜ、この短編集のタイトルが『視える棺』なのか。
なぜ、彼らは"見えてしまった"のか。
そして、最後のページに書かれていたのは——
「そして、彼が振り返った瞬間——」
その瞬間、あなたは気づくだろう。
この物語の本当の意味に。

いつもと違う日常
k33
ホラー
ある日 高校生のハイトはごく普通の日常をおくっていたが...学校に行く途中 空を眺めていた そしたら バルーンが空に飛んでいた...そして 学校につくと...窓にもバルーンが.....そして 恐怖のゲームが始まろうとしている...果たして ハイトは..この数々の恐怖のゲームを クリアできるのか!? そして 無事 ゲームクリアできるのか...そして 現実世界に戻れるのか..恐怖のデスゲーム..開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる