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紅白戦が始まり1週間が経った頃から
ツバサくんの様子がおかしい。
元気がない。
タオルを洗い部室裏に干していた時だ。
「手伝う」
そう言ってタオルを手に取り、
手際よく干していくツバサくん。
今まで練習に集中していて、
マネージャーの仕事を手伝う事なんて、
なかった。
「こんなにいっぱい洗って大変だね。
香澄ちゃんが洗ってくれると、
いつもふんわりしてて気持ちがいいんだよね。」
柔軟剤、入れてたからかな。
あんまり香りがしないのを選んだ。
汗かいて顔を拭くのにガサガサタオルだと
かわいそうだから。
気がついていたんだ。
「ツバサくん、元気ないね。何かあったの?
ツバサくんが元気ないと、私も元気になれない」
少し肩を落として、俯くツバサくん。
「うん、あのね。」
話してくれるんだ。
「最近、ちょっと肩の調子も悪くてね、でも
それは関係ないんだ、上手くいかなくて。
もしかしたらピッチャー、
できないかもしれないって思ってさ。」
うん、それは知ってた。
先輩たちも言ってたし。
紅白戦で、ツバサくんの成績が良くない。
昨日はピッチャーを外されて、
サードにいた。
サードも強くて速い球来るし、
瞬発力と判断力、
ファーストまで投げる肩が必要。
だから、サードも大事なポジションだ。
でも、ツバサくんは、
ピッチャーを希望しているから。
応援したい。
でも、私には野球の知識もないし、
出来ることがない。
そう言う私に優しく笑った。
本当に優しく思い出すように。
「なぁなと同じ事、言ってる。
別になぁなに野球のアドバイスをして欲しい
訳じゃないんだ。ただ、聞いてほしくて、
声とか聞くと安心するから。」
ズキズキする。
なぁなさんに先に相談したんだ。
そうだよね、だって特別だもんね。
なぁなと同じってだけで、あんなに
優しく笑ってくれるの?
私じゃダメなのかな。
ダメなのかな。
でも、ダメでも、最後にもう少し頑張りたい。
「一緒に部活の後、練習しよう。
私、動画なら撮れるし、
後から見て検証できるでしょ。」
表情が明るくなり、私を見た。
「ね、今日から、一緒に練習ね。約束」
そう言って小指を絡ませた。
一瞬驚いて私を見てそして目線を外した。
照れてくれている。
分かる?ツバサくん。
私、あなたが好きなの。
あなたが落ち込んでいるなら励ましたいし、
それきっかけで仲良くなりたい。
下心と恋心がごちゃごちゃで頭が
おかしくなりそう。
なぁなさんには敵わないかもしれない、
でも、少しは私の想い、届いて欲しい。
諦める前にもう少し頑張りたい。
それからの放課後はツバサくんと2人で
練習をしたり、気分転換と嘘ついて
カフェに行った。
ツバサくんの大好きなケーキは、私も
大好きだった。
「好きな食べ物一緒だね。」
そう言って笑っても
「なぁなも一緒なんだよ、3人で一緒だね」
撃沈。
海が見える丘でキャッチボールをした。
その為の練習をこっそりお父さんとした。
手作りのお弁当を持って行った。
お守りを作った。
肩を強くするストレッチを調べた。
マッサージをした。
いつもいつも見守った。
最後はツバサくんを純粋に応援していた。
どうか紅白戦、順調に。
どうか、ピッチャーできますように。
私の願いが届いたのか、
いや、
ツバサくんの頑張りが届いたんだ。
ツバサくんはピッチャーを勝ち取った。
ツバサくんの頑張りの成果だね、おめでとう。
ツバサくんの様子がおかしい。
元気がない。
タオルを洗い部室裏に干していた時だ。
「手伝う」
そう言ってタオルを手に取り、
手際よく干していくツバサくん。
今まで練習に集中していて、
マネージャーの仕事を手伝う事なんて、
なかった。
「こんなにいっぱい洗って大変だね。
香澄ちゃんが洗ってくれると、
いつもふんわりしてて気持ちがいいんだよね。」
柔軟剤、入れてたからかな。
あんまり香りがしないのを選んだ。
汗かいて顔を拭くのにガサガサタオルだと
かわいそうだから。
気がついていたんだ。
「ツバサくん、元気ないね。何かあったの?
ツバサくんが元気ないと、私も元気になれない」
少し肩を落として、俯くツバサくん。
「うん、あのね。」
話してくれるんだ。
「最近、ちょっと肩の調子も悪くてね、でも
それは関係ないんだ、上手くいかなくて。
もしかしたらピッチャー、
できないかもしれないって思ってさ。」
うん、それは知ってた。
先輩たちも言ってたし。
紅白戦で、ツバサくんの成績が良くない。
昨日はピッチャーを外されて、
サードにいた。
サードも強くて速い球来るし、
瞬発力と判断力、
ファーストまで投げる肩が必要。
だから、サードも大事なポジションだ。
でも、ツバサくんは、
ピッチャーを希望しているから。
応援したい。
でも、私には野球の知識もないし、
出来ることがない。
そう言う私に優しく笑った。
本当に優しく思い出すように。
「なぁなと同じ事、言ってる。
別になぁなに野球のアドバイスをして欲しい
訳じゃないんだ。ただ、聞いてほしくて、
声とか聞くと安心するから。」
ズキズキする。
なぁなさんに先に相談したんだ。
そうだよね、だって特別だもんね。
なぁなと同じってだけで、あんなに
優しく笑ってくれるの?
私じゃダメなのかな。
ダメなのかな。
でも、ダメでも、最後にもう少し頑張りたい。
「一緒に部活の後、練習しよう。
私、動画なら撮れるし、
後から見て検証できるでしょ。」
表情が明るくなり、私を見た。
「ね、今日から、一緒に練習ね。約束」
そう言って小指を絡ませた。
一瞬驚いて私を見てそして目線を外した。
照れてくれている。
分かる?ツバサくん。
私、あなたが好きなの。
あなたが落ち込んでいるなら励ましたいし、
それきっかけで仲良くなりたい。
下心と恋心がごちゃごちゃで頭が
おかしくなりそう。
なぁなさんには敵わないかもしれない、
でも、少しは私の想い、届いて欲しい。
諦める前にもう少し頑張りたい。
それからの放課後はツバサくんと2人で
練習をしたり、気分転換と嘘ついて
カフェに行った。
ツバサくんの大好きなケーキは、私も
大好きだった。
「好きな食べ物一緒だね。」
そう言って笑っても
「なぁなも一緒なんだよ、3人で一緒だね」
撃沈。
海が見える丘でキャッチボールをした。
その為の練習をこっそりお父さんとした。
手作りのお弁当を持って行った。
お守りを作った。
肩を強くするストレッチを調べた。
マッサージをした。
いつもいつも見守った。
最後はツバサくんを純粋に応援していた。
どうか紅白戦、順調に。
どうか、ピッチャーできますように。
私の願いが届いたのか、
いや、
ツバサくんの頑張りが届いたんだ。
ツバサくんはピッチャーを勝ち取った。
ツバサくんの頑張りの成果だね、おめでとう。
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