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第104話 幕間 愛のカタチ(後編)
しおりを挟むアルフェンルート様が生まれたことは、本来ならばとてもめでたい話だ。
皇女ならば王位争いも起きない。一部の貴族は残念に思うだろうが、民は慶事に顔を綻ばせるだろう。
しかし、皇子を産む──。
それだけを心の糧にして王家に嫁いだエルフェリア様は、生まれたのが娘だと知るや否や、発狂した。
あろうことか生まれたばかりの我が子を、力いっぱい床に叩きつけて殺そうとしたのだ。
許されないのだ。やはり自分は許されるわけがないのだ。これは罪。罪の証。
私の罪だと。
その後はまるで獣のように言葉にならない声を叫んで、必死に止める私達の声も耳に届かなくなった。
いったいどこにそんな力が、と思えるほどの力で抗い、この存在はこの世にあっては許されないのだと、全身で叫んでいた。
魂を燃やし尽くしているかのように叫ぶ彼女は、既に限界だった。
とにかく自分は彼女を落ち着かせる方に専念するしかなかった。
ただでさえ、第一王妃は産後の肥立ちが悪くて亡くなっている。そちらに関しては母国から連れてきていた医師の管轄なので私とは関係がないのだが、万が一にも第二王妃まで失うことになってはいけない。
ましてや自害などされては、どんな混乱が起きるかわからない。
レイモンドが咄嗟に生まれたのは皇子だと言って聞かせ、僅かにだがエルフェリア様は落ち着いた。
だがそれは、彼女を落ち着かせるための一時的な嘘。ほんの一時の措置のつもりだったのだ。
まずは現陛下に事情を話し、これからどうすべきかを考えなければいけない。
だが、陛下は一向に現れなかった。
かといって、自害しかねないエルフェリア様からも目が離せなかった。
立場的に彼女に触れることが出来る男は限られる。それに、こんな状況をただの衛兵に見せるわけにもいかない。いざという時は、自分が抑え込まなければならないのでその場を離れられなかった。
しかし、乳母となるメアリーや侍女に取次ぎを頼んでも一向に陛下は訪れない。
その後、レイモンドが直接、陛下の元へ赴いた。
そこでレイモンドが生まれたのは皇子だと偽るなど、誰が考えるだろう。
娘のあの姿を見ても尚、正気に戻れなかったレイモンドもとっくに手が付けられないほど狂っていたのだ。
一度でもレイモンドの口から皇子だと言ってしまった以上、実は違います、とは言えなかった。偽り続けるしかなかった。
もしくは、ここで赤子を殺すしかなかった。
生まれて間もない赤子が死ぬことは残念ながら珍しくない。今なら誤魔化しはいくらでもきく。
しかし、腕の中に抱いた生まれたばかりの命を、喪えないと思ったのだ。
エルフェリア様に叩きつけられそうになった子を、咄嗟に取り上げて守ったのは自分だった。
(あのとき守っておいて、今更処分するなんて、そんな馬鹿な話があるか?)
生まれてすぐに母に呪われ、父からは疎まれ、祖父からは利用される。
その赤子に輝かしい未来など期待できず、この先生きていったとしても幸せな未来などないのは目に見えていた。
一応、この時にアルフェンルート様が外見上の『至宝』ではないことは確認はしている。彼女は間違いなく女児であった。
そうであれば偽りの身でここで生き延びたところで、成人にも満たない時間しか生きられないだろう。どうしたって成長する過程で誤魔化しはきかなくなる。
(ここで死なせてやった方が、まだマシかもしれない……っ)
それでも腕の中の重みを、あたたかさを、奪うことに踏み切れなかった。
こんなにも小さいのに、それでいて力強く泣く。
誰からも正しい存在として求められなかったとしても、生きたいのだと全身で叫んでいるかのように見えた。
しがらみに雁字搦めに絡み取られて、それでもここに生まれ落ちて、必死に生きようとしている。
この子がここに生まれてきたのも、ここに至るまでのどれかひとつでも自分が止められていれば、ありえなかったことなのだ。
そう思えば、自分にも責があるように思えた。
そんな言い訳をして結局殺せなかったのは、医師としての意地もあったし、単純に生まれたばかりの命が愛おしいと思えたからでもあった。
──当然だが、そこからが大変だった。
秘密を抱えている以上、人は増やせない。
この時、妃殿下には公爵家から連れてきた侍女が1名、他に気心の知れた侍女が2名いた。そして乳母であるメアリーと、伯爵夫人でもあるメアリー付きの侍女が2名。
アルフェンルート様のお世話は、この者達が受け持つ予定であった。
秘密を知っているのも、これだけだ。
妃殿下は、最初の頃はアルフェンルート様を皇子だと信じていた。けれど時折、正気に返られることがあった。自分に暗示をかけていても、ふとした拍子に女児であると思い出してしまうのだろう。
その時の妃殿下は、再び狂気の渦に落ちる。
かといって、最初は妃殿下から子を遠ざけることは憚られた。皇子であると信じている時の妃殿下は、アルフェンルート様をとても大切にしていたのだから。
我々はどうすべきかと持て余していた。
しかしそのうち妃殿下が現実を思い出す頻度が短くなっていき、何度目かの発狂の後、呻くように私に告げた。
『メルヴィンおじさま……私から、アルフェンルートを遠ざけて』
生かしておけない。殺したくない。でも認められない。
愛してるの。だけど娘を愛することは許されない。傷つけずにはいられない。
だから遠ざけて。近寄らせないで。
殺してしまいたいあのこを、死なせたくない。
いつもはスラットリー老と呼ぶのに、この時だけは子供の頃のように呼ばれた。
相反する感情に苛まれ、とうとう妃殿下はアルフェンルート様をご自分から遠ざけることを望まれた。
そして妃殿下に限界が訪れたように、この頃は仕える侍女の一人にも限界が訪れていた。
妃殿下付きの侍女は育ちの良い娘が多い。そんな侍女がこんな状況を強いられ、むしろ1年以上もよく耐えた方だ。
しかしついに重すぎる秘密に耐えられなくなって、思い余った侍女はアルフェンルート様に毒を盛ろうとした。
未遂に終わったものの、侍女は内密に辺境の修道院へと監視付きで送られた。本来ならば極刑だが、その判断は妃殿下の恩情でもあった。
この件があり、乳母のメアリーは妃殿下付きの侍女が信用できなくなった。
妃殿下付きの侍女にとって、守るべきはアルフェンルート様ではなく妃殿下だと気づかされたのだ。
私もこの事態を重く見て、万一に備えてアルフェンルート様に毒への耐性を付けさせることを余儀なくされた。
またいつ何時、同じことが起こるとも限らない。それほど危うい均衡で保っていたのだ。
だが今思えば、乳母のメアリーの強さが規格外だったのだ。
伯爵夫人ではあるが元々はあまり豊かではない家の男爵令嬢で、母を早くに失くして長女だった彼女は下の面倒に追われ、自身も働きに出て家を支えていたほど逞しい娘だった。
この時は自分の娘であるメリッサも抱えていたので、精神的に強かにならざるをえないと自身に課していた。
だからこの状況でも、どうにかなっていたようなものだ。
しかしメアリーとて妃殿下の5歳上なだけで、まだ年若い娘なのだ。限界はある。
見かねて、アルフェンルート様の夜の対応を自分が請け負うことにした。幸い乳離れは済んでおり、歩いて、単語を少し発せるようになった頃だった。
(思い返すと、本当に大変だった)
私も息子を二人育てたので、なんとかなると思っていた。
しかし息子達には剣術と勉強を私が叩き込んできたが、この手の世話は妻に任せていた。しかもアルフェンルート様は本来ならば皇女。息子と同じとはいかない。
それにいくら皇子として育てられているとはいえ、この方が成人を迎えられることはないだろう。ならば本格的に皇子として育てる必要はなく、せめて少しぐらいは皇女として扱うべきではないのかと悩んだ。
勿論それは、秘密を守るためには危険な行為ではある。
だが自由のない箱庭の中でしか生きられない、不遇な皇女。
ならばせめてこの箱庭の中でぐらい、私ぐらいは皇女として、彼女に与えられるだけの愛情を捧げよう。
あのとき、この子を生かすと決めたのは自分なのだから──と。
*
そこから先は試行錯誤の日々だった。
妻にも、アルフェンルート様が本当は皇女だとは言えなかった。
だが女というものが私にはよくわからないので、時折妻に女性が喜ぶものを聞いたりして、試行錯誤でアルフェンルート様の相手をしていた。時折言葉を濁して頼る私を見る度に、妻は怪訝な顔をしていた。
あれは浮気を疑われていた気がする。
相手は小さな皇女。気づけば溺愛していたとはいえ、私から見ればほぼ孫のような存在だというのに。
(妻にも随分と世話をかけた)
手の中にある紙に書かれた文字を確認し、綺麗に畳んで胸ポケットに納める。
明日には、私は王都のエインズワース公爵邸にいるレイモンドを拘束するために向かう。
本来の私の職務ではないが、適任だろうということだ。
こうなる前にどうにかできなかったのか、そう後悔する気持ちが消えたわけではない。
これまでにもレイモンドに思うところは多々あれど、こうして気に掛けてきたのは同じ戦場を駆けた当時の絆を信じていたからだ。
しかし、既に私の声は友に届かなくなっていた。
道は分かたれてしまっていた。
(あの頃から、随分と遠くに来てしまった)
遅かれ早かれ、レイモンドは断罪される存在だったのだ。
……そうして私も、何のお咎めもなしとはいかない。それは重々承知している。
だが、差し出すものは最低限で済むとも思っている。アルフェンルート様は私の首一つで済むとは思っていないようだったが、私が言ったことはあながち嘘でもない。
医師というのはとても数少なく、また永らく王家に仕えてきた医師ともなればその知識は希少性が高い。
前陛下がレイモンドと親しい私を遠ざけきれなかった理由もそこにある。
そして二人の息子は今、自領で医師をしている。正確には、主に今は教える側をさせている。
その息子達まで処刑するとなると、王家から見れば得られるものより損失の方がはるかに大きい。
知識は宝で、一朝一夕に残せるものでもない。となると、そんな愚かなことはしないだろう。せいぜい生涯こき使う程度で済まされるはず。
そうなると、後の心残りは妻だけだ。
妻に真実を告げることになったのは、この家でアルフェンルート様を保護することになった、その時がはじめてだ。
そんな彼女に背負わせるのは酷だ。
(しかし、これで多少は見逃されるだろう)
陛下もシークヴァルド殿下も、これまでの事情を鑑みて多少は目こぼししてくださるような手応えだった。
胸ポケットに視線を向けたところで、止まった馬車の扉が開かれる。ゆっくりと降りて、玄関をくぐればホールで待っていた妻の姿を認めて目を細める。
いつもより格段に遅い、誰もが寝静まっている時間だというのにまだ起きていたらしい。
「おかえりなさいませ」
迎えられる柔らかな声はいつもと変わらない。
「少し、いいか」
「ええ」
出来れば少しでも時間を引き延ばしたかったが、そういうわけにもいかないらしい。
意を決して声を掛ければ、妻は静かに微笑んで私を居間へと促した。
老夫婦二人の屋敷は特に人数を必要としていないため、屋敷は少数精鋭の最低人数にしている。起きているのは家令と妻ぐらいだ。
妻はお茶の用意だけさせると家令を下がらせ、私の向かいのソファへと腰を下ろした。
まるで私が告げることを、予測しているかのように。
「おまえにこれを、渡しておこうと思う」
胸ポケットから紙を取り出す。
薄っぺらい紙一枚が、やけに重く感じられた。
出来るだけ躊躇いを殺して妻に差し出す。顔が歪みそうになるのを堪えたせいで厳めしい表情になってしまった。
ほっそりとした指でそれを受け取った妻は、驚いた様子も見せずに内容を確認する。
最後に、ふ、と小さく笑った。
「あなたが仕事に行かれている間、よくアルフェンルート殿下とお話しさせていただいていたのですけれど。あなた、私の作る焼き菓子は焦げている方がお好きなのですってね」
「!?」
そして唐突に、そんな話を持ち出した。
渡した書面には当然なんの関連性もない話だ。そのはずだ。
眉を顰めた私に目を向けることなく、妻の視線は書面に向けられたままだ。
「それが、どうした」
いきなり好物の話を持ち出され、困惑する。今それが関係あるか?
「殿下も少し焦げた部分が香ばしくてお好きだと仰っていて、いつも焦げたものをあなたと取り合いになるのだと言われましたの」
いったいアルフェンルート様と何の話をしているんだと頭を抱えたい。いや、別にどんな話をしようとかまわないが、それは今するような話だろうか。
いったい何が言いたいのかと思って見据えていれば、妻がゆっくりと顔を上げた。
「殿下と取り合いされる時のあなた、『これは妻が自分の為に作ってくれたものだから、食べたい部分を選ぶ権利は自分にある』と仰ったのですって?」
「!」
「それを聞いた時の私の気持ち、わかります? 殿下相手にそんな風に惚気ていらしただなんて……恥ずかしくて顔から火が出そうでした」
羞恥を抑えるためにか淡々と言われて、息が止まった。確かに、アルフェンルート様とそんな会話をしたことがある。
目の前の少し赤く色づいた妻の顔を見て、自分も少し耳が熱くなるのを感じる。
「私、これまであなたは焦げた部分がお嫌いなのだと思っていました。いつも『今日は焦げだらけだったな』だとか『焦げていない日もあるのだな』だとか、喧嘩を売られているのかと思いました」
「不味いとは一言も言っていなかっただろう」
「肝心な『美味しい』の一言も仰っていません」
言い切られて返す言葉がない。そんな私を尻目に妻が深く息を吐き出した。
「それ以外にも、時々庭から持っていく花は私が丹精込めて育てた自慢の花だと仰っていたそうですね。どうりで、アルフェンルート殿下から誕生日に贈っていただくのが花束ではなく、花の苗や種だったはずです。手折らせてしまった代わりにはならないけど、と申し訳なさそうに言われてしまいました」
そこまで言って、妻がばつが悪そうな苦い顔をする。
「私、てっきりあなたが浮気相手に贈っているのだと思って『どこのお姫様に渡しているのかしら』と嫌味を言っておりましたのに。自分が恥ずかしいです」
恨みがましくジロリと睨まれ、ぐっと喉を詰まらせた。
しかし私はちゃんとアルフェンルート様に渡すと言っていたはずだ。それに関してを責められる謂れはない。
が、迫力に気圧されて何も言えなかった。
「それと、たまに街で買っていかれるお菓子が喜ばれた時には、妻のセンスが良いのだとも仰っていたそうですね。あなた、私が選んでいた時には隣で『こんなものでは腹にたまらないだろう』と文句ばかりでしたのに」
「……今は、そんな話をしている場合じゃないだろう」
どれもこれも身に覚えのある話だ。改めて言われると胸に刺さるものが多々あって、気恥ずかしさと息苦しさを覚える。
だが、やはりこれは今するような話ではない。
声音を強めて止めれば、「いいえ」と妻が強い口調で言い切った。
まっすぐに強く輝く瞳で私を見据え、唇を開く。
「アルフェンルート殿下は、そんなにあなたに愛されている私はなんて幸せなのだろうと思っていた、と仰ったのです」
「!」
「あなたから私との話を聞くのが好きで、いつも理想の夫婦像だと思われていたと……あなたと私の仲に、憧れていたと仰ったの」
妻から告げられたその言葉に、心臓が引き絞られるように軋んだ。
アルフェンルート様は、自分もいつかそんな風に誰かと生きてみたいと夢を見られていたのだろうか。でも叶わないとわかっていたからこそ、憧れていた、と言ったのだろうか。
妻の話をすると、アルフェンルート様はいつも眩しそうに目を細めた。妻の言う惚気とやらを口にすると、ちょっと驚いた顔をした後でいつも小さく笑った。
『メル爺は、本当に奥様が大好きなのですね』
そう言われる度に、どう答えたものか悩んだものだ。素直に頷くには気恥ずかしく、かといって否定すれば悲しそうな顔をされる。
もごもごと珍しく口籠る私を見て、アルフェンルート様はいつも笑った。
『ちょっとうらやましいです』
『……アルフェンルート様のことも大切ですぞ』
『知ってます』
少し切なげに聞こえる声に焦って言えば、青い瞳を細めてアルフェンルート様は少しだけ自信ありげに笑んだ。
しかしその胸の内で、彼女は何を想っていたのだろう。届かない夢を思い描いていたのだろうか。
「──実際のあなたときたら、妻である私には肝心なことは何も言わない、とんでもない隠し事までしていたわけですけれど」
私の思考を断ち切るように痛烈な言葉を言いながら、妻の両手が持っていた紙の真ん中あたりを握る。
そして次の瞬間には、その手は躊躇いもなく私の渡した書類を真っ二つに引き裂いた。
「なにをするんだ!」
「それはこちらの台詞です!」
咄嗟に声を荒げれば、しかしそれ以上の声量で間髪入れずに言い返された。
「何年あなたと連れ添ったと思っているのですか? 見くびらないでくださいませ! こんな紙切れ一つで終わらせられると思われていたのなら心外です!」
真っ二つに裂かれた離縁状をテーブルに叩きつけられる。凄まじい剣幕だった。
「だいたい、離縁状を叩きつけるとしたらあなたからではなく、私からでしょう!? 間違えないでくださいませ!」
「あ、ああ……それは、悪かった」
思わず謝ってしまった。
老いてからは随分と穏やかになったので忘れかけていたが、思えば彼女は熱い性格だった。よく悪戯をした息子を叱るときの彼女は伯爵夫人とは思えないほど、雷のように凄まじかったことをこんな時に思い出す。
しかし今、私を見る妻の瞳は少し涙に濡れていて、それでいて微笑んでいた。
「ですが、私にも女の意地というものがございます。アルフェンルート殿下にそこまで言っていただいて、その夢を壊すような真似もしたくありません。憧れを貫き通してみせますとも」
妻とて、怖くないわけはないだろう。
けれど私を見つめる瞳は愛情に満ちていて、「どうしようもない人」と語りかけてくるかのようだった。
胸の奥から熱いものが込み上げてきて、うまく言葉が出てこない。妻に言わせれば、きっと肝心なことが言えない気の利かない夫ということになるのだろう。
しかしそんな私を見捨てることなく、妻は私に手を差し伸べる。
「死が二人を分かつまで、あなたのお傍にいますわ」
年を重ねても尚……いや、自分と同じように年を重ねてきたからこそ、見惚れてしまうほど美しく微笑んだ。
ああ、きっと今この胸に込み上げてくる気持ちを「愛してる」と言うのだろう。
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