75 / 131
第75話 64 モード選択がしたい
しおりを挟むあれからニコラス立会いの下に兄を起こしていたら、クライブが部屋へとやってきた。
クライブの赤くなっている額を見ると苛立ちと同時に苦い気持ちが込み上げてきて、反射的に顰め面に変わってしまったのは仕方がない。
クライブもさっきのことなどなかったフリをしてくれればいいものの、ご丁寧に濡れたタオルを差し出してくるからどうしようかと思った。
一応タオルは受け取ったものの、私の態度はひどく硬いものに映っただろう。
そんな私の態度を見て、クライブがちょっと狼狽えているのがわかった。あれでも多少は反省しているってことなのか……でもクライブがとち狂うのは二度目なわけだから、早々簡単に許す気にはなれない。
頭突きしたからチャラ、とはいかない。こぶにはならなかったけど、私も痛い思いをしたのだ。
(あれのせいで兄様に変な言い訳する羽目になるしっ)
苦し紛れに柱にぶつかったと言ったけれど、兄の微妙な表情が忘れられない。弟が真正面から柱にぶつかっていくような間抜けだと、認めたくなかったのかもしれない。
でも私だって、好きでぶつかったわけではない。
(文句はクライブに言ってほしいのだけど!)
どれほどそう言いたかったことか。
しかしなぜ頭突きをするような羽目になったのか、説明できるわけもない。あの時のことが一瞬でも脳裏を過る度、なんともいえない感情が湧き上がってくる。
(もしかして私は、妃殿下の身代わりなのかも、なんて……)
考えたくない思考が蘇り、その度に胸の奥がぎゅっと引き絞られたように苦しくなる。奥歯を噛み締めて、何度もその思考を振り切った。
考えるな。考えてはいけない。
そんなことを考えるぐらいなら、私は倒れてきた柱にぶつかったのだ。そう思い込んだ方が、精神衛生上マシである。
極力クライブに触れずに苦々しい気分でその場をやり過ごし、兄に朝食を頼まれたことでほっと安堵の息が零れた。
クライブが付いてくるかとひやひやしたけれど、兄に呼び止められていて心底安心した。代わりにニコラスが付いてきたけれど、私には護衛という名の監視が必要なのだろうから仕方ない。
厨房に行く途中でメリッサを呼びに寄り、戻るのが遅くて心配させたことを謝りながら兄に頼まれた言伝を届けに行った。
そうして再び兄の部屋に戻ってきたわけだけれど……。
――なぜか現在、私は兄が不在の客室のテラスで、メリッサとニコラスとオスカーの4人で朝食を取っていたりする。
「こんなところで朝食なんて取っていいのでしょうか……」
兄の客室は多分この屋敷の中で一番上等な部屋だ。広いテラスからの眺めは大変よく、朝の清々しい風がほんのりと頬を撫でていくのが心地いい。
昨夜到着した時は暗くてわからなかったけど、ランス伯爵邸は湖畔に立っている。
2階部分にあるこの部屋のテラスから下を覗き込んだら、すぐ下は湖になっていた。壁には風で波立った水が打ち寄せていて、ここから見ると湖の中に立っているように感じる。
目前に広がる広い湖は青空を映して青く輝き、今日は少し風があるから朝日を反射して煌めいて見える。もし風のない日なら、鏡面のように屋敷の姿が映し出されるのではないだろうか。
この部屋の窓から見える景色は、時間と季節によって移り行く贅沢な絵画のよう。
さすがは観光名所と名高いランス伯爵邸である。ぜひ外から全景を眺めてみたい。
そしてその屋敷の一番いい部屋であろうテラスで、なぜか部屋の主である兄不在の状態で取る朝食……。
謎な状況すぎる。
「シークヴァルド殿下がそうしろと仰ったのだから、ここは甘えていいんですよ。たぶんアルフェ様を正式な食事の場に呼べないお詫びも兼ねてるんだと思いますし」
居心地悪さを感じる私の隣の席で、ニコラスが軽い声でそう答える。寡黙なオスカーは何も言わないけれど、目で同意を訴えてきた。
現在、兄とクライブは1階でランス伯爵夫妻、そしてデリックと一緒に朝食を取っている。
一応は立場的に侍女である私達と、護衛である近衛二名は同じ席に着くことは出来ない。その為、こうして兄達とは別に食べている。
あちらの護衛はクライブとランス伯爵邸の私兵が受け持ってくれている為、ニコラスとオスカーもここにいる。ちなみにデリックはあくまで里帰りとして連れてきてもらったという形なので、正式な護衛には数えられない。
今頃は兄含め、気心の知れた者同士の家族団欒を楽しんでいることだろう。
「私が呼ばれないのはわかりきったことですし、気にしていただくことではないように思うのですが」
むしろ、完全なアウェーである場で食事を共にしろと言われる方が苦行。
首を傾げれば、ニコラスが「兄としては複雑なんでしょうよ」と苦笑いをされた。
私のことをやけに気にかけてくれる兄の気持ちを考えれば、なんとなくわからなくもない。甘いと思いつつも、気遣ってくれる気持ちはとても嬉しい。
だってこんな綺麗な景色の中で朝食を食べられるなんて、まずない。とんでもなく贅沢だ。
しかしそれはそれとして、さっきから無性に引っかかっていることがある。
(この景色、どこかで見たことがある気がするのだけど)
どうにも既視感が拭えない。
とはいえ、当然ながら私はランス領に来るのは初めて。
ならば風景画集で見たのかと考えたけど、フルカラーの本などこの国には無い。城の廊下に掛かっていた絵画が記憶に残っているのかとも考えたけれど、絵画にするとしたら普通は外観だと思う。そっちは見たことがある。
まだ温かいパンを口に放り込み、咀嚼しながら考える。
だいたい、こんな特別な部屋の中から見た景色を絵に出来るとは思えな……
(わかったッ! ゲームのスチルだ!)
悶々と考えていたら、唐突に脳裏に蘇ってきた画像と目の前の景色が一致した。まるでパズルのピースが嵌ったかのように、一気に頭に浮かぶ景色がクリアになっていくのを感じる。
思わず手に力が入り、息を呑んでまじまじと目の前に広がる景色を見つめた。
湖の色彩。その周りの小さな森の緑。奥に小さく見える、茶色の屋根が特徴的なミニチュアのような可愛い街並み。
(そうだ、間違いない……ここがあのイベントの場所だったんだ!?)
スチルでは、この景色の中に第一皇子の姿が追加される。
確かゲームの中で第一皇子かクライブの好感度を上げると、避暑地に招かれるイベントが起こる。
そこで特に第一皇子と仲が良くなると、この景色の中でお待ちかねの最終ラブイベントに突入したのだった。
どうりで見たことがあったはずだ。なるほど、既視感の理由がわかってスッキリした。
私としてもゲーム内容を全部覚えているわけではないから、折角なので思い出したことを脳内で整理していく。
(あのイベントが起こる前に、第一皇子がこの屋敷で刺客に襲われて……)
しかし、思い出すと同時に不穏な気配が漂ってきた。考えながら顔が強張っていく。
これはとんでもないことを思い出してしまった気がする。心臓がぎゅっと竦み上がり、背筋にはじわりと嫌な汗が滲む。
(でもゲームの中では、第一皇子は助かる)
恋愛を前提とした乙女ゲームなわけだから、第一皇子が間一髪で助かるのはお約束ってやつだろう。
(というか第一皇子ルートだと、ヒロインが身を呈して助けたんじゃなかった?)
そこで好感度がマックスになって、第一皇子とトゥルーエンドを迎える。それがこの景色のスチルだ。
ただしそこでクライブとの好感度の方が高い場合はヒロインはクライブに助けを求めに行き、ここからクライブルートに入る。
確かこの襲撃の時の傷が原因でランス伯爵は体調を崩し、後にクライブが爵位を継ぐか継がないか悩むイベントが発生したのだったと思う。
その悩みに関しては、私がクライブと会って間もない頃に余計な口を挟んでしまったせいでどうなるかわからないけど……。
クライブルートはその後の選択を誤れば、皆のトラウマエンドだ。トゥルーエンドも、トゥルーとは言いがたいものだったから乙女ゲームとしてはどっちもどっちである。
それはともかく、メインが恋愛なのでランス伯爵のことはテキストでさらりとしか触れられていなかったから詳細まではわからない。ただ今はランス伯爵がクライブとデリックの父親だとわかっている以上、あまり楽観視していられることとも思えなくて眉根を寄せた。
急激に細かく展開を思い出してしまって、心音がドクドクと急激に早鐘を打つ。
(これ、結構重要じゃない?)
ヒロインと出会ってからの話だから、1年以上後の話になるわけだけど。
だけどゲームの題材になるぐらいだから、あのイベント時だけに限らず、兄がここで刺客に襲われることは今にも起こりえる事象なのではないだろうか。むしろ珍しくもないのでは?
そう考えると全身の血が一気に冷えていく。
(もしここで兄様が襲われた場合、私でも盾になるぐらいはたぶん出来る、はず)
勿論死にたいわけじゃないけど、私と兄を天秤に掛けたら、兄に傾く。私は特異な存在だと兄は言ったけど、そんな大層な存在ではないことは私自身がよく知っているからそれは気にしない。
ただそれで私が怪我をしたり、死んだりした場合は女だとバレることは免れないのは問題である。
私と兄なら、生き残るべくは兄だ。でも兄と、私の周りを比べたら……どちらも捨てられない。まだ片方が選べない。
(百歩譲って私が死んだとしても、即死でなければ自分を命懸けで守った弟……妹の遺言ぐらいは、兄様も聞いてくれる?)
せめてメリッサとセインだけは見逃してあげてください。そう頼めるだろうか。
命を引っ提げて頼まれたら、断りにくいだろう。卑怯だとは思うけど、最悪の時に備えて遺言を言う練習をしておくべきなのか。
(……この年で遺言を考えるって、よく考えたら自分が可哀想になってきた)
なぜ乙女ゲームの題材となった世界に生まれ落ちたのに、私の人生はハードモードしか選択できないのか。
記憶があるのなら、もっとイージーモードでもよくない? それともヒントがある分、これでも十分イージーだとでも言いたいの!?
もし神とやらが存在するなら、私の人生をいったい何だと思っているのか。ゲームで済まされないものが、ここにはあるというのに。
「アルフェ様。お口に合いませんでしたか?」
「!」
ギリギリと胃が痛い思いに襲われて顔を盛大に顰めていたところで、不意に隣の席からメリッサに声を掛けられて我に返った。
ハッと気づいて顔を上げれば、メリッサが心配そうな表情で私を窺っている。
ニコラスとオスカーに至ってはとっくに食事を終えており、固まっていた私にいつから視線を向けていたのかもわからない。
そして私の手には、無意識に握り潰されていたパンがあった。
(しまった!)
考え事を始めると周りが見えなくなる癖、本当にどうにかしなければならない。慌てて首を横に振り、「いや、おいしいよ」と口にする。
さっきから顔を顰めっぱなしだったので、全然説得力がない。でも出された食事自体は本当に美味しい。
いつもは毒味された後で出されるから冷めていることが多いので、あたたかいというだけでも十分美味しい。
それに加えて焼きたてのパンは香ばしく、サラダは新鮮で瑞々しい。チーズ入りのオムレツは濃厚で、気づけばすっかり冷めてしまっていることが残念でならない。
「特にこのオムレツが美味しいよ。生みたて卵でも使ってるのかな? 朝、鶏が鳴いていたでしょう」
そう言いながら、一人だけ遅れてしまっている食事をせっせと口に運んだ。
(この景色に鶏の鳴声って、ミスマッチというか、逆にのどかで合っていると言うべきか)
今朝は鶏の独特な鳴き声が聞えてきた。結構な声量で鳴く鳥だから屋敷の敷地内にいるかどうかまではわからないけど、徒歩圏内に小屋はあるように思える。
たぶん生みたてであろう卵はとても美味しい。これでゆで卵作ってみたい。
(そうだ。ニコラスに言われた御礼、ゆで卵にしよう!)
ゆで卵はこの国にもあるけど、よく駅の売店で売っていた旅のお供的な殻付きなのに塩味付きのゆで卵はこちらでお目にかかったことはない。
以前、気になって作り方を調べたことがあるのでレシピはわかる。
(煮卵も美味しいけど、醤油を見たことがないからやっぱり塩味付きゆで卵かな)
あれなら甘い物が苦手な兄も食べられるし、なにより私がこのメンバーに何かを振る舞えるのは城に戻ったら出来ないだろう。作るなら今しかない。
(そうと決まれば、後でクライブに卵と塩を譲ってもらえるか訊いてみて……)
そこまで考えたところで、クライブの顔が脳裏に浮かんだせいでまたも無意識に力が入った。
勝手に思い出している自分が悪いのだけど、それにしたってなんであの人はすぐに私の頭の中に登場してくるかな!?
「アルフェ様、パンは取り替えられたらいかがですか?」
またもパンを握り潰してしまっていたせいで、あまり話さないオスカーが気遣う声を掛けてくれた。
彼にそう言わせてしまうぐらい、私の手の中でパンは無残にもぺしゃんこである。いったい私は何をしているの……。
溜息を吐きたい気持ちを抑え、自業自得なのでそれはちゃんと食べると首を横に振る。
「これでいいです。食べ物を粗末にするのはあまり好ましくありません。そちらのパンは、もしよければお二人でどうぞ」
いつの間にか食べ終えてしまった二人は私に遠慮しているのか、籠に盛られた分のパンに手を付けている気配がなかった。しかし私もメリッサももう十分なので、二人に食べてもらわないと困る。
「アルフェ様はもういいんです? デリックなんて、俺らの倍は食べますよ」
「私は胃腸が弱いので、そんなに食べたら後が困ります」
ニコラスに突っ込まれたけど、食べ盛りの思春期男子と同じ食事量を求められても困る。
適当な言い訳を口にすれば、二人は納得したのかいそいそとパンに手を伸ばした。バターロールがたったの二口くらいで、あっという間に二人の胃袋へと消えていく。それでも食べ方が汚く見えないのが、さすが貴族子息というべきか。
それでも二十代前半ぐらいの二人は食べても食べても足りなさそうだった。成人男子って怖いくらい食べるけど、これが普通なんだろう。
その姿を感心しながら眺めつつ、ふとここにクライブがいなくてよかったと思った。
(もしここにいたら、もっと食べろって無茶ぶりされただろうな……)
そこまで考えて、またも自分の頭を抱えたくなる。
(だから! クライブのことなんて考えたくないんだって!)
いっそ本当に柱に頭をぶつけたら、クライブの存在ごと忘れてしまえるだろうか。
込み上げてくる苦さを押し込むように、潰れたパンを口の中に押し込んだ。
41
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された地味姫令嬢は獣人騎士団のブラッシング係に任命される
安眠にどね
恋愛
社交界で『地味姫』と嘲笑されている主人公、オルテシア・ケルンベルマは、ある日婚約破棄をされたことによって前世の記憶を取り戻す。
婚約破棄をされた直後、王城内で一匹の虎に出会う。婚約破棄と前世の記憶と取り戻すという二つのショックで呆然としていたオルテシアは、虎の求めるままブラッシングをしていた。その虎は、実は獣人が獣の姿になった状態だったのだ。虎の獣人であるアルディ・ザルミールに気に入られて、オルテシアは獣人が多く所属する第二騎士団のブラッシング係として働くことになり――!?
【第16回恋愛小説大賞 奨励賞受賞。ありがとうございました!】
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】夜会で借り物競争をしたら、イケメン王子に借りられました。
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のセラフィーナには生まれつき前世の記憶があったが、覚えているのはくだらないことばかり。
そのどうでもいい知識が一番重宝されるのが、余興好きの国王が主催する夜会だった。
毎年余興の企画を頼まれるセラフィーナが今回提案したのは、なんと「借り物競争」。
もちろん生まれて初めての借り物競争に参加をする貴族たちだったが、夜会は大いに盛り上がり……。
気付けばセラフィーナはイケメン王太子、アレクシスに借りられて、共にゴールにたどり着いていた。
果たしてアレクシスの引いたカードに書かれていた内容とは?
意味もなく異世界転生したセラフィーナが、特に使命や運命に翻弄されることもなく、王太子と結ばれるお話。
とにかくツッコミどころ満載のゆるい、ハッピーエンドの短編なので、気軽に読んでいただければ嬉しいです。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
小説家になろう様への投稿時から、タイトルを『借り物(人)競争』からただの『借り物競争』へ変更いたしました。
拾った宰相閣下に溺愛されまして。~残念イケメンの執着が重すぎます!
枢 呂紅
恋愛
「わたしにだって、限界があるんですよ……」
そんな風に泣きながら、べろべろに酔いつぶれて行き倒れていたイケメンを拾ってしまったフィアナ。そのまま道端に放っておくのも忍びなくて、仏心をみせて拾ってやったのがすべての間違いの始まりだった――。
「天使で、女神で、マイスウィートハニーなフィアナさん。どうか私の愛を受け入れてください!」
「気持ち悪いし重いんで絶対嫌です」
外見だけは最強だが中身は残念なイケメン宰相と、そんな宰相に好かれてしまった庶民ムスメの、温度差しかない身分差×年の差溺愛ストーリー、ここに開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる