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第5章
④汚部屋VSあたし
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「嘘でしょ、こんなのって…」
どうしていいか分からない状況に直面した時、人の真価が問われる。
って誰かが言ってた。
あたしは今、試されているのかもしれない。
臭い。
空気が悪い。
不快。
目の前に広がる光景は、できればフィクションであってほしい。
普通こうなる? 信じられない。
カップ麺のゴミ・コンビニ弁当の空き容器・お菓子の袋・飲み終わったペットボトル・ティッシュなどが、床を完全に隠している。
デスクの上は置き鏡と大量の化粧品。リップは倒れているわ、リキッドファンデが机にベッタリ付いているわで大惨事。
部屋の左側にあるのは…ベッド?
ゴミは乗ってないけど、Tシャツ・派手なピンク色ブラジャー・パンツがいっぱい脱ぎ捨てられている。
横になろうと思えないし、絶対に体が休まらないでしょ!
「フ…フ、はぁ。あれから仕事ばっかりで掃除が追いつかなくてぇ。というわけでよろしくねぇ」
部屋を汚した張本人は力が抜けた声で言い、あたしの肩をポンポン叩いてくる。
ここは看守が泊まる宿直室。
プライバシーのためにも1人ずつ部屋が与えられるらしい。
「なんでここまで放置したのよ」
「じゃ、わたしは仕事に~」
逃げるように立花ルナは去っていった。
ゴミ袋をはじめとした掃除用具はあるけどさ、どうしろと…。
こんな時に真咲がいてくれたらって思っちゃうな。
「まずは床が見えるようにするしかないよね」
ビニール手袋を2重に付けて、臭いの元でもあるご飯系のゴミを拾っていく。
『あれから仕事ばっかり…』
立花ルナは確かに大変そう。
看守が1人収監され、いなくなったんだから。
懲罰房での一件から5日。
騒動はすべて立花ルナが担当することになったらしい。
問題を起こした看守の取り調べと処分、男たちがいた刑務所とのコミュニケーション。
汚すのも無理はない…と思いたいけど、許したくはない。
自分で掃除しろって。
作業開始から2時間くらい経ったけど…誰でもいいから褒めて!
めっちゃキレイになったから!
床のゴミはとりあえず全部回収したし、雑巾がけもした。
机とベッドは諦めたけど、あたしにしては上出来でしょ。
これも真咲のおかげ…なんだよね。
早く会いたいけど。
前みたいに話せるか分からないっていう不安はある。
モヤモヤして、余計なことまで考えちゃう。
「もう! ベッドもやろ!」
指をポキッと鳴らして気合を入れ直す。
立花ルナが脱ぎ捨てた下着や服を雑に掴み、ひたすらカゴに移していく。
マジできったない! 仕分けは自分でやってよ!
ちょっとイライラしながら片付けていると、何やら硬い物が手に当たった。
衣類じゃない…。
「これって…アレだよね」
布団の中から出てきたのは。
どうしていいか分からない状況に直面した時、人の真価が問われる。
って誰かが言ってた。
あたしは今、試されているのかもしれない。
臭い。
空気が悪い。
不快。
目の前に広がる光景は、できればフィクションであってほしい。
普通こうなる? 信じられない。
カップ麺のゴミ・コンビニ弁当の空き容器・お菓子の袋・飲み終わったペットボトル・ティッシュなどが、床を完全に隠している。
デスクの上は置き鏡と大量の化粧品。リップは倒れているわ、リキッドファンデが机にベッタリ付いているわで大惨事。
部屋の左側にあるのは…ベッド?
ゴミは乗ってないけど、Tシャツ・派手なピンク色ブラジャー・パンツがいっぱい脱ぎ捨てられている。
横になろうと思えないし、絶対に体が休まらないでしょ!
「フ…フ、はぁ。あれから仕事ばっかりで掃除が追いつかなくてぇ。というわけでよろしくねぇ」
部屋を汚した張本人は力が抜けた声で言い、あたしの肩をポンポン叩いてくる。
ここは看守が泊まる宿直室。
プライバシーのためにも1人ずつ部屋が与えられるらしい。
「なんでここまで放置したのよ」
「じゃ、わたしは仕事に~」
逃げるように立花ルナは去っていった。
ゴミ袋をはじめとした掃除用具はあるけどさ、どうしろと…。
こんな時に真咲がいてくれたらって思っちゃうな。
「まずは床が見えるようにするしかないよね」
ビニール手袋を2重に付けて、臭いの元でもあるご飯系のゴミを拾っていく。
『あれから仕事ばっかり…』
立花ルナは確かに大変そう。
看守が1人収監され、いなくなったんだから。
懲罰房での一件から5日。
騒動はすべて立花ルナが担当することになったらしい。
問題を起こした看守の取り調べと処分、男たちがいた刑務所とのコミュニケーション。
汚すのも無理はない…と思いたいけど、許したくはない。
自分で掃除しろって。
作業開始から2時間くらい経ったけど…誰でもいいから褒めて!
めっちゃキレイになったから!
床のゴミはとりあえず全部回収したし、雑巾がけもした。
机とベッドは諦めたけど、あたしにしては上出来でしょ。
これも真咲のおかげ…なんだよね。
早く会いたいけど。
前みたいに話せるか分からないっていう不安はある。
モヤモヤして、余計なことまで考えちゃう。
「もう! ベッドもやろ!」
指をポキッと鳴らして気合を入れ直す。
立花ルナが脱ぎ捨てた下着や服を雑に掴み、ひたすらカゴに移していく。
マジできったない! 仕分けは自分でやってよ!
ちょっとイライラしながら片付けていると、何やら硬い物が手に当たった。
衣類じゃない…。
「これって…アレだよね」
布団の中から出てきたのは。
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