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第4章
⑪慰めの言葉
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「悔しいわよねぇ。でも、最善の行動は取れていたと思うわ」
「は?」
マジでいちいち気に障るな。
「もしあなたが暴れていたら、もっと被害は大きかったってことよぉ。冴木はネジが外れていた。壊したい衝動を刺激してしまったら、33番か37番、どちらかを殺して見せ物にする…なんてこともあったでしょうねぇ」
立花ルナはいつにもなく真剣な表情をしていた。
すっぴんだから、そう見えるだけかもしれないけど。
でも、想像はついてしまう。
あの場にいた冴木は明らかに正常ではなかったし、変わり果てた真咲を見て感動していたから。
「だから37番、あなたに責任はないわぁ。すべて冴木が悪いものぉ。落ち込むのは今日までにしなさい」
「慰めてるつもり?」
「どうでしょうねぇ。わたしは可愛い囚人ちゃんが折れて退屈するのが嫌ってだけよぉ」
ポンと頭を撫でられて鳥肌が立つ。
触んな、何の罰よ。
立ち直るのに時間はかかると思うけど、悪いのは冴木…ね。
悔しいけど、その考え方はちょっと気が楽かも。
ほんと立花ルナもよく分かんないな。
ピンチの時に来て解決してくれるんだよね。
あたしを独り占めして、自分の好みに壊したいんだろうけど。
切り替えて涙を拭っていると、アラームのような機械音が鳴った。
「はぁ、もう夜中の2時よぉ、37番は明日も1日療養ってことになってるから作業はないわぁ。わたしは朝から冴木の取り調べで重労働だけど。興味あったら来る?」
真咲を壊した張本人は何を語るんだろう。
気になるけど、顔を見たら色々思い出しちゃいそう。
「明日の気分次第で」
「そ…。あ、寝る前にあれやらなきゃねぇ。弱ってるとはいえ、決まりだからぁ」
立花ルナはベッドの下に手を伸ばし、何かを取り出した。
プラスティック製の透明なジョウロ? みたいなやつ。
伸びている先端部分はラッパのベルみたいに広がっている。
1つ気になるのは、ジョウロでいうところの水を出す部分はあるんだけど、入れるための大きな穴がない。
「これ、何か分かるぅ?」
「見たことない…」
「フフフ、尿瓶っていうの。言ってしまえばトイレねぇ。寝る前には全部出す決まりだから、強制よ」
「え? その中にしろってこと?」
「そうよぉ。看守はサポートしてあげなくちゃいけないのぉ。わたしだって嫌よ? おもらしっ娘の小便介助なんて。だらしなく漏らせばいいのにねぇ」
やっぱり。
立花ルナは100%嫌なやつで決まりだ。
帰ってきたら色々されると覚悟はしていたけど、早速かっての。
「は?」
マジでいちいち気に障るな。
「もしあなたが暴れていたら、もっと被害は大きかったってことよぉ。冴木はネジが外れていた。壊したい衝動を刺激してしまったら、33番か37番、どちらかを殺して見せ物にする…なんてこともあったでしょうねぇ」
立花ルナはいつにもなく真剣な表情をしていた。
すっぴんだから、そう見えるだけかもしれないけど。
でも、想像はついてしまう。
あの場にいた冴木は明らかに正常ではなかったし、変わり果てた真咲を見て感動していたから。
「だから37番、あなたに責任はないわぁ。すべて冴木が悪いものぉ。落ち込むのは今日までにしなさい」
「慰めてるつもり?」
「どうでしょうねぇ。わたしは可愛い囚人ちゃんが折れて退屈するのが嫌ってだけよぉ」
ポンと頭を撫でられて鳥肌が立つ。
触んな、何の罰よ。
立ち直るのに時間はかかると思うけど、悪いのは冴木…ね。
悔しいけど、その考え方はちょっと気が楽かも。
ほんと立花ルナもよく分かんないな。
ピンチの時に来て解決してくれるんだよね。
あたしを独り占めして、自分の好みに壊したいんだろうけど。
切り替えて涙を拭っていると、アラームのような機械音が鳴った。
「はぁ、もう夜中の2時よぉ、37番は明日も1日療養ってことになってるから作業はないわぁ。わたしは朝から冴木の取り調べで重労働だけど。興味あったら来る?」
真咲を壊した張本人は何を語るんだろう。
気になるけど、顔を見たら色々思い出しちゃいそう。
「明日の気分次第で」
「そ…。あ、寝る前にあれやらなきゃねぇ。弱ってるとはいえ、決まりだからぁ」
立花ルナはベッドの下に手を伸ばし、何かを取り出した。
プラスティック製の透明なジョウロ? みたいなやつ。
伸びている先端部分はラッパのベルみたいに広がっている。
1つ気になるのは、ジョウロでいうところの水を出す部分はあるんだけど、入れるための大きな穴がない。
「これ、何か分かるぅ?」
「見たことない…」
「フフフ、尿瓶っていうの。言ってしまえばトイレねぇ。寝る前には全部出す決まりだから、強制よ」
「え? その中にしろってこと?」
「そうよぉ。看守はサポートしてあげなくちゃいけないのぉ。わたしだって嫌よ? おもらしっ娘の小便介助なんて。だらしなく漏らせばいいのにねぇ」
やっぱり。
立花ルナは100%嫌なやつで決まりだ。
帰ってきたら色々されると覚悟はしていたけど、早速かっての。
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