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第3章
②ボクも沙羅みたいに可愛くなりたいな
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「あ~美味しかった…」
「ごちそうさまでした」
謹慎で1日動いてはいなかったけど、色々あってお腹はめっちゃ空いてた。
ジューシーな唐揚げと熱々の白米…やっぱ最高!
後はお酒があれば、ムリかぁ。
その後はお弁当の感想を語ったり、真咲が1人でトイレ掃除を頑張った話を聞いたりして時間が流れた。
刑務所でも歳が近い子とガールズトークできるとは…。
ほんとは外の世界で、スイーツでも食べながらしたかったけど。
「そういえば、まだここにいていいの?」
「うん! 迎えに来るそうなので」
じゃあもうちょっと楽しい時間を過ごせるわけだ。
でも、少しは警戒しないとね。
立花ルナがこのことを知っているのか気になる。
真咲の看守に弁当を持っていくよう頼んだ?
あたしをイジメたい性悪女がそんなことするか?
色々と謎だ。
あたしはともかく、真咲が同じ仕打ちに遭ったら…。
考えただけでゾッとする。
少し探ってみてもいいかな。
「ねぇ、真咲の看守ってどんな人?」
軽い気持ちの一言だった。
しかし真咲は少し固まり、怯えているような表情をする。
マズイこと聞いちゃったかも…。
「とっても厳しい人。規律が絶対…みたいな。それと、何を考えているか分からなくて怖いです」
「…そっか、なんかうちの看守とはジャンルが違うね」
立花ルナとは真逆のタイプだ。
でも真咲は真面目そうだし、そんなに怒られることもないのかな。
あたしと違って。
「ここにいる看守は体育会系で厳しい人ばっかり。どちらかといえば立花ルナ看守が、刑務所でも異質な人だよ。痛みよりも辱めで更生させる派らしいです」
「看守に派閥とかあるんだ」
「はい! この間の3番の看守は、暴力によって分からせることで有名です」
なるほど。
方向性ってか、考えが合わないから、立花ルナが首を突っ込んできたんだ。
真咲にかけられそうだった手錠を弾き飛ばし、あたしに殴らせることで場を収めたと。
「なーんか、どの看守に当たるかも運だね」
あたしのは多分、大ハズレ。
「でも、従って暮らすしかないです」
「ほんとそうね」
早く出たいな。
今日の謹慎を受けて、より一層気持ちが強くなった。
調教に負けず、3ヶ月乗り越えて外に出る。
頑張らなきゃな。
「…あの」
あたしが少し考え事をしていると、真咲が細い声とともにグイッと近づいてきた。
「どうしたの?」
何かを言い出せないのかモジモジしている。
顔もちょっと赤い。
「嫌じゃなければなんですけど、」
「うん?」
「髪の毛、触ってもいい?」
「ん? 全然平気だけど」
「やった! 初めて沙羅を見た時から、キレイな金髪だなって…思ってたから」
真咲は頬を赤く染めてニコッと笑う。
こんないい顔するんだ…。
「では、触ります!」
あたしの頭を撫でたり、手ぐしを通したりする。
後ろに回ると、顔を埋めて嗅いできた。
臭いはちょっと…と思いつつも、髪はずっと大切にしてきたこともあり、悪い気はしない。
「くすぐったいよ…。でも、逮捕される前、髪はとっても大事にしてたから。褒められると嬉しい」
「ボクも沙羅みたいに可愛くなりたいな」
後ろからギュッと抱きつかれた。
「ごちそうさまでした」
謹慎で1日動いてはいなかったけど、色々あってお腹はめっちゃ空いてた。
ジューシーな唐揚げと熱々の白米…やっぱ最高!
後はお酒があれば、ムリかぁ。
その後はお弁当の感想を語ったり、真咲が1人でトイレ掃除を頑張った話を聞いたりして時間が流れた。
刑務所でも歳が近い子とガールズトークできるとは…。
ほんとは外の世界で、スイーツでも食べながらしたかったけど。
「そういえば、まだここにいていいの?」
「うん! 迎えに来るそうなので」
じゃあもうちょっと楽しい時間を過ごせるわけだ。
でも、少しは警戒しないとね。
立花ルナがこのことを知っているのか気になる。
真咲の看守に弁当を持っていくよう頼んだ?
あたしをイジメたい性悪女がそんなことするか?
色々と謎だ。
あたしはともかく、真咲が同じ仕打ちに遭ったら…。
考えただけでゾッとする。
少し探ってみてもいいかな。
「ねぇ、真咲の看守ってどんな人?」
軽い気持ちの一言だった。
しかし真咲は少し固まり、怯えているような表情をする。
マズイこと聞いちゃったかも…。
「とっても厳しい人。規律が絶対…みたいな。それと、何を考えているか分からなくて怖いです」
「…そっか、なんかうちの看守とはジャンルが違うね」
立花ルナとは真逆のタイプだ。
でも真咲は真面目そうだし、そんなに怒られることもないのかな。
あたしと違って。
「ここにいる看守は体育会系で厳しい人ばっかり。どちらかといえば立花ルナ看守が、刑務所でも異質な人だよ。痛みよりも辱めで更生させる派らしいです」
「看守に派閥とかあるんだ」
「はい! この間の3番の看守は、暴力によって分からせることで有名です」
なるほど。
方向性ってか、考えが合わないから、立花ルナが首を突っ込んできたんだ。
真咲にかけられそうだった手錠を弾き飛ばし、あたしに殴らせることで場を収めたと。
「なーんか、どの看守に当たるかも運だね」
あたしのは多分、大ハズレ。
「でも、従って暮らすしかないです」
「ほんとそうね」
早く出たいな。
今日の謹慎を受けて、より一層気持ちが強くなった。
調教に負けず、3ヶ月乗り越えて外に出る。
頑張らなきゃな。
「…あの」
あたしが少し考え事をしていると、真咲が細い声とともにグイッと近づいてきた。
「どうしたの?」
何かを言い出せないのかモジモジしている。
顔もちょっと赤い。
「嫌じゃなければなんですけど、」
「うん?」
「髪の毛、触ってもいい?」
「ん? 全然平気だけど」
「やった! 初めて沙羅を見た時から、キレイな金髪だなって…思ってたから」
真咲は頬を赤く染めてニコッと笑う。
こんないい顔するんだ…。
「では、触ります!」
あたしの頭を撫でたり、手ぐしを通したりする。
後ろに回ると、顔を埋めて嗅いできた。
臭いはちょっと…と思いつつも、髪はずっと大切にしてきたこともあり、悪い気はしない。
「くすぐったいよ…。でも、逮捕される前、髪はとっても大事にしてたから。褒められると嬉しい」
「ボクも沙羅みたいに可愛くなりたいな」
後ろからギュッと抱きつかれた。
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