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第2章

⑤独房でおもらし

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「あたしもできませんとか、あんまり恥をかかせないでくれるぅ?」

初めての消灯前。

あたしは独房で正座をさせられている。
最終的には3番を殴ったが、一度は反抗して場を乱してしまったからだ。

この性悪クソ女が何もしてこないわけもなく、説教とお仕置きを受けることになった。
結果から言えば、あたしも真咲も懲罰行きにはならなかったし、信頼度スコアにも影響がないらしい。

「今日の失態は、コレでチャラにしてあげるぅ」

独房には天井から吊るされた1本の鎖。
初めて見た時、何に使うか気になっていたけど、ようやく分かった。

あたしはM字開脚をさせられ、両手を上げた状態で特殊な手錠をかけられた。
普通の手錠は輪っかは2つだけど、これは3つ。

両手首にかけ、余った1つは吊るされている鎖に通された。

なにこれ…。
腕を下げられないし、立ち上がろうとしても無理。

「フフッ。キツいでしょ? 寝転がることも、手を下げることもできないのぉ。これで明日の朝まで反省しなさぁい」

腕への負担。
足のしびれ。
横になれないストレス。

罰としては十分なほど過酷だった。

「電気もつけっぱなしにしてあげるぅ。その方が寝られないでしょぉ?」

「はい…」

ニヤニヤと笑い、立花ルナは独房に鍵をかけていなくなった。
起床まで8時間あるけど、どこかで寝ないと本当にやってられない。

何か楽な姿勢がないかと探ってみても、結局上がったままの腕がキツい。

とりあえず、目を閉じるしかないか…。


✢✢✢


疲れもあったのか、少しは眠れた。
でも目が覚めてしまう。

「今、何時だろ…」

独房に時計や窓はない。
いつ朝が来るか分からないのもメンタルに来る。

もう一度寝よう…と目を瞑った時だった。

「まって…」

あるものが襲ってきて、一気に緊張が走る。
腕の疲れとか、眠れない不快感とか。
それよりも大きな不安が全身を駆け巡った。

「おしっこ…したい」

騒動後に一度したのに。

ボタンを押せば看守が来てくれる…と思ったけど、今のあたしにはできない。
両手を固定されてる。

じゃあ叫ぶ?
でも独房内で騒げば、それこそ懲罰を受けることになる。

我慢するしか、ない…。


早く、朝。来て、おねがいっ。

「はぁはぁ…」

冷や汗が止まらない。
お股に押し寄せて来ているのが分かる。

どうしよう。
おもらしなんてしたら、あたしも他の囚人たちの前に裸で立たさせれるのかな。
罰として放尿を命じられて、笑われて…。

『おもらしする沙羅、恥ずかしいですね。もうボクに話しかけないでください』

真咲にも嫌われちゃうかな。
足が震え始める。

何か手は…。
そうだ、監視カメラ!
独房には囚人の動きを確認するカメラがついている。

あたしは足をジタバタさせる。

「おねがい、気づいて」

手を揺らして鎖の音を鳴らしたり、首を振ったりと色々した。

しかし、看守は全然来てくれない。

もうジッとして朝まで耐えよう。
あたしは呼吸を整えて目を閉じた。


…。

気がつくと裸で身体検査室にいた。
椿さんが迫ってきて、あたしのアソコに指を入れる。

「だめ、出ちゃうから…やめてください」

股にグッと力を入れて刺激に耐えるけど、反応が面白かったのか指を動かすスピードは上がり続ける。

「んあぁんんっ!!」

だらしない顔で感じるあたしが鏡に映っていた。

それ以上は、本当にっ…。



「ダメ!」

声を荒げると、独房だった。
そっか夢。

でも、もう限界。
抑えきれないっ…!


力がフッと抜けた。

股に温かい感覚。
そして放尿音がズボンの中で鳴り、おしっこが床に流れ出ていく。

これも夢であってよ!
恥ずかしいよ。おもらしなんて。
ヤダ! ヤダ! ヤダ!

ブワッとおしっこの臭いが独房内に漂う。
あまりの悔しさに涙が出そうになった時、さらなる絶望が襲いかかってきた。

ご機嫌な早足で迫ってくるヒールの音。

全部終わった。
何もかも。

あたしもみんなの前で罰を受け、辱められるんだ…。

「あら~あらあら? まさか…おもらし~! うそうそぉ! この歳になってぇ?」 

とまれ、出ないで! ひたすら願うけど、限界を迎えた体は言う事を聞いてくれない。

おしっこが床に広がり、大きな水溜りを作る。

「見ないで!」

この歳になっておもらし。
震えが止まらない…なんであたしがこんな目に。 

しかも。

「おもらしした顔を撮らなきゃね~。かわいい~」

鉄格子の先でニヤニヤと笑う立花ルナ。
スマホのカメラをこちらに向け、楽しそうに撮影している。

コイツに見られたことが何よりも悔しい。

「撮らないで…」

今すぐにスマホを奪って叩き割りたい……。
でも、あたしは逆らうことができない。

「まさかぁ、ツラくて音を上げるんじゃなくてぇ。おもらし、フフフッ! だらしない子ねぇ」

チョロチョロと勢いが弱まり、ようやく止まった。
パンツも、囚人服も、床もびしょ濡れ。

「あら~怖い顔ぉ。でも良いのぉ? あなたをどうするかはわたしの自由だけどぉ」

拘束を解かれたら、コイツを…。
そう思った敵意は一瞬で見抜かれた。

抵抗したところで立場が悪くなるだけ。
分かってる、でも。

立花ルナは尿を避けながら歩き、あたしの後ろに立つと、手錠を外した。
だらんと腕が下がる。

「懲罰いこっかぁ? あそこはキツイわよぉ」

頭と頬を撫でられる。

「たっぷりお仕置きされて、最後はみんなの前でぇ」

耳元でささやく。

「おもらししてもらっかな」

もう、終わりだ。
3番みたいに…。

あたしが。

恥ずかしさと絶望で力が抜け、床に両手をついた。
おしっこ溜まりがピチャッと音を立て、顔にも跳ねたけど何も気にならない。

四つん這いになって絶望するあたしの背中を立花ルナは優しく擦った。

「ンフフ。取引しない~? 懲罰なんてつまらないし」
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