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第2章
②ボクっ娘『真咲』とトイレ掃除〜2人ですれば恥ずかしくない〜
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「び、びええええええん!!!!」
看守に突き飛ばされ、そのままズッコケた女は、汚い床に顔をつけたまま大泣きしている。
「大丈夫?」
あまりにもデカい声で泣くから、さすがに背中をさすってあげた。
「びえ、びえ」
全然止まる気配がないんだけど…。
5分くらい経って、ようやく静かになった。
「大変ご迷惑おかけしました…。ボクは黒木真咲と申します」
「いや、全然気にしてないから。あたしは甘楽沙羅。えーと、よろしくね?」
丁寧な言葉遣い。高い萌え声。自分のことをボク呼び。
なんか不思議な子。
髪型はボリュームたっぷりの黒髪ボブで、顔はかなりの童顔。
ここにいるってことは20歳以上なんだろうけど、オシャレを知らない女子っぽさがすごい。
素材は良いのになぁ。
「よろしくお願いいたします。ボクもトイレ掃除を命じられましたので、一緒に頑張りましょう!」
ペコリと一礼。
「あ、どうも」
ここにはあたしのペースを崩す人間しかいないのか…。
それとも囚人同士は敬語が普通?
戸惑いつつも、余っていたタワシを1つ渡した。
「ありがとうございます!」
「いーえ。ていうか、真咲は掃除のやり方って分かる? あたし全然やったことなくて」
その発言に真咲は目をキラキラと輝かせ、フフッとドヤ顔になる。
「任せてください! 掃除は得意ですよ!」
それから真咲は自信満々に色々教えてくれた。
掃除は上からやった方がいいとか、洗剤の量のコツとか。
テキパキ動くし、なんでここに入っているか分からないくらい真面目な子。
こういったタイプは外だと関わらなかったなぁ。
幸いトイレには監視カメラがなく、しばらく看守が来る気配もない。
喋りながら手を動かし続けた。
真咲は20歳で、3ヶ月前に収監されたらしい。
あたしの方が年上だけど、ここでの歴は浅い。
「あのさ、敬語やめてくれる」
だからそう提案した。
「えっと、どう話していいか…」
戸惑っているのかモジモジしている。
どんな生活をしていたんだろう…何やって入ったとか聞くのはあれだし。
しつけが厳しい家だったのかな。
「まだよくわかりませんが、沙羅…と話していると楽しいよ、です?」
「めちゃくちゃになってるけど、まぁそんな感じで」
敬語で話されるよりはいい。
とりあえず真咲とは仲良くできそうで一安心。
一緒に掃除するなら気が楽だ。
作業を始めて2時間くらいが経つ頃には、壁の上半分はかなりキレイになっていた。
意外と達成感があるし、案外退屈しないかも。
まぁ、臭いとか疲れとか。
不快になる要素もすごいんだけど。
ずっと閉じ込められているよりはいい。
なんて考えながら汚れを擦っていると、真咲がモジモジしながらこちらを見てきた。
「ト、トイレしてもいいです?」
「じゃああっち向いてるね」
とっさに返すと首を横に振る。
「音を聞かれるのも、ちょっと恥ずかしいというか。その…」
確かに。
でも、トイレに仕切りはない。
どうしてあげるべきかと考え、出した答えは…。
「あたしもしよーっと」
そう言ってズボンとパンツを下ろし、便器に座っておしっこをした。
チョロチョロと滴る音が響く。
「え、ええ??」
「実はあたしも限界でさ…。2人ですれば良くない?」
いきなりの行動に驚いていた真咲も、コクコクと頷いた後、ゆっくりと下を脱いだ。
わぁすっごいモジャモジャだ…。
…………え! 剛毛!?
剃られたのってあたしだけ? いや、3ヶ月で生えた説もあるか。
「えへへ。ありがとうです」
真咲は口元を緩めながら、勢い良くおしっこをし始めた。
シャァァ!! とかなり大きな音が鳴る。
よっぽど我慢してたんだね。
2人ですれば恥ずかしくない。
でも、なんか変な感じ。
刑務所に来なかったらしない体験だ。
「じゃあスッキリしたし、再開しよっか」
「はい! あ、うん!」
トイレを終え、掃除に戻る。
てか、パイパンって拭くのが楽でいいな…。
剃られた時めっちゃ恥ずかしかったけど、蒸れなさそうだし、普通にアリだな。
伸びたら自分で剃りたいかも…。
いや、何考えてんだあたし。
看守に突き飛ばされ、そのままズッコケた女は、汚い床に顔をつけたまま大泣きしている。
「大丈夫?」
あまりにもデカい声で泣くから、さすがに背中をさすってあげた。
「びえ、びえ」
全然止まる気配がないんだけど…。
5分くらい経って、ようやく静かになった。
「大変ご迷惑おかけしました…。ボクは黒木真咲と申します」
「いや、全然気にしてないから。あたしは甘楽沙羅。えーと、よろしくね?」
丁寧な言葉遣い。高い萌え声。自分のことをボク呼び。
なんか不思議な子。
髪型はボリュームたっぷりの黒髪ボブで、顔はかなりの童顔。
ここにいるってことは20歳以上なんだろうけど、オシャレを知らない女子っぽさがすごい。
素材は良いのになぁ。
「よろしくお願いいたします。ボクもトイレ掃除を命じられましたので、一緒に頑張りましょう!」
ペコリと一礼。
「あ、どうも」
ここにはあたしのペースを崩す人間しかいないのか…。
それとも囚人同士は敬語が普通?
戸惑いつつも、余っていたタワシを1つ渡した。
「ありがとうございます!」
「いーえ。ていうか、真咲は掃除のやり方って分かる? あたし全然やったことなくて」
その発言に真咲は目をキラキラと輝かせ、フフッとドヤ顔になる。
「任せてください! 掃除は得意ですよ!」
それから真咲は自信満々に色々教えてくれた。
掃除は上からやった方がいいとか、洗剤の量のコツとか。
テキパキ動くし、なんでここに入っているか分からないくらい真面目な子。
こういったタイプは外だと関わらなかったなぁ。
幸いトイレには監視カメラがなく、しばらく看守が来る気配もない。
喋りながら手を動かし続けた。
真咲は20歳で、3ヶ月前に収監されたらしい。
あたしの方が年上だけど、ここでの歴は浅い。
「あのさ、敬語やめてくれる」
だからそう提案した。
「えっと、どう話していいか…」
戸惑っているのかモジモジしている。
どんな生活をしていたんだろう…何やって入ったとか聞くのはあれだし。
しつけが厳しい家だったのかな。
「まだよくわかりませんが、沙羅…と話していると楽しいよ、です?」
「めちゃくちゃになってるけど、まぁそんな感じで」
敬語で話されるよりはいい。
とりあえず真咲とは仲良くできそうで一安心。
一緒に掃除するなら気が楽だ。
作業を始めて2時間くらいが経つ頃には、壁の上半分はかなりキレイになっていた。
意外と達成感があるし、案外退屈しないかも。
まぁ、臭いとか疲れとか。
不快になる要素もすごいんだけど。
ずっと閉じ込められているよりはいい。
なんて考えながら汚れを擦っていると、真咲がモジモジしながらこちらを見てきた。
「ト、トイレしてもいいです?」
「じゃああっち向いてるね」
とっさに返すと首を横に振る。
「音を聞かれるのも、ちょっと恥ずかしいというか。その…」
確かに。
でも、トイレに仕切りはない。
どうしてあげるべきかと考え、出した答えは…。
「あたしもしよーっと」
そう言ってズボンとパンツを下ろし、便器に座っておしっこをした。
チョロチョロと滴る音が響く。
「え、ええ??」
「実はあたしも限界でさ…。2人ですれば良くない?」
いきなりの行動に驚いていた真咲も、コクコクと頷いた後、ゆっくりと下を脱いだ。
わぁすっごいモジャモジャだ…。
…………え! 剛毛!?
剃られたのってあたしだけ? いや、3ヶ月で生えた説もあるか。
「えへへ。ありがとうです」
真咲は口元を緩めながら、勢い良くおしっこをし始めた。
シャァァ!! とかなり大きな音が鳴る。
よっぽど我慢してたんだね。
2人ですれば恥ずかしくない。
でも、なんか変な感じ。
刑務所に来なかったらしない体験だ。
「じゃあスッキリしたし、再開しよっか」
「はい! あ、うん!」
トイレを終え、掃除に戻る。
てか、パイパンって拭くのが楽でいいな…。
剃られた時めっちゃ恥ずかしかったけど、蒸れなさそうだし、普通にアリだな。
伸びたら自分で剃りたいかも…。
いや、何考えてんだあたし。
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