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9月3日 グミの日 苦手な食べ物でも楽しく話されたら…
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今日は柔軟に行こう。
柔軟に、楽しむことだけを考えよう。
何があってもひるまないよう柔軟に行こう。
まぁ、何か例えがハマらなくて微妙な雰囲気になったとしてもしょうがない。
そんなことを恐れてたら、楽しめるものも楽しめなくなっちゃう。
今日は計画もなし。
ある程度想定はしていくけど、こうしようとかそういうのはなし!!
楽しむぞ。
楽しんだもん勝ちなんだから。
楽しむことを強く決意して、俺は『雑談部屋』に入っていった。
今日もまた、白い空間に放り出された。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴った。
”シチュエーションの設定、人物選択、話題選択が終了しました。
これより雑談を始めます。”
やっぱりアナウンスが止んだ。
やはり、雑談部屋で一番無駄な時間なう。
AIはここを修正しないのだろうか?
やっぱ、修正しないかぁ。
修正してくれないかなぁ。
毎回同じこと思ってるなぁ。
ある意味、これがルーティーンみたいなところあるしなぁ。
そう考えると、意味があるのかなぁ?
意味、あったのかな…
このルーティーンやめようかな?
どうしよう。
でも、これをやめて、調子崩したら辛いから、続けるかぁ。
再びアナウンスが鳴った。
”雑談所要時間は30分、盛り上がり等により自動で延長や短縮を行います。
シチュエーションは、『スーパーのお菓子売り場』です。
雑談に参加するメンバーは、『田中様』『九条様』『五十嵐様』『大久保様』です。
決まった役職、役割等はございません。ご気軽に参加してください。
それでは雑談を始めさせていただきます。
今回の話題は『グミ』です。
それでは楽しい雑談の時間をお過ごしください。”
アナウンスがやんで、光に包まれた。
グミか。
グミかぁ…
ちょっと苦手なんだよなぁ。
あの感触がなぁ…
どうも好きになれないんだよなぁ。
たぶん、今日も好き嫌いの話しから入るだろうから、そのときにグミが苦手だと言ったら、皆は、どんな反応をするんだろう?
テーマかぁ…
今日は持って行かなくていいかなぁ。
グミが好きな人が持ってくるべきだと思うし。
グミは苦手だから、グミについて詳しくないし、いいテーマは思いつかなそうだし、それならグミ好きな人に任せた方が良いかな。
みんなグミ好きなのかなぁ?
これで、みんなグミが苦手だったら面白いのになぁ。
グミかぁ…
グミ苦手派の俺でも、楽しめるといいな。
なんとなく考え事というか、思考が途切れたタイミングで、光が収まった。
スーパーのお菓子コーナー。
普段は小学校低学年の子が一人くらいいるようなところに、高校生が4人立っていた。
全員棚よりは背が高く、お菓子コーナーからレジの混み具合が見えるくらい。
そんなリアルなシチュエーションで最初に声を上げたのは、九条だった。
「今日の話題は『グミ』!!!みんな、グミは好き?俺は大好き!!!」
いつも通りテンションが高い九条。
九条の子供っぽさが、グミ好きっていうのとうまくマッチしていて、九条がグミをおいしそうに食べる姿が容易に想像できる。
九条のテンションの高い質問に最初に答えたのは俺だった。
「俺はちょっと苦手だな。あの感触がどうも好きになれない」
「田中君は、グミが苦手なんだね!!!グミが苦手な人なんているんだね!!!みんな大好きなものかと思ってた!!!」
今日は、完全に九条が司会のポジションらしい。
俺がグミが苦手だということに、思ったより反応があった。すごく素直に言われたから、悪口とか含みのある言い方には全く聞こえない。
これが九条のすごいところだよなぁ。
自分の番が終わったという安心感と、九条のすごさに感心していた。
すると次は、大久保が話し始めた。
「私は、グミ、好き、だよ。最近、いろんな、グミが、売られてて、すごく、うれしい。だけど、外国の、大雑把な、味のやつ、あれは、あまり、好きじゃない。日本の、グミは、すごく、好き」
「外国のグミって、なんでそんなに雑な味なのってくらい大味だよね!!!良くも悪くも!!!俺も輸入品を買ってみたけど、いまいちなものが多かった!!!」
へぇ、日本のグミと外国のグミで、味に差があるんだぁ。
確かに、いろんなもので外国のものって大雑把な味だなぁって思うことはあるけど、まさか、グミにもあるとは。
最後に、五十嵐が話し始めた。
「うちも全然グミ好きだよ。うちは、全然外国のやつも好きだよ。大雑把な奴も見た目が派手な奴が多いし可愛いから好き」
「わかる!!!見た目は可愛いよね!!!だけど、味はさっきも言った通り大味だから、何個も食べれないようなのが多いよね!!!」
それからみんなのグミ談義を見守るみたいな立場になった。
内容はさっぱり分からないけど、盛り上がってるみんなの姿を見るのは楽しかった。
知らないスポーツの中継を見ているみたいな気持ちになった。
俺はあまり話してないけど、充実感があった。
満足、満足と思ったタイミングで、アナウンスが鳴った。
”29分43秒13が経過しました。お話の途中かと思いますが、教室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。
知らないことを知る事って楽しいですよね。
教えてくれる人が楽しそうにしてたら、なおさら楽しいですよね。
だから、楽しく学びましょう。
楽しく学べば身に着くものが自然と多くなるでしょう。
楽しく学ぶことを心掛けて、今日の残りの時間も頑張ってください。
それでは教室にお送りいたします。
それでは良い学校生活を”
アナウンスが止んだ。
教室に戻ってきた。
あまり話してないけど楽しかったなぁ。
なんとなく配信を見ているような感覚。
自分はあまり詳しくないことについて、他の人が楽しそうに話していると、自然と興味がわいてくるものだ。
どうしよう?
グミ、今度食べてみようかな?
まぁ、口に合わなかったら口に合わなかったでいいし。
最後に食べたのはもう5,6年も前だから、味覚が変わってもう食べられるようになってるかもしれないし、チャレンジしてみようかな。
皆があんなに楽しそうに話しているから、グミにチャレンジしてみたいと思った。
帰り、何かグミを買って帰ってみよう。
駄目だったら、母にあげればいいや。
柔軟に、楽しむことだけを考えよう。
何があってもひるまないよう柔軟に行こう。
まぁ、何か例えがハマらなくて微妙な雰囲気になったとしてもしょうがない。
そんなことを恐れてたら、楽しめるものも楽しめなくなっちゃう。
今日は計画もなし。
ある程度想定はしていくけど、こうしようとかそういうのはなし!!
楽しむぞ。
楽しんだもん勝ちなんだから。
楽しむことを強く決意して、俺は『雑談部屋』に入っていった。
今日もまた、白い空間に放り出された。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴った。
”シチュエーションの設定、人物選択、話題選択が終了しました。
これより雑談を始めます。”
やっぱりアナウンスが止んだ。
やはり、雑談部屋で一番無駄な時間なう。
AIはここを修正しないのだろうか?
やっぱ、修正しないかぁ。
修正してくれないかなぁ。
毎回同じこと思ってるなぁ。
ある意味、これがルーティーンみたいなところあるしなぁ。
そう考えると、意味があるのかなぁ?
意味、あったのかな…
このルーティーンやめようかな?
どうしよう。
でも、これをやめて、調子崩したら辛いから、続けるかぁ。
再びアナウンスが鳴った。
”雑談所要時間は30分、盛り上がり等により自動で延長や短縮を行います。
シチュエーションは、『スーパーのお菓子売り場』です。
雑談に参加するメンバーは、『田中様』『九条様』『五十嵐様』『大久保様』です。
決まった役職、役割等はございません。ご気軽に参加してください。
それでは雑談を始めさせていただきます。
今回の話題は『グミ』です。
それでは楽しい雑談の時間をお過ごしください。”
アナウンスがやんで、光に包まれた。
グミか。
グミかぁ…
ちょっと苦手なんだよなぁ。
あの感触がなぁ…
どうも好きになれないんだよなぁ。
たぶん、今日も好き嫌いの話しから入るだろうから、そのときにグミが苦手だと言ったら、皆は、どんな反応をするんだろう?
テーマかぁ…
今日は持って行かなくていいかなぁ。
グミが好きな人が持ってくるべきだと思うし。
グミは苦手だから、グミについて詳しくないし、いいテーマは思いつかなそうだし、それならグミ好きな人に任せた方が良いかな。
みんなグミ好きなのかなぁ?
これで、みんなグミが苦手だったら面白いのになぁ。
グミかぁ…
グミ苦手派の俺でも、楽しめるといいな。
なんとなく考え事というか、思考が途切れたタイミングで、光が収まった。
スーパーのお菓子コーナー。
普段は小学校低学年の子が一人くらいいるようなところに、高校生が4人立っていた。
全員棚よりは背が高く、お菓子コーナーからレジの混み具合が見えるくらい。
そんなリアルなシチュエーションで最初に声を上げたのは、九条だった。
「今日の話題は『グミ』!!!みんな、グミは好き?俺は大好き!!!」
いつも通りテンションが高い九条。
九条の子供っぽさが、グミ好きっていうのとうまくマッチしていて、九条がグミをおいしそうに食べる姿が容易に想像できる。
九条のテンションの高い質問に最初に答えたのは俺だった。
「俺はちょっと苦手だな。あの感触がどうも好きになれない」
「田中君は、グミが苦手なんだね!!!グミが苦手な人なんているんだね!!!みんな大好きなものかと思ってた!!!」
今日は、完全に九条が司会のポジションらしい。
俺がグミが苦手だということに、思ったより反応があった。すごく素直に言われたから、悪口とか含みのある言い方には全く聞こえない。
これが九条のすごいところだよなぁ。
自分の番が終わったという安心感と、九条のすごさに感心していた。
すると次は、大久保が話し始めた。
「私は、グミ、好き、だよ。最近、いろんな、グミが、売られてて、すごく、うれしい。だけど、外国の、大雑把な、味のやつ、あれは、あまり、好きじゃない。日本の、グミは、すごく、好き」
「外国のグミって、なんでそんなに雑な味なのってくらい大味だよね!!!良くも悪くも!!!俺も輸入品を買ってみたけど、いまいちなものが多かった!!!」
へぇ、日本のグミと外国のグミで、味に差があるんだぁ。
確かに、いろんなもので外国のものって大雑把な味だなぁって思うことはあるけど、まさか、グミにもあるとは。
最後に、五十嵐が話し始めた。
「うちも全然グミ好きだよ。うちは、全然外国のやつも好きだよ。大雑把な奴も見た目が派手な奴が多いし可愛いから好き」
「わかる!!!見た目は可愛いよね!!!だけど、味はさっきも言った通り大味だから、何個も食べれないようなのが多いよね!!!」
それからみんなのグミ談義を見守るみたいな立場になった。
内容はさっぱり分からないけど、盛り上がってるみんなの姿を見るのは楽しかった。
知らないスポーツの中継を見ているみたいな気持ちになった。
俺はあまり話してないけど、充実感があった。
満足、満足と思ったタイミングで、アナウンスが鳴った。
”29分43秒13が経過しました。お話の途中かと思いますが、教室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。
知らないことを知る事って楽しいですよね。
教えてくれる人が楽しそうにしてたら、なおさら楽しいですよね。
だから、楽しく学びましょう。
楽しく学べば身に着くものが自然と多くなるでしょう。
楽しく学ぶことを心掛けて、今日の残りの時間も頑張ってください。
それでは教室にお送りいたします。
それでは良い学校生活を”
アナウンスが止んだ。
教室に戻ってきた。
あまり話してないけど楽しかったなぁ。
なんとなく配信を見ているような感覚。
自分はあまり詳しくないことについて、他の人が楽しそうに話していると、自然と興味がわいてくるものだ。
どうしよう?
グミ、今度食べてみようかな?
まぁ、口に合わなかったら口に合わなかったでいいし。
最後に食べたのはもう5,6年も前だから、味覚が変わってもう食べられるようになってるかもしれないし、チャレンジしてみようかな。
皆があんなに楽しそうに話しているから、グミにチャレンジしてみたいと思った。
帰り、何かグミを買って帰ってみよう。
駄目だったら、母にあげればいいや。
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