毎日記念日小説

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8月22日 チンチン電車の日 1日ぶり

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いやぁ、楽しかったなぁ。
やっぱり楽しいな某ズニー。
いいね、平日にリフレッシュできるとか、最高だね。
良い時代になったもんだ。
それにしても、今日はやる気が違うね。
リフレッシュってやっぱり最高だわ。
今なら、どんな話題でも楽しめる自信がある。
ノープランでも行けるんじゃね?っていう全能感がすごい。
よし、今日もいっちょ頑張りますかぁ。
ルンルン気分で俺は、『雑談部屋』に入っていった。




今日もまた、白い空間に放り出された。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴った。


”シチュエーションの設定、人物選択、話題選択が終了しました。
これより雑談を始めます。”

やっぱりアナウンスが止んだ。
やはり、雑談部屋で一番無駄な時間なう。
AIはここを修正しないのだろうか?
やっぱ、修正しないかぁ。
修正してくれないかなぁ。
毎回同じこと思ってるなぁ。
ある意味、これがルーティーンみたいなところあるしなぁ。
そう考えると、意味があるのかなぁ?
再びアナウンスが鳴った。


”雑談所要時間は30分、盛り上がり等により自動で延長や短縮を行います。
シチュエーションは、『路面電車が通っている感じの道の歩道』です。
雑談に参加するメンバーは、『田中様』『九条様』『関様』『早川様』です。
決まった役職、役割等はございません。ご気軽に参加してください。
それでは雑談を始めさせていただきます。
今回の話題は『チンチン電車』です。
それでは楽しい雑談の時間をお過ごしください。”

アナウンスがやんで、光に包まれた。
チンチン電車か。
チンチン電車かぁ…
行けるか?…
さっきまでの自信はどこへやら、めちゃくちゃ冷静になっている俺がいた。
まぁ、知らなくはない。
けど、乗ったことはない。
イメージと、何かの作品に出てきたとかの知識でしか話せない。
体験はないけど、まぁ、それはないものねだりだし、しょうがないだろう。
これは、テーマを何か持って行った方が良い感じの話題なんじゃないだろうか?
テーマ…
よし、どういうシチュエーションで見る”チンチン列車”がかっこいいかとかでいいかな。
対策はこれくらいにして、覚悟を決めていくかぁ。
覚悟ができたようなタイミングで、光が収まった。


さっきまでの不安が吹き飛ぶくらい速攻で話が始まった。

「チンチン電車って何!!!」
「九条くん~チンチン電車はね、路面電車の別名なんだよ~」
「そうなんだ、教えてくれてありがとう、早川!!!じゃあなんでチンチン電車っていうの?!!!」
「チンチン電車っていうのは、ベルを使って車掌と運転手の間で合図を取っていたらしいんだよ、はい。その鐘の音が『チンチン』と鳴っていたから、チンチン電車なんだって、はい」
「そうなんだ!!!鐘の音でチンチン電車なんだ!!!下ネタとかじゃないんだね!!!」
「あんまりそういうことを直球で言うのは良くないぞ」
「あ、ごめん!!!」
「みんなって、路面電車とか乗ったことあります~?」
「私は、ないです、はい。人生で一度くらいは乗ってみたいです、はい」
「俺もないかもな。覚えている限りでは乗ってないと思う」
「俺もない!!!電車自体あんまり乗ったことないんだよな!!!親戚とかも皆この町だし、あんまり遠出しないんだよね!!!」
「みんなないんですね~。ちなみに私も乗ったことないんですよ~」
「路面電車って、今だとどこで走ってるんですかね?、はい」
「北の方だと、北海道に、西の方だと、大阪とか広島にあるみたいだぞ。昨日偶々特集で見たんだよ」
「へぇ、ちゃんと今でも路線残ってるんですね、はい」
「乗り心地とか気になるよね~」
「分かります、はい。今の電車とどう違うのか気になります、はい」



久しぶりに、怒涛な感じで話しが進んでいった。
復帰の時にこういうの多い気がするんだよなぁ。
もしかして、考えている暇がないのは、久しぶりで付いて行けないだけなのかな?
衰えてるってこと?
それだったとしたら、なんか悲しいなぁ。
偶々そういう日が多いだけで、衰えとか、なまってるとか、そういうのじゃないといいな。
それにしても、持って行った話題、使わなかったなぁ。
まぁ、一応持って行ったくらいだったから、使わないなら使わないでよかったんだよね。
チンチン電車で、なんでこんなに盛り上がってるんだろう?
話題の難易度をかぎ分ける、俺の嗅覚が鈍ったんだろうか?
まぁ、百発百中なんてことはないんだし、当たればいいくらいにこれからは思うようにしよう。
一人反省会をしているとアナウンスが流れた。


”29分11秒55が経過しました。お話の途中かと思いますが、教室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。




廃れていったもの、衰退していったものには、必ず理由があります。
人にも、廃れ、衰退があります。
廃れていった、その理由を教訓に、同じような理由で衰退していかないような人になりましょう。
その教訓を学ぶ場所が学校です。
常に波に乗っていられるよう、今日の残りの時間も頑張ってください。
それでは教室にお送りいたします。
それでは良い学校生活を”

アナウンスが止んだ。

教室に戻ってきた。
いやぁ、楽しかったなぁ。
楽しかったなぁ。
楽しかった。







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