Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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 楽しくおしゃべりをしながら、『ビックボスゴブリン』のいる場所へと向かっていた俺達は、北の門を出た。
 町の出入りの邪魔にならないぐらいまで進んだ後に、俺はクランのメンバー全員に向かって言った。

「町を出たから隊列を少し整えるぞ。なるべく戦闘職が外側で、生産職が内側になるようにしてくれ」

 俺の指示を受け、戦闘職組は俺を含め4人が、生産職組6人を守るように前後左右についた。
 前の担当は俺、後ろの担当はシルさん、右の担当は、コルドで、左の担当がローズとなった。
 これで、魔物を見つけたらすぐに対処できるだろう。
 『ビックボスゴブリン』のもとへと向かう道中でやられることなどないはずだ。
 前後左右に戦闘職を配置しただけで、未だ隊列が整っているとは言えない。
 なんとなくまとまって移動しているだけなので、横や縦にそろって並んでいたり、足先までそろえて更新したりなどは全くしていない。
 ただただ一緒に歩いているだけだ。
 それでも、戦闘職が外側にいればある程度はなんとかなるだろう。
 隊列を直してから少しして、ミヤネさんが言った。

「話変わるけど、シルさんは、なんでクランに入ったの?」

 確かに俺より後に集合したメンバーには、シルさんについて詳しく話をしていなかったな。
 よし、良い機会だから、どんどん聞いてくれ。
 まぁ、答えるのは俺じゃなくてシルさんだけど。
 これを機に仲が良くなってくれると良いな。
 特にβテスターじゃなかった天野さんとかと。
 シルさんは短く答えた。

「うちの弟達に誘われて」

 まぁ、そうだよな。
 その通りだ。
 俺達は声をそろえて言った。

「「「俺(私)達が誘いました!」」」

 受けてくれたら良いなぁと言う勧誘が毎回成功しているんだよな。
 ありがたいことだ。
 これから競合のクランがいくつも出てきたら、勧誘も簡単じゃなくなっていくのかな。
 どうなんだろう?
 ミヤネさんはへぇという顔をしつつ次の質問に移った。

「そうなのね。シルさんって確か弓士だったわよね」

 そうやって、どんどんシルさん事を掘り下げていってほしいな。
 そうすれば、他のメンバーもシルさんについて知ることが出来るし。
 と言うか、まだこのクランって、みんなで集まったのって今回を入れて2回なのか。
 これは後で、メンバー1人1人のことを集中的に掘り下げていく時間を作った方が良いのかな。
 お互いのことをあまり知らないメンバーもいるだろうし。
 1人1人質問攻めにして、正体を丸裸にした方が飯野かもな。
 その方が仲良くなれそうだし。
 よし、これはいつかやろう。
 まぁ、何か場所を作ってまとまって1人ずつ順番でやらなくても、こういう何かと何かの間の時間に、1人ずつ質問攻めにしていってもいいかもな。
 相互理解を深めていけば、より良い組織になるかもな。
 まぁ、知られたくないこと、話したくないことは話さなくても良いけどな。
 聞く側として、そこら辺の判断が出来ない人はこのクランにはいないだろう。
 そういう信頼はある。
 シルさんは頷きながら言った。

「そうだな」

 シルさんが弓士だとしたら何だというのだろう?
 次はどんな質問が飛ぶのかな?
 俺は、ミヤネさんの次の質問をわくわくしながら待った。
 ミヤネさんはすぐに言った。

「戦闘職が増えるのはありがたいわ。このクラン、やたらと生産職の割合が高いから、戦闘職は貴重なのよね」

 質問で来るかと思っていたけど違ったみたいだ。
 そっちか。
 だから、職業を確認したのか。
 まぁ、身内が褒められているのは素直にうれしいので、にっこりとしている。
 ササキさんがミヤネさんに続いていった。

「なぜか俺達は、生産職ばっかりだからな」

 どうやらシルさんに質問する流れは終わったみたいだ。
 自然と話題が切り替わったから一瞬気づかなかった。
 もうちょっとやっても良いんじゃないかなと思ったけれど、まぁ、これぐらいがくどくなくてちょうど良いのかもしれないな。
 うまく褒めて締めたのも良かったのかもな。
 ダイアさんがさらに続いた。

「素材を取りに行ったり、作ったものを使ってくれたり、護衛もしてくれる戦闘職の追加はありがたいな。まぁ、生産職の仲間が増えるのもそれはそれで、うれしいけどな」

 確かにうちのクランって、生産職の割合が高いよな。
 まぁ、それは俺が生産職にしか知り合いがいないからなんだよな。
 そもそも、野良でパーティーを組んだり、他パーティーと合同で依頼を受けたりしない限り、戦闘職の知り合いって出来ないよな。
 あぁ、あれがあった、戦闘職の人に戦い方を教えてもらうという選択肢もあった。
 まぁ、どれもしてこなかったから、今のところ戦闘職の知り合いは、身内以外にいないんだよな。
 俺達よりも、生産職組の方が、戦闘職の知り合い多そうだな。
 取引とかで関わりがあるだろうし、護衛とかを頼んでいるのかもしれないし。
 戦闘職の人の拡充をするときは、そっち側に紹介してもらう方が良いのかもな。
 俺が頑張って知り合いを増やそうとするよりは。
 シルさんが首をかしげながら言った。

「何でこんなに生産職の割合が高いんだろうな?」

 まぁ、シルさんならそう思うよな。
 だって、シルさんには、戦闘職の知り合いがいるのだから。
 戦闘職なのに、戦闘職の知り合いがいる側からしたら、不思議に思うよな。
 基本ソロだから、野良でパーティーを組むことのあるシルさんとは違って、こっちは身内でわいわい冒険をするタイプの戦闘職だから、戦闘職の人との輪が広がっていかないんだよな。
 なんとなく、仲間内で始めたゲームって野良に行きづらいんだよな。
 何でなんだろうな。
 1人で始めたゲームはガンガン知らない人と話したり、友達になったり出来るんだけど、仲間内と始めたゲームだとそうはいかないんだよなぁ。
 何でなんだろう。
 あれかな?
 初対面の人と頑張って話している姿を身内に見られたくないと無意識に思っているからとかなのかな。
 よくある、学校での自分の姿を親に見せたくないみたいな感じで、身内の前でいるときと、初対面の人と関わるときで少しスタンスを変えている姿を、身内に見られたくないという気も気があるから、身内と始めた~下無では野良に行きづらいのかな。
 なんとなくそんな気がしてきた。
 まぁ、これ以上考えたところで何かになるわけでもないし、考えるのは一旦これまでにしようかな。
 俺はそんなことを考えながら、堂々と答えた。

「俺がほとんど生産職にしか知り合いがいないからだな」

 誇ることではないな。
 俺は言いながらそう思った。
 まぁ、でも悪いことでもないよな。
 知り合いが生産職しかいなくて悪い事なんて何もないよな。
 そう思うことで、落ち着いていた。
 コルドは俺の発言にうんうんと頷いた後に、元気よく言った。

「俺達、他の戦闘職の人と一緒に戦闘したり、依頼をこなしたりしないからな!」

 その通り。
 その通りだ、本当に。
 だって、コルドとローズがいるから、他の人と組む必要がないんだもの。
 それに今はシルさんもいるし、ますます他の戦闘職と組む必要がないんだよな。
 ローズが言った。

「戦闘職の人との人脈がないのよね」

 まぁ、それは少し問題だよな。
 俺達だけでは対処できない事態になったときに知り合いがいないのは心細いな。
 まぁ、そっちの人脈は他の人に任せれば良いかもな。
 全て俺達だけで抱え込む必要はないよな。
 だって、もう俺達は同じくランの仲間なんだし。
 だから、戦闘職の人脈に関しては、他のみんなに丸投げしよう。
 ミヤネさんがへぇという顔をしながら言った。

「そうだったのね。まぁ、確かにあなたたちが、他の人たちと合同で何かしている様子があまり想像できないわね」

 そうでしょうそうでしょう。
 俺も想像つかないもん。
 と言うか想像したこともないからな。
 天野さんもそれに続いて言った。

「雰囲気的に、あんた達は、誰にでも気軽に話しかける陽気な子ではないね」

 そう、陽気な子ではないのです。
 まぁ、1人で始めたゲームでは簡単に話しかけるけどな。
 まぁ、そういうゲームでも陽気かと言われると、そうではないと思う。
 APOに関しては、全く陽気ではありません。
 ササキさんもうんうんと頷きながら言った。

「そうだな。陽気な人だったら、仲良くなってないと思うぞ」
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