Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

文字の大きさ
217 / 412

大移動 集合完了

しおりを挟む
 俺達は、楽しく6人でお話をしていた。
 話がかなり盛り上がってきたところで、突如肩を後ろからトントンと叩かれた。
 何だろうと思って振り返ると、そこにはミヤネさんがいた。
 ミヤネさんは、俺が振り返ったことを確認すると、気の抜けた声で言った。

「お久~」

 急に会話を中断されたこと。
 ミヤネさんが、突如現れたこと。
 ミヤネさんの挨拶が予想以上に気の抜けたものであったことなど、様々な驚きの要因のせいで、とっさに反応出来なかった。
 俺が反応出来ずにいると、ミヤネさんに声をかけられたことで、他の全員がミヤネさんに気づいた。
 いつからそこに?! と言う雰囲気になった。
 その雰囲気をぶち壊すように、けんけんぱさんがミヤネさんと同じぐらい気の抜けた声で返した。

「お久~」

 よく急にテンションをあわせられるな。
 素直に感心した。
 ミヤネさんは、俺達をキョロキョロと見回しながら言った。

「もうこんなにそろってるんだね。あと何人?」

 ドキッとなったり緩んだりしてあれていた場の雰囲気が一気に元に戻っていった。
 一瞬でなじめるのすごいな。
 コミュ力がすごいのかな?
 俺には出来なさそうだな。
 コルドが、右手を前に突き出し、3を示しながら言った。

「あと3人だな!」

 ミヤネさんが来たから後、3人か。
 まだ集合時間まで10分以上あるんだけどな。
 何でみんなこんなに集合が早いんだろう?
 ミヤネさんは、そうなのねと言いそうな雰囲気でうんうんと頷いた後言った。

「それならすぐにでも集まりそうね」

 俺もそんな気がする。
 あと数分で、全員集まって、予定が前倒しされそうな気がする。
 少なくとも遅刻をしそうな人はいないからな。
 ローズは大きく頷きながら言った。

「そうね」

 ミヤネさんはシルさんを見て固まった。
 どうしたんだろう?
 あぁ、そうか。シルさんがうちのクランに入ったことを知らないから、クランメンバーじゃない人がいると思って固まったのかな?
 ミヤネさんは、軽く首をかしげながら言った。

「あれ? 君は、えっと……シルさん?」

 どうやら、ミヤネさんは、ギリギリシルさんを知っていたらしい。
 まぁ、数日あわなかった知り合いってこんな感じだよな。
 思い出せただけすごいと思う。
 と言うか、よく思い出せたな。
 何度か話したことがある程度の間柄の人の顔を。
 シルさんは、しっかりとミヤネさんの方を見ながら言った。

「そうですシルです」

 シルさんが敬語だ。
 珍しい。
 何で敬語なんだろう。
 年上だから?
 ここはゲームなんだから無礼講で良いんじゃない?
 まぁ、最低限の礼儀は必要だけど。
 何で敬語なんだろう?
 距離を取ろうとしているのかな。
 まぁ、真意は分からないな。
 ミヤネさんは再び首をかしげながら言った。

「何でここにいるの?」

 聞きようによっては、壮絶ないじめの台詞にも聞こえるな。
 ミヤネさんにそんな意図がない事は分かっているけれど。
 シルさんはどう答えるのかな?
 わくわくしながら今度はシルさんの方を見た。
 シルさんはまたもや敬語で言った。

「今日からクランに入れてもらうことになりました」

 シルさんの敬語は珍しいな。
 俺達相手には絶対に敬語は使わないからな。
 まぁ、それはそうか。
 弟と弟分。弟と幼なじみ。
 敬語を使うような間柄ではないからな。
 逆に敬語を使われたら、俺達がシルさんをめちゃくちゃ怒らせたのかと思ってしまうからな。
 ミヤネさんは、へぇという顔をした。
 その後手を前に差し出しながら言った。

「そうなんだね。よろしく」

 シルさんは、ミヤネさんと同じように手を出し、握手をしながら言った。

「よろしくお願いします」

 うまく行ったみたいだな。
 良かった良かった。
 仲間内に1ペアでも険悪な人たちがいるとやりづらいからな。
 仲良く出来ているみたいで良いな。
 ミヤネさんは握手の手を離した後に言った。

「敬語じゃなくて良いよ、同じクランの仲間なんだし」

 まぁ、そうだよな。
 仲間から敬語で話されていると距離を置かれた感じがするよな。
 もしかして嫌われているのかもと思うよな。
 俺がミヤネさんの立場だったとしても、敬語じゃなくて良いというと思う。
 と言うか、一種の定型文だよな。敬語じゃなくて良いよって。
 シルさんはすぐに返事をした。

「分かった」

 おぉ、思ったよりもあっさり切り替えるんだな。
 もしかして、最初の印象を良くしよう、最初の話をスムーズに進めようの敬語だったのかな。
 そこまで考えられている敬語だったのかな。
 そうだとしたら、かなりの策士だな。
 もしくはかなりのコミュ力だな。
 俺がシルさんのコミュ力に感心していると、後ろから声をかけられた。

「かなり盛り上がってるみたいだけど、あれ? もしかして僕遅れちゃった?」

 このパターンはさっき経験した。
 だから、大丈夫、驚くな、驚くな。
 驚くと体が止まってしまう。
 突如背後から声をかけられる。
 このパターンは、クランのメンバーだな。
 俺は経験を元に成長しているのだ。
 そう何度も驚かない。
 たとえ気を抜いていたところで背後から声をかけられたとしても。
 俺は冷静に考える。
 声色から言って、クジョウ君かな?
 俺の予想は、クジョウ君1点張り。
 そう思いながら振り返るとそこには、もしかして遅刻したかもと不安そうな表情のクジョウ君がいた。
 俺は冷静さを保ちながらクジョウ君に声をかけた。

「あ、クジョウ君も来たんだ。大丈夫、ここの人たちが早く来すぎただけだから」

 クジョウ君は不安そうな表情を引っ込め、ほっとしていた。
 よし、うまく冷静に乗り切れた。
 冷静に考えると、何度経験しても、気を抜いているところに急に背後から声をかけられると怖いよな。驚くよな。
 怖がらないとか、驚かないとか、そっちの方面に努力するよりは、怖がって驚いたとしても、それを表情や行動に出さずに、冷静さを保っているように見せることを頑張った方がいい気がするな。
 次からはそっちを努力しよう。
 クジョウ君は、安堵を前面に出した声色で言った。

「そうなんだ。それなら良かった」

 じゃあ、さっさとクジョウ君も加えて、楽しくお話をしようかな。
 そうすれば、すぐにでも残りの2人も来るだろう。
 クジョウ君が来たことに気づいてこっちを見ていたササキさんが言った。

「あと2人か」

 後はダイアさんと天野さんだな。
 雰囲気的に時間にルーズそうではないな。
 まぁ、そもそもまだ、集合時間の10分以上前なんだけどね。
 みんなが早すぎるんだけどな。
 気を抜いて少し下の方を向いていると、突然声をかけられた。

「もう大分集まってるんだな」

 顔を上げると、ダイアさんがいた。
 びっくりした。かなりびっくりした。
 びっくりしすぎて、飛び上がるかと思った。
 まぁ、気を抜いて少し下の方を向いていたのが悪いんだけどな。
 前さえ見ていれば、ダイアさんが来た事なんてすぐに気づけていただろうに。
 背後からじゃなくても、気を抜いているときに声をかけられるとかなりびっくりするな。
 いや、少しタイミングが遅かったら、クジョウ君を会話の輪の中に入れるために、みんなの方を向いていただろうから、また背後からだっただろうな。
 それよりは、顔を上げたらいた方がまだ良いな。
 背後からって本当に驚くからな。
 これより驚くものはなかなかないな。
 ササキさんはちゃんと前を見ていたからなのか、特に驚くことなく言った。

「ダイアも来たか」

 けんけんぱさんが言った。

「後は、天野さんだけだね」

 その発言のすぐ後に、天野さんがログインしてきた。
 ログインしてきた天野さんが言った。

「あら、私が最後? 遅れちゃったかしら。それならごめんなさいね」

 これで全員集合か。
 最後怒濤のラッシュだったな。
 途中心臓に悪い展開もあったが、全員集合できて良かった。
 俺はそう思いながら言った。

「いや、大丈夫だぞ! まだ集合時刻まで5分以上あるからな!」

 天野さんはそうなのねという顔をしながら言った。

「そうなのね。それなら良かったわ」

 全員集合したし、時間まであと5分強、10分弱あるけど移動するか。
 ここで集まって話していてもしょうがないしな。
 それに、話なら道中でたくさん出来るだろうし。
 俺は一通り考えた後に言った。

「これで全員集合したな。集合時間より早いけど、全員いるし、移動開始するか」




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します

miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。 そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。 軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。 誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。 毎日22時投稿します。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

処理中です...