Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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4人の帰路 シルさんとけんけんぱさん

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 俺達は、楽しくおしゃべりをしながら、『始まりの町』に向かっている。
 この分だと、もう少し時間がかかりそうだな。
 このゲーム、今のところ移動手段が、徒歩か、町と町の間の馬車しかないから、移動が大変なんだよなぁ。
 騎乗できる動物とか出てこないかな。
 まぁ、移動時間にこうして楽しくおしゃべりできているから、良いんだけどな。
 と言うか、シルさんと会ってから、ここまでずっとおしゃべりしてない?
 出会ってから、狩り場に行くまで、狩りをしながら、狩り場から、『ビックボスゴブリン』のところまでの移動、『ビックボスゴブリン』戦中、『ビックボスゴブリン』戦後、帰路。
 ずっとおしゃべりしているな。
 こんだけ話しているのに未だ話す話題がなくならないのってすごいな。
 そんなことを考えながら、俺は、シルさんに次の質問をした。

「じゃあ、次はけんけんぱさんは知ってる?」

 けんけんぱさんはどうだろうなぁ。
 ササキさんは、ポーションで、ミヤネさんは、アクセサリー類で関係があったけど、けんけんぱさんとは、何かあるのだろうか?
 弓って、木製だしな。
 金属を扱うけんけんぱさんの領分じゃないよな。
 となると、矢かな。
 矢って鏃に鉄とかを使うはずだし、そこら辺で関係があったとしても不思議じゃないな。
 なんとなく、つながっていそうな気がするな。
 今までの感じだと。
 シルさんは聞き返した。

「けんけんぱさん?」

 シルさんは、またピンときていないようだ。
 これはもしかしてパターンに入ったんじゃないかな?
 ここで、ローズが説明して、シルさんがピンとくるというパターンに入ったんじゃないか?
 と言うことは、これはかなり期待ができると言うことかな?
 これは、知り合いって事なのか?
 わくわくしながら俺は、ローズの説明を聞いた。

「けんけんぱさんは、男性のプレイヤーよ。職業は、鍛冶士をしているわ。話しかけやすい雰囲気のあるいい人よ」

 うん、相変わらず良い説明だと思う。
 俺がやるよりも良い説明だと思う。
 さぁ、シルさんはどんな反応をするんだ?
 そう思いながら俺はシルさんの方を向いた。
 シルさんは、前回前々回と同じく、何か思い出したような顔をした。
 と言うことは確定か?
 確定演出か?
 俺は、期待を大きく膨らませた。
 かなりわくわくしていると、シルさんが言った。

「あぁ、知ってはいるけど、話したことはないと思うよ」

 これは、どういう判定なのかな?
 とりあえず、いつも通りのルートではないことは確定だな。
 その上で、これは知り合い判定なのかな?
 微妙なところだ。
 詳しく聞かないと判断できないな。
 シルさんに詳しく聞こうとしたところ、同じタイミングでコルドが言った。

「どういうことだ?!」

 シルさんは、少し考える仕草をした後に、丁寧に説明するように言った。

「弓って、金属武器じゃないから、直接の関わりはなかったんだよね。僕の矢はNPCのところから買ってるからそっちでも関わりがなくてね。だから話したことはないんだよね」

 へぇ、シルさんの矢はNPCから買ってたんだ。
 それは、まだプレイヤーが矢を作れるレベルにないとか、プレイヤーから買うよりも安くて良いものをNPCからかえるからとか何かな?
 俺が思いつく理由はそれぐらいだな。
 これは、もしかして、初の知り合いじゃない判定なんじゃないかな?
 初の判定出ちゃう?
 出ちゃう?
 うーん、もう少し聞いてから判定を出したいな。
 話していないだけで顔見知りとかあるかもしれないし。
 友達の友達ぐらいの距離感の奴で、直接話したことはないけど、何度か同じ場にいるような奴とか、そういう知り合いの可能性もあるし。
 もう少し聞いてからにしようかな。
 俺は、追加で気になっていたことを聞いた。

「それならなんで知っているの?」

 話したことがないのに知っている。
 関わりがないのに知っている。
 と言うことはどういうことなんだろう?
 俺が考察したような、絶妙な距離感って事なのかな?
 もしくは、ただの風の噂で、プレイヤー名を知っているだけなのかな?
 どっちなんだろう?
 シルさんは、軽く言った。

「生産職のプレイヤーって大体が有名だったんだよ」

 と言うことは、後者かぁ。
 と言うことは、初の、知り合いではない判定だな。
 さすがに、βテスターの全員が全員知り合いというわけではないんだな。
 まぁ、1000人の知り合いとかはそれだけで大変そうだし、こういうこともあるよな。
 初の知り合いじゃない判定に、テンションを上げたり下げたりしていると、ローズが言った。

「それまた何でなの?」

 確かに、知り合いか知り合いじゃないかの判定に気を取られていて気にしていなかったけど、生産職のプレイヤーが有名ってどういうことなんだろう?
 それはそれで気になるな。
 俺は、知り合いか知り合いじゃないかという思考から切り替えて、シルさんの回答を待った。
 シルさんは、考える仕草をして、少し考えた後、丁寧に説明するように言った。

「まぁ、β版の時は、生産職の人口がそもそも少なかったからな。みんな戦闘職をやりたがって、生産職の人は100人ちょっとぐらいしかいなかったんじゃないかな? 1つの職業は10人前後ぐらいだったから、あの職業と言ったらあの人とあの人みたいなのが大体分かってたんだよ」

 確かに、1分野10人弱、それが10分野なら、全員がある程度有名になっても不思議はないな。
 1人1人が有名にあるぐらい、どこも需要でいっぱいだったって事なのかな?
 まぁ、10人いて、10人全員が、供給に貢献していたわけではないだろうから、有名になったのは、その内の供給に貢献していた7人8人ぐらいなんじゃないかな?
 となると全体で70人から80人ぐらいか。
 そのぐらいの人数なら有名になっていても、名前を知られていても不思議はないか。
 少ない人数で、需要をカバーしていたなら感謝とか尊敬もされていただろうし。
 そもそも、ポーションと言えば、あの人あの人みたいなのは情報として必要だっただろうしな。
 そういうもんなんだろうな。
 俺は、自分の中でなんとなくかみ砕いて納得した。
 納得したことを示すために言った。

「そういうことなんだな」

 ついでにうんうんと頷いておいた。
 すると同じタイミングで、ローズとコルドも頷いていた。
 2人とも自分なりに理解したんだろうな。
 コルドはいつもの口調で言った。

「9対1ぐらいの比率だったんだな!」

 俺なら9の方に行っちゃうな。
 生産職も楽しいだろうけど、世界初のフルダイブVRMMOで広大なフィールドに冒険に出ずに町中で作業するという選択肢にはならないな。
 そう考えると、生産職に言った人たちはすごいな。
 俺には出来ないことだな。
 そういう人に支えられているんだな。
 ありがたや、ありがたや。
 俺は、素直に思ったことを言った。

「まぁ、俺がβテストに選ばれていたとしても、戦闘職をやりたがっただろうな」

 βなんて特に、戦闘職だろうな。
 何かあっても、正規版で職業を変えれば良いんだし、一番やりたい戦闘職をやるだろうな。
 生産職が悪いとか言うことではなく、俺は、戦闘職を選ぶなと言うことだな。
 と言うか、今戦当初を選んでいるような人たちは大体、βテスターの時も同じように戦闘職にするだろうな。
 そもそも、正規版の戦闘職と生産職の割合ってどれぐらいなんだろうな?
 ローズも俺に同意するように頷きながら言った。

「それはそうね」

 そうだな、ローズが生産職を選ぶ姿はあまり想像できないな。
 シルさんは軽く笑いながら言った。

「まぁ、僕は実際それで戦闘職をやったんだけどね」

 コルドは自信満々に言った。

「同じ状況になったら、多分俺もそうする!」

 まぁそうだろうな。
 いつでも駆け出しそうな雰囲気があるからな。
 これを室内のとどめるのはとても難しいだろうな。
 シルさんは、突然思い出したように行った。

「けんけんぱさんかぁ。いい人だって、β版の時のパーティーメンバーが言ってたよ」

 あの人いい人だよな。
 本当にそう思う。
 話しやすいし。
 人当たりも良いし。
 コルドは、まるで自分が褒められたかのようにうれしそうにしながら言った。

「そうだよな! あの人いい人だし! 俺に鍛冶を教えてくれたし!」








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