Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

文字の大きさ
上 下
156 / 193

シルさんと狩り LUKの話

しおりを挟む
 俺達は、楽しくおしゃべりしながら、シルさんとローズがどんどんちょっかいをかけて、押し寄せてくるゴブリンを切っていた。
 シルさんが、言った。

「そこから、3日目までずっと同じルーティーンだよ。まぁ、いまだにLUKが一番高いんだよね」

 シルさんは、LUKが一番高いのか。
 俺が今一番高い能力値ってどれだっけ?
 STRかな、それか、AGIだったかな。
 確認してみるか。
 俺は、メニューからステータスを開いた。
 ステータスを横目で眺めながらも、目の前のゴブリンを切った。
 ステータスを確認すると、ダブルスコアぐらいの差でSTRだった。
 なんでこんなに、AGIが高い印象があったんだろう?
 まぁ、AGIが2番目ではあるんだけど。
 あれかな?
 ステータスアップのスキルを、初期でAGIとSTRを取ったから、その印象が強いのかな?
 まぁ、俺の一番のステータスは、STRってことだな。
 2人の一番高い能力値って何なのだろう?
 まぁ、ローズはさすがにINTだろう。
 他をめちゃくちゃ伸ばす必要がないからな。
 強いて言うなら、趣味でLUKを伸ばしていたな。
 俺は、前にローズのステータスを見せてもらった時を思い出しながら考えた。
 俺は、ローズのステータスを思い出しながら、目の前のゴブリンに、『回転切り』をした。
 『回転切り』で、3匹のゴブリンを巻き込んだ。
 コルドは、シルさんと同じで、初期の極振りの影響が残っているだろうから、STRだな。
 AGIとかが追い上げていると思うけど、まぁ、STRだろうな。
 ステータスは、極振りするより、少しとんがっているぐらいがちょうど良いよな。
 俺は心からそう思うよ。
 バランス型の良さを噛みしめながら、目の前のゴブリンに『ウォーターランス』を当てた。
 その間に、ローズがシルさんに聞いた。

「街歩いたりとかはしなかったの?」

 確かに、さっきのシルさんの話を聞く限り、ずっと、戦っているのか、自分を強化しているのかの2択だったな。
 まぁ、戦闘職は、戦闘がメインのゲームだから、間違っているわけではないけど、このリアルな町を探索したくならなかったのかな?
 俺は、なったから町をいろいろ歩いたな。
 今のところ、町に買い物以外で重要そうな要素はないけれど、探索をしたくなっちゃうんだよなぁ。
 そう思いながら目の前のゴブリンを切る。
 町に新しいコンテンツが追加されたり、誰かによって新要素が発見されたりするのかな?
 まぁ、そうなったとしても、コルドとか周りの人から情報が入ってこなければ、俺の元にそういう情報が来ることはないだろうな。
 シルさんは、記憶を探りながら話しているみたいな声色で言った。

「まぁ、死亡後のデメリット期間に軽く観光とかはしたかな」

 へぇ、シルさんも死んでるんだ。
 ふぅんと思いながら、目の前のゴブリンを切る。
 デスペナの間はまともに狩りもできないだろうから、町でぶらぶらするのはよく分かる。
 俺も、デスペナの間は町でできることやるか、ログアウトするかの2択だったな。
 そうか、シルさんも死んでるんだ。
 なんか親近感がわいてきたな。
 なんだかんだ、効率よくプレイしているみたいだったから、死んでいないのかと思ってた。
 俺はわくわくしながらシルさんに聞いた。

「ちなみに初日から通して、何回死んだんだ?」

 シルさんは、少し間をおいて、答えてくれた。
 開いた間で死んだ数を数えていたのかな?

「2回かな」

 2回か。
 そういえば、俺って何回死んだんだろう?
 まず、初日。1回目は、MPK。続いて、2回目は、西の森。3回目は、徘徊ボス。えっと、2日目。4回目は、『ビックボスゴブリン』。
 他はないよな?
 脳を総動員して、記憶を探る。
 記憶を探りながらも、目の前のゴブリンに『ウィンドランス』を当てる。
 どうやらないみたいだ。
 と言うことは、俺のデス数は、4だな。
 シルさんより多いんだな。
 そう思いながら、目の前のゴブリンに『スラッシュ』を当てる。
 俺は、自信満々で言った。

「俺の方が多いな」

 俺は、そのままのテンションで、目の前のゴブリンを切った。
 続けて、目の前のゴブリンに、『ウィンドバレット』を当てた。
 シルさんが聞いてきた。

「オクツは何回なの?」

 よし、さっき数えておいてよかったな。
 俺は、テンポよく胸を張って言った。

「俺は、4回だな」

 みんながクスッと笑った。
 俺は笑われながら、目の前のゴブリンを切った。
 後ろからローズにツッコまれた。

「それは自慢することじゃないわよ」

 まぁ、確かに自慢することではないな。
 シルさんに買っているところを見つけて反射的に自慢したけど、よく考えると、自慢することじゃないな。
 まぁ、笑いを取ったんだし良いか。
 そう思いながら、目の前のゴブリンを切った。
 コルドは、ローズの言葉に同意しながら、目の前のゴブリンを殴っていた。

「そうだな!」

 まぁそうだよな。
 そう思いながら目の前のゴブリンを切った。
 続いてコルドが、シルさんに聞いた。

「最初に、スキルオーブを買うのに金とかは大丈夫だったのか?」

 確かにそうだな。
 スキルオーブってそれなりの額したよな。
 スキルオーブをいくつか買ったら、ポーションとか矢とか他のものをまともに買えないと思うんだけど、そこのところ、大丈夫だったのかな?
 俺は疑問に思いながら、目の前のゴブリンを切った。
 大変だったなぁと言いたげな声色で、シルさんは言った。

「最初の狩りで得た素材と初期資金でギリギリだったよ。最初はいくつかのステータスに絞って買ったからギリギリ買えたよ。まぁ、ポーションとか、矢とか、他の装備とかを我慢して、最優先で買ったからなんとかなったよ」

 なんとかなるもんなんだな。
 まぁ、最低限必要ないくつかに絞れば行けるのか。
 俺が感心している間に、ローズが言った。

「あのスキルオーブの値段と、南の草原の魔物の相場から言ってギリギリよね」

 するとシルさんが、仲間を見つけたと言いたげな声色で聞いてきた。

「3人もスキルオーブ屋にいってるの?」

 あの店に行くのってそんなに珍しいのかな?
 もしくは、使っているものを同じところで買ってると分かるとテンションが上がるあれかな?
 そのシルさんからの問いに俺が代表して答えた。

「スキルオーブを買ったり、ガチャしたりしているぞ」

 シルさんはテンション高めに言った。

「そうなんだ。あの店良いよね」

 やっぱり、同じところのものを使っていると分かるとテンションが上がるあれだ。
 なんて名前がついているのかは知らないが、あれだ。
 ローズが、シルさんの発言に同意する。

「そうね。いい店よね」

 あの店良い店だとな。
 店主もいい人だし。
 フットワーク軽いし。
 ガチャもあるし。
 かなりの優良店だよな。
 俺は、あの店を褒めながら、目の前のゴブリンを切った。
 コルドがシルさんに聞いた。

「矢はどうやって無理をしたんだ?!」

 俺も気になってた。
 そもそも矢ってどういうシステムなんだろう?
 シルさんは、テンションを元に戻し、易しく説明してくれた。

「矢に関しては、LUKのおかげで節約できたんだよ。矢の回収率は、LUK依存らしくて、LUKによって何%かが戦闘後に自動で回収されるんだよ。まぁ、状況によっては、回収ができない状況もあるけどね。燃やされちゃったり、踏み潰されたりしたら」

 へぇ、LUK依存なんだ。
 知らなかったな。
 と言うことは、LUKと弓士って思ったよりも相性が良いのかもな。
 ローズも知らなかったと驚いている声色で言った。

「LUKってそんなところに影響してたのね」

 ローズの話を聞きながら俺は、目の前のゴブリンを切った。
 コルドも知らなかったみたいで、驚きながら言った。

「矢って、自分で拾いに行くとか、使い捨てじゃなくて、%で戻ってくるんだな! 知らなかった!」

 俺も、感想を言った。
 感想を言いながら、目の前のゴブリンを切った。

「LUKは、クリティカルと節約用なんだな」

 おすすめの節約術を勧めるみたいな声色でシルさんは言った。

「LUKが高いおかげで、矢はかなり節約できてると思う。まぁ、LUKが高くて良かったと感じるのは、それと、クリティカル率だけだよ。スキルオーブ屋のガチャは、リアルラック依存だから、ステータスのLUKは機能しないらしいんだよ」

 ガチャって、LUK関係ないんだ。
 知らなかった。
 『器用貧乏』みたいな、良いスキルが出たのは、LUKのおかげだと思ってた。
 知らなかったなぁ。
 そう思いながら目の前のゴブリンに『ウィンドバレット』を当てる。
 ローズも知らなかったようで、すごく驚きながら言った。

「え?! あれってLUK影響しないの?」

 シルさんはそうだよね! 問い痛げな声色で言った。

「そうなんだよ。騙された気分だよ」

 ここまでの話をまとめるようにシルさんが言った。

「回収率も、クリティカル率もLUK依存だから、そこら辺の効率はいいのかもね。まぁ、でも、他よりもLUKが高い分には、ありがたいところはあるけど、LUK極振りは、効率は最低だよね」



しおりを挟む
「いいね」「お気に入り登録」「しおり」などもお願いします!感想も書いていただけると嬉しいです。
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜

八ッ坂千鶴
SF
 普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。  そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……! ※感想は私のXのDMか小説家になろうの感想欄にお願いします。小説家になろうの感想は非ログインユーザーでも記入可能です。

VRゲームでも身体は動かしたくない。

姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。 身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。 当作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結次第、一日一話投稿致します。

後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~

夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。 多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』 一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。 主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!! 小説家になろうからの転載です。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く

オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。 しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。 農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ! ※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル
SF
 これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。 ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。 βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?  そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。  この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

処理中です...