Alliance Possibility On-line～ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた～

シルさんと狩り 道中中

　俺達は、噴水の広場を通り抜けて、北の街道へと向かう。
　その道中も、楽しくお話をする。
　なんかあまりゲームの中にいる感じがしないな。
　何でだろう？
　楽しくおしゃべりしながら歩くという、同じような状況が、現実で何度も行われているからかな。
　まぁ、ゲームっぽかったとしても、ゲームっぽくなかったとしても、楽しいのだから問題ないな。
　シルさんが首を軽くかしげながら言った。

「ちなみに3人ってレベルいくつなの？」

　レベルか。
　レベルかぁ。
　確かにそこら辺の話してないな。
　と言うか、俺達の職業とかって、シルさんには伝わってるのかな？
　そもそも、俺達の情報ってどれぐらいシルさんに伝わってるのかな？
　コルドはどれぐらい話しているのだろう？
　気になるなぁ。
　まぁ、とりあえず、レベルに関しては伝わってなかったみたいだな。
　この感じで行くと、伝わっているのは、職業がギリなんじゃないかな？
　それぐらいだと思う。
　それ以上の話は伝わってないんじゃないかな？
　戦い方とか。
　出来事はもうちょっと伝わっていそうだな。
　話しやすいからな。
　〇〇を倒したとか、〇〇をした、みたいなことはある程度伝わっていそうだな。
　夕食とかの時に話していそうだな。
　そんなことを考えながら、シルさんからの質問に答えた。

「あぁ、レベルか。俺は、Lv.12」

　シルさんはとても驚いた顔をした。
　予想以上にレベルが高かったのかな？
　予想の2，3コ上を行かれたみたいな顔だな。
　シルさんは俺のレベルをいくつぐらいだと思っていたのだろう？
　10前後なのかな？
　まぁ、後で聞いてみよう。
　俺に続いて、2人も答えた。
　ローズは、少し自慢げに言った。

「私も、Lv.12よ」

　そんな自慢げに言っても、既に1回俺の時に全力で驚いているんだからそんなに驚かないでしょ。
　そう思いながら、シルさんの方を向くと、シルさんはまた新鮮に驚いていた。
　すごいな。
　そんなに驚くところじゃないのに、ローズの期待にこたえてそこまで驚けるってすごいな。
　シルさんがめっちゃ驚いたのを見て、ローズはとても満足げにしている。
　コルドは、シルさんに向かって褒めてと言う雰囲気を出しながら言った。
　俺は、シルさんがどんな反応をするのだろうとわくわくしながら聞いた。

「俺も、Lv.12だ！」

　シルさんは、また新鮮に驚いていた。
　シルさんってすごいな。
　俺は心の底からそう思った。
　そして、シルさんは、頑張ったなと言いたげな目をしながら言った。

「みんなレベル高いね。4日目の朝で、Lv.12ってかなりのハイペースだね。徹夜とか、無理してプレイしてない？　大丈夫？」

　Lv.12ってハイペースなんだな。
　戦闘職で、他に比べる人がいなかったから分からなかったけど、かなりハイペースなんだな。
　知らなかったな。
　まぁ、『クランの町フラッグ』への到達とかいろいろやってるから、高い方だとはなんとなく思っていたけど、改めて言われると気分が良いな。
　褒めて褒めてと言う顔をしていたコルドも、まんざらでもなさそうだ。
　褒められてうれしいんだろうなぁ。
　とても幸せそうな顔をしている。
　コルドは、その幸せそう中のままで言った。

「徹夜とかはしてないぞ！」

　ローズもまんざらでもなさそうに言った。

「楽しくやってるだけよ」

　褒められてすぐうれしそうな顔をするのは、2人の良いところだよな。
　俺も人のことを言えるほど表情を抑えられないんだけどな。
　俺も、自信を持って言った。

「好き勝手やってたら、Lv.12になってた」

　まだ、まあ先が長そうだな。
　最近、サクサクレベルアップして、すぐにレベル上限になっちゃうゲームとか、サクサクレベルアップしすぎてレベルのインフレがすごいことになってるゲームとかが多かったから、こうゆっくり成長していくゲームは新鮮で良いな。
　まぁ、この速度だとしても、人間の成長速度としては異常なぐらいのハイペースなんだけどな。
　シルさんは俺達の話をうんうんと頷きながら聞いて、安心した顔をして言った。

「そうなんだ。それなら安心だな」

　シルさんがそう言ったところに、間髪入れずに、今度はコルドが聞き返した。

「ちなみに、兄貴は、レベルいくつなんだ？！」

　確かに、シルさんのレベルを知らないな。
　スタートダッシュを失敗したことだけは知ってるけど、具体的なレベルは知らないな。
　もしかしたら、北の街道に来るには早いレベルかもしれないな。
　いや、でも、朝から晩までゲームをやるような人だから、さすがにそのぐらいのレベルはあるよな。
　『ビックボスゴブリン』を倒せるレベルがあるかどうか分からないけど。
　レベルいくつぐらいなんだろう？
　10前後とかなんじゃない？
　まぁ、10前後がどれぐらいすごいのか分からないけどな。
　シルさんは軽く言った。

「僕は、Lv.9だよ」

　Lv.9か。
　それって高いのかな？
　分からないな。
　どれぐらいからが高レベルなんだろう？
　俺のレベルに関しての知識は、さっきシルさんが言った、Lv.12はかなりのハイペースという情報しかないからな。
　こういうときは本人に直接聞いてみよう。
　俺は、シルさんに聞いた。

「それは高い方なの？」

　シルさんはうーんと軽く考えた後、丁寧に説明するように言った。

「かなり頑張ってる方だと思うよ。最初のステータスの割り振りをミスったから、スタートダッシュが悪かったけど、そこからは頑張ったよ」

　Lv.9ってかなり頑張っている方なんだ。
　俺達がLv.9だったのって、初日の終わりから、『ビッグラビット』戦の前ぐらいだよな。
　あの辺りかぁ。
　ボスと戦わずに、ソロで狩りをするならそれぐらいなのかもな。
　俺達は、ボスを周回することで一気にレベルを上げたから、ボス戦をしてなかったら、Lv.9辺りから急激に成長が鈍っていただおうな。
　Lv.9とか、Lv.10辺りからのレベルの成長の鈍化ってすごいよな。
　その辺りからスキルの方が相対的にかなり上がりやすくなったよな。
　ソロで、スタートダッシュをミスったのなら、それぐらいなのかもな。
　俺ももしソロだったら、それぐらいだと思う。
　やっぱパーティーって良いよな。
　効率が良い。
　今度は、コルドが真剣に驚いていた。

「そうなんだな！」

　俺は、他の戦闘職を知らないから、自分の位置を知るのに、シルさんの情報ってかなりありがたいな。
　ありがたやぁ、ありがたやぁ。
　心の中で拝んでおいた。
　コルドは、驚きが収まると続けてシルさんに聞いた。

「兄貴ってさ、前衛弓？　それとも、後衛弓？　もしくは、偵察弓？」

　あぁ、それも聞いてなかったな。
　前衛だと前衛3に後衛1だから、若干バランスが悪くなるのか。
　後衛弓だといいな。
　パーティーのバランスを考えると。
　でも、ソロでやるなら、後衛弓より前衛弓だよな。
　前に盾になってくれる人がいないんだもんな。
　なら、シルさんも前衛弓なのかな。
　まぁ、シルさんが前衛でパーティーとしてのバランスが悪くてもなんとかなるだろ。
　前衛弓ってどういう動きをするのかなぁ。
　自分たちとは違う職業の人の動きを見るのって楽しそうだな。面白そうだな。
　楽しみだなぁ。
　シルさんは軽くうーんと顎に手をやって考えた後、丁寧に説明をしてくれた。

「1人の時は、前衛弓でやることが多いよ。でも、後衛とか、偵察ができないわけではないよ。誰かとパーティー組むときとかは、後衛をやることもあるよ。偵察が必要なぐらいの大規模なパーティーには基本的に参加しないから、APOでの経験はあまりないよ」

　やっぱり普段は前衛弓なんだな。
　ソロプレイで弓ってかなり大変そうだよなぁ。
　上級者向けだよなぁ。
　後衛弓もやったことがあるのか。
　というか、パーティーを組んだこともあるんだな。
　APOを始めてから、初対面の人と即席のパーティーを作ったことないな。
　野良で活動してないな。
　他のゲームとかだと野良をメインにすることがあるけど、APOは、コルドとローズといるから、わざわざ野良で組まなくても良いんだよな。
　野良かぁ。
　時間があったらやってみようかな。
　まぁ、当分は基本は3人で動くだろうけど。
　APOの野良って何をやるのかな？
　特定のクエストがあるわけでもないからな。
　依頼を一緒に受けるとかなのかな？
　それは、なんというか、トラブルが起こりそうな匂いがするなぁ。
　というか、前衛弓も、後衛弓もできるのってすごいな。
　コルドは、シルさんの説明を聞いてうんうんと頷いている。
　コルドは頷き終わると、シルさんに言った。

「なら、後衛弓やってくれ！」