Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

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シルさん登場 連絡

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 ササキさんは祈るように言った。

「まぁ、あいつらも、そいつとそのファン達が何か変なことをやらかさないでほしいと心から祈っていると思うぞ」

 みんなが楽しくAPOができますようにと俺も願っておこう。
 会話が落ち着いてきたことを感じた俺は、ササキさんに言った。

「そうなんですね。ポーションも手に入れたし、俺達は修行に行ってきます」

 時刻を確認すると、今は、8時15分。
 結構いい時間だな。
 顔合わせが始まったのが、7時半前で、顔合わせが終わったのが、8時ぐらい。
 ササキさんともう15分も話しているのか。
 結構話したな。
 話し足りない気もするけれど、それは次回かな。
 コルドとローズの方を見ると、2人とも大きく頷いている。
 2人もそろそろ修行と思っていたのだろう。
 ササキさんは、聞いてきた。

「修行はどこでやるんだ?」

 そういえば、まだ修行場所を決めてなかったな。
 どこが良いかな。
 まぁ、話し合って決めることだから、俺の独断で決めることではないな。
 それとその前に、シルさんの件もあるし。
 その後に話し合えば良いかな。
 俺派素直に言った。

「あ、まだ決めてなかったな」

 コルドがそれに続いていった。

「まぁ、ギルドを出つつ決めよう!」

 そうだな。
 歩きながら話せばいいいか。
 まぁ、その前にシルさんの件だけどな。
 もしかして、シルさんの件忘れているんじゃないだろうな?
 少し怪しいな。
 俺は、ササキさんに挨拶をして、退室する。

「じゃあ、ササキさん。また後で」

 ササキさんは、退室していく俺達に手を振りながら言った。

「おう! おまえ達も修行頑張れよ」

 応援してもらえると力が出る気がするな。
 修行(内容未定)を頑張ろう
 俺達は声をそろえて答えた。

「「「はい!」」」

 俺達は、作業室から退室した。
 扉が完全に閉まり、3人だけになった。
 とりあえず俺達は、作業場から出るために歩きながら話した。
 まずコルドが聞いてきた。

「どうする、この後修行何する?!」

 ローズもノリノリで乗っかっていった。

「何を倒しに行きましょうか?」

 こいつら、やっぱりシルさんの件忘れているだろ。
 シルさんに連絡するのを忘れているだろ。
 確か、顔合わせの前にコルドが、顔合わせが終わったら連絡するって言ってたよな。
 修行が楽しみすぎて忘れてるのかな。
 もしくは、連絡よりも修行を優先すると暗に言っているのかな?
 ローズの問いにコルドがノリノリで返した。

「『ビックボスゴブリン』かな?! 『ビックボスゴブリン』だよな?!」

 やっぱり忘れてるよな。
 そうだよな。
 ただ忘れているだけだよな?
 まぁ、分からないことはとりあえず聞くに限るな。
 俺は2人に向かって言った。

「その前に、シルさんに連絡を入れなくて良いのか? 確か、顔合わせが終わったらシルさんに連絡するって言ってなかったっけ?」

 すると2人はしばらくぽかーんとした。
 あぁ、これは完全に忘れていた奴だ。
 そんな話し合ったっけ? の顔だ。
 忘れてたんだろうな。記憶にないんだろうな。
 そして、記憶をたどって、顔合わせ前の時の発言を思い出したのか、あぁ、そういうこともあったなと感心した顔をした。
 その顔をしたままコルドが言った。

「あ、そういえば、そうだったな! 顔合わせが終わったら、兄貴に連絡するんだった! 完全に忘れてた!」

 コルドは素直に忘れていたことを認めた。
 ローズは、元から分かってましたよみたいに取り繕った顔をして言った。

「じゃあ、そっちが最初ね」

 話の流れが一気に、修行どこ行こうから、シルさんの件にシフトチェンジした。
 シルさん、どんな感じになってるのかな。
 見た目とかも全く想像できないな。
 コルドは、テンション高く言った。

「兄貴、今、用事とかあるのかな?!」

 コルドより早くログインしてるみたいだし、今頃は狩りに出てるのかな?
 それとも誰かと会ってるとかなのかな?
 さすがに何もやることがないからひなたぼっこしているとかではないと思うけど。
 そんなことを考えながら俺はコルドに向かって言った。

「メッセージなんだから、用事があるなら後で読むだろ」

 コルドは、確かに! と驚いたような顔をした。
 まさか、そこまで考えてなかったのかな?
 コルドが言った。

「じゃあ、とりあえずメッセージ送るよ!」

 どんどん送れ。
 メッセージを送らないと始まらないからな。
 ローズが首をかしげながら聞いた。

「なんて送ったの?」

 確かにどんな文面を送る気なんだろう?
 まぁ、兄弟間の会話に口を挟む気はないけど、どういう文章を送るのか気になるな。
 コルドはさらっと答えた。

「今日空いてる時間ある?! って送ったぞ!」

 コルドっぽいな。
 それで問題ないと思う。
 俺は素直に感想を言った。

「シンプルだな」

 ローズは、純粋に聞いた。

「理由とか言わなくてよかったの?」

 コルドはそれに、楽観的に答えた。

「まぁ、大丈夫だろ! シンプルな方が読みやすいし、聞き返したくなるはずだし!」

 まぁ、シンプルなのは何も問題はないんじゃないかな。
 必要な情報があったらあっちから聞いてくるだろうし。
 要件が見やすいし、別に悪い選択とは思わないな。
 ローズもふーんという顔をして言った。

「まぁ、それなら良いわ」

 ローズの一応は納得しているみたいだ。
 そうだ。メッセージっていつ返信が来るか分からないんだよな。
 その間何をしてよう。
 修行かな?
 でも、修行に出ちゃおうと戻ってくるのが大変になるんだよな。
 もし、早めに返信が来るのなら、なるべく町中にいた方が良いんだよな。
 ただ、全然返信が来ないなら、修行に出ちゃった方が良いこともあるしな。
 どっちがいいんだろう?
 俺だけだと判断できないな。
 2人に聞いてみるか。
 俺は、そのまま2人に聞いた。

「返事が来るまでの間どうする?」

 コルドは、質問に対して質問で返してきた。

「そもそも、どれぐらいで返事が来ると思う?!」

 シルさんの返信速度か。
 俺の中のシルさんはあまり返信が早いタイプじゃないんだよな。
 昼食とか、夕食とかのタイミングでまとめて返しているような感じがするんだよな。
 俺のメッセージに対する返信は、だいたいそれぐらいのタイムラグがあるからな
 俺は、自分の中のシルさんがどれぐらいで返信するのかを想像しながら答えた。

「うーん。昼前にはくるんじゃない?」

 コルドは言った。

「ということは、あと4時間弱くらいか!」

 12時まで後4時間弱もあるのか。
 改めて言葉にすると相当長く感じるな。
 やっぱり、早起きは3文の得だな
 今度はローズが自分の予想を言った。

「私は、1時間ぐらいで返事が来るんじゃない? シルさんって、既読スルーとか、未読スルーとかはしないタイプでしょ?」

 あれ? 俺のシルさん像となんか違うな。
 俺は、経験から、まとめ返す人だと思っていたけど、ローズは違うみたいだな。
 そしてそれにコルドも続いた。

「確かに、兄貴は連絡をこまめに返すタイプだな!」

 あれ? もしかして俺、シルさんに嫌われているのかな?
 もしくは、雑に扱われているのかな?
 俺の連絡に対しては大抵の場合は数時間おいてから区切りの良いときに返事が来るんだけどな。
 どういうことなんだろう?
 俺は頭の中の混乱を抑えつつ言った。

「なら、割とすぐに返事が来るかもな」

 コルドが補足情報をくれた。

「でも、何かに集中し出すと、全く返信が来ないことも多いぞ!」

 なら、俺は、集中しているタイミングに連絡を入れていると言うことなのかな?
 俺が雑に扱われている以外の可能性を考えるとしたら、それになるだろう。
 まぁ、さすがに俺がシルさんと連絡のタイミングの相性が悪いだけで、俺の連絡は数時間は無視して良いと思われているわけではないよな。
 俺は、俺の連絡に対する返事がいつも遅いことを、俺がいつも集中してるタイミングに連絡を入れてしまっているという理由だと思い込むことにした。
 これ以上これについて考えるのは止めよう。
 何か見てはいけないことを見つけてしまうかもしれないから。
 知らなければ幸せのままでいられることを、知ろうとは思わない。
 そう決意している間に、ローズは言った。

「確かにそのタイプよね」

 ハハッと無理矢理軽く笑いながら言った。

「俺は、そのタイミングに当たっていることが多いみたいだな」

 コルドはにっこりと笑いながら言った。

「だから、オクツには、兄貴がこまめに返すタイプってイメージがないのか!」

 俺はそれを食い気味で肯定した。

「そうだと思うぞ」









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