Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

文字の大きさ
上 下
98 / 193

始まりの町で、『第2陣開始、前夜祭』『第1陣、最高決定戦』告知雑談

しおりを挟む
 俺は、謎の空間から出て、APOにログインした。
 見たことある景色だな。
 プレイヤーが町の中にいっぱいいる。
 ということは、どうやら、ちゃんと『始まりの町』にこれたらしい。
 俺は、馬車乗り場らしき建物の前、門の近くにログインした。
 ここはどの門なのかな?
 東西南北のどこの門なんだろう?
 なんとなく北な気がするんだよな。
 位置的に、『始まりの町』の北側に、『クランの町フラッグ』があるから、馬車が入るとしたら、北側だと思うんだよな。
 『乗合馬車』の中でログアウトしたから、どこでログインするのか少し不安があったけど、無事に『始まりの町』に来れたらしい。
 今俺がいるのが、『始まりの町』のどこなのかを確認するためにメニューからマップを開いた。
 俺は、どうやら『始まりの町』の北門近くにログインしたらしい。
 場所の確認を終えて、メニューから顔を上げると、目の前に、コルドがいた。
 俺と目が合った瞬間、コルドが言った。

「お! やっと、来たか!」

 すっと、コルドの後ろからローズが出てきた。
 そして俺たちを先導するように立って、言った。

「噴水の広場に行きましょう」

「はーい」

 俺たちは、歩いて、噴水の広場まで向かった。
 半日ぶりの『始まりの町』は、すごく懐かしく感じた。
 プレイヤーがたくさん居る町中を歩く感覚をなんとなく思い出しながら、噴水の広場へと向かった。
 途中コルドが、他のプレイヤーとぶつかりそうになっていた。
 久しぶりすぎて、うまい歩き方を忘れちゃったのかな?
 それ以外は順調に進んで、すぐに噴水の広場に着いた。
 俺たちは、ベンチに座って話し出した。

「イベントがあるらしいな!」

 2人は、俺より早くログインしてたっぽいけど、告知イベントは見たのかな?
 さすがにそんなに早くログインはしていないのかな?
 5分10分で、さすがに戻ってこないか。

「2人は、告知、リアルタイムで見たのか?」

 まずは、コルドが自信満々に言った。

「見てないぞ! 食休みとかの時間だったと思うぞ!」

 そんなに自信満々に言うことなのか?
 まぁ、コルドが自信満々なのはいつものことか。
 今度は、ローズの答えを求めてローズの方を向いた。
 ローズは、少しだけ悔しそうに言った。

「見てないわ。ご飯中だったわ」

 まぁ、そうだよな。
 6時20分ぐらいにログアウトして、6時30分のイベントには戻ってこれないよな。
 10分弱で、ご飯を済ませてログインし直すなんて難しいよな。
 少なくても10分15分かかるよな。
 ちなみに今の時間は、6時50分だ。
 ということは、2人もあの空間に行ったってことだよな。
 亜突然あの空間に飛ばされると不安になるよな。

「じゃあ、謎の空間で確認したの?」

「そうだな! キャラ設定の時と同じ部屋でウィンドウを見たぞ!」

「私もそうね」

「突然、あの空間に飛ばされて、不安にならなかった?」

「「めっちゃなった」」

 2人が激しく頷きながら言った。
 そうだよね。
 あれ、めっちゃ不安になるよな。
 俺は、一応確認するぐらいのつもりで言った。

「『第1陣、最高決定戦』参加するよな?」

 コルドは、当たり前だろと言いたげな顔で言った。

「もちろん!」

 ローズも、わざわざ聞かなくてもいいと言いたげな顔で言った。

「当然ね」

 俺は、2人の返しを聞いて思わず声を上げた。

「よし!」

 これを確認できたら、後は当日楽しむだけだよな。
 楽しみだな『第1陣、最高決定戦』。
 俺が『第1陣、最高決定戦』ヘの期待で胸を膨らませている間に、コルドが言った。

「どれぐらいちゃんとウィンドウ読んだ?! 俺は、どうせ3人で読むと思って流し読みしかしてないんだけど!」

 会話の主導権が、コルドに移った。
 まぁ、別に気にするようなことではないな。
 コルドは、思っていたとおり、告知を流し読みしたらしい。
 3人で読むだろうからあまり真剣に読まなさそうだと思ったんだよ。

「私はちゃんと読んだわ」

 へぇ、ローズはちゃんと読んだんだ。
 意外だな。
 コルドと同じで、雑に読み飛ばしているのかと思った。
 後で3人で読むんだし、時間の無駄、みたいな感じで読み飛ばしているのかと思ってた。

「俺は、部門別詳細は、あまり見てないけどそれ以外はちゃんと読んだぞ」

 コルドが不安そうに言った。

「じゃあ、3人で読まない感じ?!」

「コルドが読んでいないなら、3人で読みましょう。まぁ、元々3人で読み返すつもりだったわ」

「そうだな。俺も、部門別をちゃんと読めてなかったし、俺も3人で読み直すだろうなと思ってたぞ」

「じゃあ、今夜の予定は、告知を読み直してから、クランの勧誘だな!」

「「了解」」

 今夜の予定が流れで決まった。
 流れで決まってよかった。
 いつもなら予定を決めるついでにいろいろな雑談をして、結局決めるまでかなり時間がかかっちゃうからな。
 雑談のついでに今夜の予定が決まってよかったな。

「じゃあ、告知読んでいくか! 真ん中に座っているし、俺が、告知を開くぞ!」

「それならもっとよった方が良いかしらね」

「じゃあ、ちょっとそっちに寄るぞ」

 俺たちは、コルドのウィンドウに顔を寄せ合って、もう一度、『第2陣開始、前夜祭』の告知と、『第1陣、最高決定戦』の告知を読んだ。
 適当に3人で話しながら、告知を読んだ。

「『第1陣、最高決定戦』も楽しそうだけど、地味に『第2陣開始、前夜祭』の方も楽しみだな!」

「町にどんな飾り付けがされるのかな?」

 APOで今まで見た、祭っぽいものと言ったら、『クランの町フラッグ』の大樹の広場の屋台ぐらいだな。
 あれが町中で行われる想像をしたら、祭りっぽいかな。
 それで想像してみよう。
 俺は、町中が彩られる様子を想像しながら言った。

「『クランの町フラッグ』の大樹の広場の雰囲気が、町全体に広がる感じなのかしらね」

「かなり楽しみだな!」

 それから、告知の画面を見ながら、楽しくおしゃべりをした。
 しばらくそれを続けたら、告知を読み終わった。
 俺たちは、告知のウィンドウを閉じて、変わらず雑談をする。

「『第1陣、最高決定戦』のどの大会に出たいとかあるか?」

「俺は、『魔物討伐最高決定戦』だな! イベント用の敵が気になるし、何より楽しそうだからだな! 同じ理由で、『ボス討伐最高決定戦』も気になっているぞ! それ以外の、どのイベントも楽しそうだと思うぞ!」

 『魔物討伐最高決定戦』か。楽しそうだな。
 専用の魔物が出るみたいだし、戦いがいがありそうだな。
 協力してみんなでできそうだし、やりたいな。

「私は『個人戦闘最高決定戦』ね。APOを始めてから、対人戦をやっていなかったから、やりたいわ。後は、『職業別戦闘最高決定戦』と『パーティー戦闘最高決定戦』も同じ理由で気になっているわ」

 対人戦か。
 APOだと、DQNを相手に戦ったやつ以外だと、対人戦していないのか。
 確かに、MMOなんだし、対人戦もしたいよな。
 俺たちってどれぐらい強い部類に入るんだろう?
 『ビッグボスゴブリン』とかを最速で倒しているし、結構良いところまで行けるんじゃないかな?
 2人のやりたいことを聞いて感心しつつ、俺のやりたいことを2人に伝えた。

「俺は、『ボス討伐最高決定戦』かな。コルドと同じで、イベント用の敵がどんな感じなのか気になるし、パーティーで楽しめるし。後は、同じ理由で、『魔物討伐最高決定戦』かな。あとは、パーティーで出れる『パーティー戦闘最高決定戦』も気になるかな」

 ローズが良い感じにまとめてくれた。

「1日中やる大会みたいだし、全部回っちゃいましょう」

「そうだな! それがいいな!」

「全部気になるしね」

 それからしばらく、告知の内容について、雑談をした。
 話すこともだんだんとなくなり、話も落ち着いてきた頃、コルドが言った。

「じゃあ、そろそろ、勧誘の方に行きますか!」





しおりを挟む
「いいね」「お気に入り登録」「しおり」などもお願いします!感想も書いていただけると嬉しいです。
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜

八ッ坂千鶴
SF
 普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。  そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……! ※感想は私のXのDMか小説家になろうの感想欄にお願いします。小説家になろうの感想は非ログインユーザーでも記入可能です。

VRゲームでも身体は動かしたくない。

姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。 身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。 当作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結次第、一日一話投稿致します。

後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~

夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。 多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』 一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。 主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!! 小説家になろうからの転載です。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く

オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。 しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。 農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ! ※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル
SF
 これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。 ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。 βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?  そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。  この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

処理中です...