Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

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『クランの町フラッグ』観光 北の監視等を目指して 雑談マシマシ

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 俺たちは、マージュさんの家具屋を出て、北にある監視塔を目指して歩き出した。

「北の監視塔に行くぞ」

 早く監視塔に行きたいという思いから、俺は2人を先導するように前に出た。
 北の大通りってどうやって行けばいいんだっけ?
 えーっとまずは、どの方向に行けばいいんだっけ?
 俺が、立ち止まって右に左にと、キョロキョロしていると、ローズが前に出て言った。

「まずは大通りに出ましょう」

 ローズも大通りへので方が分からなかったようで、キョロキョロし出した。

「一旦、端によって作戦会議をしよう」

 このままでは、通行の邪魔になると思ったので、俺たちは道の端の方によった。
 もちろんどこかの店の前とかではなく、路地裏に入り口に集まった。
 それも、路地裏の入り口を完全に塞がないように、さらに建物沿いによった。
 他のプレイヤーはまだこの町に到達していないのに、ここまで配慮をしてから、俺たちは話しだした。

「北の大通りって、あの角を右だっけ?! 左だっけ?」

「来たときは、左に曲がったから、右だと思う」

 身振り手振りを交えて、考えながら話をしていく。
 あの角をこう曲がってきたから、逆にこっちから行くときは、こっちを曲がるんだよな。
 えっと、あってるよな。
 一応確認作業をしておこう。

「多分そうだったわ」

「じゃあ、こっちに行くか」

「大通りに行くまでは、集中していこう」

 そう言って、動き出そうとしたところで、コルドがつぶやいた。
 コルドのつぶやきのボリュームは、俺たちが普通に話すよりも少し大きいぐらいの声量だった。

「このゲームって、マップ機能ってあったっけ?!」

 マップ機能か。
 使ったことがあるような。このゲームじゃなかったような。どっちだっけ?
 えっと、画像として、地図をもらったことはあったから、マップ機能もあるんじゃないかな?
 今、確認していないから分からないけど。
 マップ機能がなかったとしたら、地図はどうやって受け渡ししていたんだろう?
 俺も、ローズとかに地図を送った記憶があるから、マップ機能はあると思うんだよな。

「どうだったかしら?」

 メニューからマップ機能があることを確認せず、記憶を頼りにあることを自分の中で確定させようとしていたところ、素早く、メニューから確認をしたコルドが言った。

「マップ機能があるみたいだぞ! 今まで歩いた道の辺りは記されているぞ!」

 まぁ、あるよな。
 使った記憶があるもん。
 マップを使った記憶が、すっと思い出された。
 ないはずないよな。
 横着せずに確認しておけばよかったかな?
 まぁ、コルドが確認してくれたからいっか。

「じゃあ、それを見ながら大通りに行こう」

 よく今まで、町中でマップを使わずにやってこれたよな。
 俺は、道を覚えるのがかなり苦手だから、迷子になりそうなものなのにな。

「じゃあ、俺がマップを見ておくから、人とぶつからないようにサポートよろしく!」

「「りょうかーい」」

 コルドが、マップとにらめっこをしながら道を伝えて、その両脇を俺とローズで固めることで、コルドが人とぶつからないようにサポートしながら歩いた。

「よし、後はまっすぐ行くだけだな」

「じゃあ、マップを閉じるな」

 そう言って、コルドがマップから顔を上げた。
 俺たちは、やっとの思いで北の大通りまで出てきた。
 これでもう迷わないだろう。
 それからは、楽しく雑談しながら、北の大通りを歩いた。
 もちろん、人に当たらないようにや、人に迷惑をかけないようになど、最低限の配慮はしつつ、楽しく雑談をしながら歩いた。

「始まりの町にクランの勧誘に行くとき、誰が誰のところに行く?」

「まぁ、まず、オクツだけの知り合いの面々は、オクツが直接行くんだよな!」

「それはそうだな」

 コルドはうんうんと大きく頷きながら言った。

「私たちの共通の知り合いは、ミヤネさん、ササキさん、けんけんぱさんの3人よね」

「誰が誰を担当する? それとも全員で行く?」

「それぞれ担当を決める方が良いと思うぞ! 全員で行っても誰かが代表で話すだけだしな!」

「じゃあ、生産に挑戦した時に、それぞれが教えてもらった人に行くのはどう?」

「それが一番収まりが良いな」

「それでいいぞ!」

「じゃあ、私が、ミヤネさんね」

「俺が、けんけんぱさんだな!」

「俺が、ササキさんと、残りの面々だな」

 ササキさん、天野さん、ダイアさん、クジョウくんの4人か。
 みんな夕食後にログインしているといいな。
 良い感じに回れるかな?
 調薬組が、ひとまとまりだったら、すごく話しに行きやすいな。
 みんな受けてくれるかな?
 今日中に回りきれるかより、そっちの方が不安だな。
 まぁ、受けてくれなかったとしても、今後の関係に亀裂が入るわけでもないんだし、気楽に行こう。
 そう自分に言い聞かせた。

「妹たちに関しては、夕飯の時にでも言っておいてちょうだい」

「了解」

「うちの妹にはいっておくべきか?!」

 コルドの妹か。
 第3陣以降だから、始めるまでもうちょっと時間があるな。
 どっちの方が良いのかな?
 先に伝えといた方が良いのかな?

「どうする?」

「言っておいていいんじゃない? どうせ始めたら勧誘するんだし、そもそも、私たちの勧誘に乗るのか、妹たちのグループ全体で話し合うと思うし」

 確かに、ふみと樹璃ちゃんが入るなら、いっしょにAPOをやるグループの子たちは、うちに入るよな。まぁ、もしかしたら、妹たちで話し合った結果残りのメンバーが始めるまでは入るとかの条件になるかもしれないな。

「じゃあ、言っておくぞ! 覚えていたらな!」

 それからも、楽しく雑談をしながら、北の大通りを進んでいった。
 雑談に夢中で、コルドが通行人に当たりそうになったりしたが、順調に北の大通りを進んでいった。
 俺は、通り沿いの飲食店を見て気になったことを、ぽろっと言った。

「あの店、もうしまっているんだな」

「まだ、6時前よね」

「食べ物系のお店っぽいし、大樹の広場に屋台を出しに行っているんじゃないか?!」

「あぁ、そうかもな」

「ありえるわね」

 俺は、大樹の広場を出てから、今まで通りがかった飲食店をなんとなく思い出した。
 その飲食店が開いていたかどうかを頭の中で検索する。

「確かに、途中で見かけた飲食系のお店は、大体閉まっていたな」

「3時にはもう閉まっていたのかな?!」

「そうなんでしょうね」

「特殊な営業の仕方だな! この町の特色ってやつなのかな!」

「人が大樹の広場に集まっているのか、なんとなく人通りも少ないわね」

「そろそろ夕飯時だしな」

「飲食系以外のお店もそろそろ店じまいという雰囲気を出しているわね」

 異世界系の作品だと、夕方には店が閉まる描写があるよな。
 APOは世界観的に異世界系の作品と似ているし、日没前に店を閉めちゃうのかな?

「中世の世界観だし、日没後は店を開けないのかもな」

「蝋燭とか照明が高いのかもな!」

 そういえば、始まりの町で、ゴミ拾いとかしていたときも、町の店は大体閉まっていた気がする。
 この町だけじゃなくて、全体でそういうことになっているのかな?
 すごいリアルな設定だな。
 深夜勢に取ったらたまったもんじゃないだろけど、かなり設定が作り込まれているんだな。
 改めて、本当に違う世界に来ているみたいだな。

「そういえば、始まりも町も、ギルド以外は、夕方には店じまいをしていたな」

「始まりの町での買い物は、ギルドの露店をメインに使っていたから、あまり気にならなかったわね」

「そうだな」

「露店を使っていたから、今まであまり気にならなかったのか!」

 雑談をしていただけで、『店の閉店の時間』と『マップ機能』、気にしてなかったことに2つも気づけたな。予定も決まったし、かなり実のある雑談だったんじゃないかな?
 しばらく歩いたところで、ぼんやりと、塔のようなものが見えてきた。
 俺は思わず興奮気味に言った。

「あれか?」

「あれじゃないか?!」

「あれだと思うわ」

 監視塔は、門の横に、そびえ立っていた。
 かなりの存在感を放っている。
 高さ的には、大樹には負けているが、町を囲う壁の倍の高さはありそうだ。

「南の門にも同じ監視塔があったんだよな? 気づかなかったな!」

「アナウンスとか、新しい町に来たという興奮とか、インパクトのある大樹とか、結構な人の流れとか、意識を向けるところが多すぎて、監視塔まで意識が回ってなかったのかもな」

「確かにそうね。後は、内側からだとこんなに存在感があるけど、外側からだとあまり存在感があるようには見えないということもあるんじゃない?」

「そうだと思うぞ!」

「じゃあ、早速行ってみるか」

 俺たちは、監視塔の根元へと向かった。
 門とは逆側の監視塔の根元に来た。
 わくわくしながら、監視塔に近づいていった。
 監視塔の入り口の脇に門番のように立っている兵士に話しかけられた。

「何用ですか?」













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