Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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クランの話 設立完了!

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 ギルドのカフェは、後払いで届けてく入れるタイプではなく、先払いでその場で商品をもらうタイプだった。
 こっちの方が、回転率は良さそうだな、
 カフェエリアを何か買わずに利用するのはどうかと思って、俺たちは、飲み物を注文した。
 おのおの飲み物を片手にカフェエリアの椅子に腰掛けた。

「書類に書くこと決めていくぞ」

「「はーい」」

 俺たちは、時々飲み物を飲みながら、書類の内容を決めていった。

「まず、クランの名前どうする?」

「卍最強卍とかどう?! シンプルだろ!」

「どこがシンプルなの?」

「何に影響されたんだ?」

「最近、漫画で見た必殺技の一部!」

「却下ね」

「却下だな」

 いつも通りのネーミングセンスなコルドの提案は早々に却下をくらった。
 俺は、コルドに続いて、思いついたクラン名を言った。

「じゃあ、オクツのオに、ローズのロ、コルドのコで、オロコってどうだ?」

「そうね、ちょっと、ないわね」

「うーん、ダサい!」

「却下ね」

「却下だな!」

 俺も案も雑に却下をくらってしまった。
 いつものことだけど、ちょっと悲しいな。

「そうか……」

 俺たちが何か名付けをするときは、大体ローズの出した案が採用される。それは、コルドと俺にネーミングセンスが全くないからだ。
 まぁ、センスがないんだから仕方がないよな。
 本命のローズが、案を出してきた。

「ファーストでどうかしら。いろんなものに一番最初に取り組んでいくことと、何事も一番を目指していくこと。この2つの意味があるわ。それに、『ビッグラビット』も、『ビッグボスゴブリン』も、『クランの町フラッグ』も、最初にやって、ワールドクエストを進めてきたのは、私たちなんだし、ファーストってぴったりの名前じゃない?」

 すらすらと何個も理由が出てくるのがすごいな。
 俺とか、コルドみたいになんとなくで言ってるわけじゃないんだろうな。
 さすがローズだな。
 悔しいけど、これは『ファースト』だな。

「良いと思うぞ!」

「あぁ。シンプルで良いな」

「2人とも賛成みたいだし、私たちのクランの名前は、『ファースト』ね」

 俺たちの設立するクランの名前は、『ファースト』に決まった。
 反対意見もなく、スムーズに決まった。
 続いて、次の決め事。

「じゃあ、次は、設立目的だな。何かアイディアはあるか?」

「『この世界を仲間と楽しむため』とかでどうだ?! 戦闘も生産も冒険も何でもやりたいから、これぐらいふわっとしてた方が俺たち的には良いんじゃないか?!」

「良いと思うぞ」

「私も良いと思うわ」

 設立目的は一発で決まった。
 スムーズに話が進むと楽で良いな。
 ぱっと良い案が出せるなら、ネーミングの方もなんとかなりそうなもんなんだけどな。
 不思議だな。

「じゃあ、設立目的は、『この世界を仲間と楽しむため』だな!」

 じゃあ、次の決め事。

「じゃあ、最期に、活動方針だな。これは後から変えることもできるらしいぞ」

「『無理のない範囲で、APOを楽しもう』でどうかしら?」

「良いと思うぞ」

「俺もそれでいいと思う!」

 これまたストレートに決まった。
 名付けの時がなんだったんだと思うようなスピード感で話し合いが進んでいった。
 名付けを最初からローズに任せていればよかったのかな?
 でも、苦手なことでも挑戦していかないと、成長しないしな。
 別に俺が意見を出すことも間違ってないよな。
 これで、決めなきゃいけないことは全部だな。
 俺は黙々と、書類に入力していった。

「よし! できたぞ」

 入力が完了し、提出する書類が完成した。
 その頃には、みんな手持ちの飲み物がからになっていた。

「じゃあ、早速出しに行きましょう」

 俺たちは、クランカウンターまで戻ってきた。
 先ほどと同じ職員さんに話しかける。

「先ほど渡された書類を書いてきました」

 そう言って、書類を職員さんに渡した。
 職員さんは、書類を受け取ると、書類を確認しながら言った。

「書類の確認をしますね」

 しばらく、緊張しながら待った。
 職員さんは、無言で書類を眺め続けている。
 職員さんが、書類を読み終えたのか、視線をあげた。
 職員さんは視線をこちらに向けていった。

「書類に不備はなさそうですね。この書類を受理いたします。クラン設立の最終ステップです。本拠地はどこにしますか?」

 本拠地の場所の指定ができるの?!
 驚きながら俺は聞き返した。

「場所を選べるんですか?」

「特定の場所を選ぶことはできませんが、大まかな場所を選ぶことはできます。例えば、ギルドの近く、城壁の近く、大樹の広場の近くなどを選ぶことができます」

 へぇ、大まかになら場所を選べるんだ。
 選べるんだったら、どこにでも行きやすい、大樹の辺りかな。
 俺は、後ろを振り返って、2人に確認した。

「大樹の近くで良いか?」

「「いい(ぞ!)(わ)」」

 2人も同じ意見だったのか、ノータイムで返事が返ってきた。
 前に向き直り、職員さんに向かっていった。

「大樹の広場の近くで」

「大樹の広場の近くですね。了解しました。こちらが、『ファースト』の本拠地の地図なります」

 そう言って、職員さんが地図を渡してきた。
 俺は軽く地図を確認した。
 どうやら、大樹の広場沿いの北にある建物らしい。
 ここっていつから使えるのかな?
 長く使ってなくてホコリがたまっているとかあるのかな?

「ここは、いつから使えますか?」

「手続きが完了したら、すぐに使うことができます」

 すぐ使えるんだ。
 へぇ。
 そういえば、鍵とかはないのかな?
 鍵がなかったら、どうやって防犯をすればいいの? ってことになるよな。
 そこのところどうするんだろう?

「本拠地の設定が完了したため、クラン設立の手続きが終了しました。クラン『ファースト』が正式に設立されました。皆さんの、ギルドカードを一度預からせていただきます」

 そう言われたので、俺たちは、職員さんにギルドカードを渡した。
 職員さんは俺たちのギルドカードを受け取ると、何か作業を始めた。
 これでクラン設立なのかぁ。
 あまり実感がないな。
 もしかしたら、本拠地とかに行ったら実感が湧くものなのかな?
 これでクランマスターかぁ。
 いいように担がされてるだけな気がするけど、気にしない気にしない。
 作業を終えた職員さんが、俺たちにギルドカードを渡しながら言った。

「ギルドカードに、所属クランを追加しておきました」

「クランの活動を頑張ってください」

 職員さんがそういったタイミングで、アナウンスがなった。
 誰かが、ワールドクエストでも達成したのかと思って聞いたら、俺たちのことだった。


 プレイヤーがワールドで始めて、クランを設立しました。
 クランに称号『最古のor最初の』が贈られました。


  ワールドクエスト『新しき世の風』『第一章 一つの島から』『第一節 英雄の旅路をなぞって』『第二話 仲間を集めて』が達成されました。


 これで、ワールドクエストを進めるのが3つめだな。
 もしかしたら、気づいていないだけで俺たち以外の人たちもワールドクエストをどんどん進めているのかな?
 それなら、俺たちが3つも進めていることが納得いくんだよなぁ。
 もしかして、ワールドクエストってそこまで難しいことじゃないのかな?
 俺は、ギルドカードを受け取ると、振り返っていった。

「こっからどうする?」

「とりあえず、本拠地に行きましょう!」

「そうだな!」

 俺たちは、本拠地に向けて歩き出した。
 とりあえず行ってみたいよな。
 本拠地はどんな建物なんだろう?
 掃除とかされているんだろうか。
 どんなないそうなのかな? 家具とか置いてあるのかな。
 どんな景色が見えるんだろう。
 楽しみだなぁ。
 俺たちは、ギルドを出て、クラン『ファースト』の本拠地へと向かった。

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