Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

文字の大きさ
上 下
67 / 193

『ビッグボスゴブリン』リベンジ 第一ゴブリンの群れ退治

しおりを挟む
 ローズよりも後ろまで来た頃、300,400m先に10匹のゴブリンの群れが出現した。
 何もないところから急に現れたのだ。
 構成は前回の『ビッグボスゴブリン』戦の時に戦った10匹と同じ、 棍棒を持っているやつが、4匹、盾を持っているやつが、2匹、弓を持っているやつが、3匹、杖を持っているやつが、1匹。
 どこかから呼んでいるものだと思っていたから、何もないところに急に現れて驚いた。
 俺は、そのままゴブリンの群れの方に走り続けた。

 今回は、遠距離攻撃手段に鉄球が加えられた。
 何を使おうかな?
 遠距離なら、魔法と鉄球どっちがいいかな?
 魔法の方が射程があるよな。
 鉄球の方が威力があるんだよなぁ。
 でもなぁ、鉄球だと、20球投げたら、最初の1球目を投げてから3分のクールタイムがあるんだよなぁ。
 鉄球を20球投げるのにどれぐらい時間がかかるんだろう?
 1球に5秒もかからないかな。
 それなら20球だと100秒、1分40秒かからないぐらいになるのかな。
 それだと、1分20秒もクールタイムがあるのかぁ。
 長いなぁ。
 魔法はクールタイムが短いんだよなぁ。
 ほんの数秒だからなぁ。
 でもなぁ、威力がなぁ。
 あ、なんで俺は、魔法か鉄球かのどちらかだけ使うことにこだわっていたんだろう?
 両方使えばいいじゃないか。
 鉄球のクールタイム中に、魔法を投げたり、同時にやるなんてしたりすることもできるかもしれないなぁ。
 よし! 柔軟に両方使っていこう。
 最初は鉄球からかな。
 『生命変換』とか『チャージ』とか、一緒に使いたい準備が必要なスキルもあるし。

 ゴブリンの群れの先頭との距離が200mぐらいになったところで足を止めた。
 俺は、まず『生命変換』を使い、HPを180消費し、5分間STRを18あげて、135にした。
 消費したHPを回復するために初心者HPポーションを飲みながら、『チャージ』のための時間に入った。
 『チャージ』スキルの溜めの途中にポーションが飲み終わり、HPが全回復した。
 これで安心して戦えるな!

 ゴブリンの群れが、魔法の射程範囲に入ったがまだ攻撃はしない。
 俺は魔法ではなく、鉄球での攻撃をしようとしているため、まだ攻撃はしない。
 俺は、ゴブリンの群れをじっと見つめる。
 一挙手一投足見逃さないように、意識をゴブリンの群れの方に向ける。

 『チャージ』のため時間が終わった。
 ゴブリン達との距離もちょうど鉄球が当たるぐらいだ。
 俺は、思いっきり鉄球を投げた。
 1球目が当たるのを確認する前に2球目、3球目を投げた。
 『投擲』と『サイドスロー』の補正もあり、まっすぐ飛んで行った。
 前回の作戦である、”山なりに投げて後衛から始末する”を完全に忘れていたため、鉄球は、 普通に前衛の棍棒持ちゴブリンに当たった。


 防御貫通! 337ダメージ


 1球で前衛の棍棒持ちのゴブリンを1体倒した。
 そのまま2,3体ゴブリンを巻き込んでくれたらよかったけれど、統率のとれているゴブリン達は、巻き込まれることは回避していた。
 『チャージ』を使っているから結構な威力になっているな。
 防御貫通までつくのは、オーバーキルなんじゃないかな?
 『チャージ』などの技系のスキルの効果がのっていない、通常攻撃の2球目に防御貫通が乗ればよかったのにな。
 2球目が、違う前衛の棍棒持ちのゴブリンに当たった。


 クリティカル! 427ダメージ


 今度も1球で1体を倒した。
 すごい威力出るなぁ。
 造ってくれた、けんけんぱさんには感謝だな。
 今度は、クリティカルが入った。
 1球で倒しきれるとかなりうれしいな。
 3球目が着弾する前に、4球目、5球目を投げた。
 5球目を投げ終えたタイミングで、3球目が、棍棒持ちが2体抜けた穴を通って、後衛を守っている盾持ちゴブリンの1体に当たった。


 104ダメージ


 盾持ちのゴブリンは堅く、HPの3分の1ぐらいしか削れなかった。
 後2球当てれば、あのゴブリンも倒れるなぁ。
 これは、鉄球を投げているだけで片付きそうだな。
 このペースだと、魔法を使っている暇はなさそうだな。

 それから俺は無心で鉄球を投げ続けた。
 たまに距離が近くなりすぎたときは、剣で応戦せず、適切な距離を取りながら鉄球を投げ続けた。
 状況を見ながら1球1球投げていたため、20球を投げるのに3分以上かかった。
 そのため、順次、鉄球が自動回収されていき、鉄球が手元に1球もないという状況は起こらなかった。
 魔法を使うタイミングもなく、鉄球を投げるだけで10匹のゴブリンを倒しきることができた。
 鉄球が相手に当たらなかったのも含めると、最終的には、27球も鉄球を投げた。
 時間にしたら5分ぐらいで、ゴブリン達との戦闘を終えた。
 ゴブリン達との戦闘の中で、投擲が2レベルも上がった。

 俺は、ゴブリンと戦った場所から走ってローズのところまで戻ってきた。
 早く前線に復帰しようと思って全力で走ってきた。
 それのおかげもあって、開戦から6分強ぐらいで、ローズのところまで戻ってくることができた。
 ローズに今の状況を尋ねた。

「ローズ! 状況どんな感じ?」

 状況を知らないと、うまく立ち回れないからな。
 ローズは驚いてこちらに振り返った後、魔法を出し続けながら言った。

「あ、オクツ! ゴブリンの群れの対処は終わったの?」

 俺は少し自慢げに言った。

「鉄球を投げまくって全部倒してきたぞ!」

「そうなのね! 今の状況は、『ビッグボスゴブリン』のHPで言うと、残りHP55%ってところよ」

 大分速いペースだな。
 まだ開戦して6分強とかだろ?
 前回の6分強って、まだ最初の咆吼すらも来てないような時間だぞ。
 それなのにもう2度目の咆吼が来そうなぐらい削ってるの?!
 すごいな!
 初動で15%ぐらい削っていたから、6分で30%削ったってこと?
 すごい火力だな。
 俺は驚きながら、聞いた。

「早くない?」

「かなりのペースで、進んでいるわ! コルドは、『連打』と『連鎖』のおかげで、かなりのダメージを出しているわ! 私は、『同時詠唱』とか、『ダブル』が使いこなせるようになって手数が増えて、ダメージ量もその分増えているわ!」

 新しいスキルをちゃんと使いこなしているんだなぁ。
 『ビッグラビット』周回修行の成果ってことなのかな。

「そうなんだな! 前回の『ビッグボスゴブリン』戦の時のHPを10%削るのに10分ぐらいかかったときとは全然違うんだな!」

「そうね!」

 想定外にペースが速かったから、俺が今何をすればいいのかローズに聞いた。

「俺は前線に戻った方がいいのか?」

「いや、もう少しで、2回目の咆吼が来るだろうから、ここから遠距離攻撃でもして、咆吼が来たら、すぐに群れの方に向かうのがいいんじゃないかしら」

 ローズからそう言われたので、前線に行こうとするのをやめて、後方から攻撃することにした。

「それなら、こっから魔法と鉄球でも投げているぞ」

 俺は、鉄球を『ビッグボスゴブリン』に向かって投げ出した。
 少し遠いけれど、遠投気味に投げれば、十分届くだろう
 俺が鉄球を投げ始めたタイミングで、ローズが『マイク』を使ってコルドに向けていった。

「オクツは、次のゴブリンの群れまで後方から攻撃するから、前衛はコルド1人よ!」

 コルドが大声で返した。

「りょうかーい!!」

 俺とローズは、それを聞いて雑談を再開させた。

「1分もしないうちに『ビッグボスゴブリン』のHPは半分を切ると思うわ!」

 俺は、雑談しながらも、きちんと『ビッグボスゴブリン』を捉えて、コルドの邪魔にならないように鉄球を投げ続けた。
 口を動かしながらきちんと手を動かしていた。





しおりを挟む
「いいね」「お気に入り登録」「しおり」などもお願いします!感想も書いていただけると嬉しいです。
感想 1

あなたにおすすめの小説

ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜

八ッ坂千鶴
SF
 普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。  そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……! ※感想は私のXのDMか小説家になろうの感想欄にお願いします。小説家になろうの感想は非ログインユーザーでも記入可能です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio 通称、【GKM】 これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。 世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。 その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。 この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。 その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…

ファーマー生活はじめました!〜ゲーム1おいしい野菜を目指します〜

毎日のお味噌汁
ファンタジー
 農園系ゲームとハウジング系ゲームが好きな主人公がオープンワールドのVRMMOを始めたらどっぷり生産沼にハマっちゃった。  もう!ゲームは動かなくても冒険できるから素晴らしいんですよ?仮想空間でも動かないに越したことはないんです!!そんな主人公の意識低め省エネ生産ライフ。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~

オイシイオコメ
SF
 75歳のおじいさん「ひろし」は思いもよらず、人気VRゲームの世界に足を踏み入れた。おすすめされた種族や職業はまったく理解できず「無職」を選び、さらに操作ミスで物理攻撃力に全振りしたおじいさんはVR世界で出会った仲間たちと大冒険を繰り広げる。  この作品は、小説家になろう様とカクヨム様に2021年執筆した「VRおじいちゃん」と「VRおばあちゃん」を統合した作品です。  前作品は同僚や友人の意見も取り入れて書いておりましたが、今回は自分の意向のみで修正させていただいたリニューアル作品です。  (小説中のダッシュ表記につきまして)  作品公開時、一部のスマートフォンで文字化けするとのご報告を頂き、ダッシュ2本のかわりに「ー」を使用しております。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...