Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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スキルオーブガチャ?!!

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 俺とローズは、2人並んで、歩いている。
 ミヤネさんの露店から、スキルオーブ屋を目指して歩き始めてすぐ、ローズが話題を振ってきた。

「個人行動で何してたの?」

 うーん。俺はこの話題は3人で合流の時に取っておいた方が良いと思うんだけどなぁ。
 合流した時に、同じ話を話すのも、俺とローズだけ知っている話をしてしまって、コルドだけ蚊帳の外になるのも嫌だな。
 俺は、話題を振ってくれたのには感謝しつつも、俺の率直な気持ちをローズに伝える。

「それはさ、3人で合流したときに取っておこうよ。そっちの方が3人で話すときも楽しめるだろうし」

 俺の話を聞いてのローズの反応は、悪いものではなかった。
 テンションを下げることなく、反応してくれた。

「確かにそうね。気になるけど、じゃあ、そうするわ。それなら何を話すの?」

 ローズが、俺に話題の選択権を渡してくる。
 確かにそうだ。
 話題を1つ否定したんだから、対案を出さなきゃなぁ。
 俺は、頭の中にふと降りてきた話題を出した。

「じゃあ、ふみと樹璃ちゃんがどんなプレイングをしそうか考えようぜ!」

 我ながら良い案だと思う。
 俺とローズの共通の話題だし、話してて楽しい話題だろうし。
 ローズの食いつきもすごくよかった。
 前のめりになって反応してくれた。

「それ面白そうだわ!」

 言い出しっぺの俺から、想像を話す。
 やっぱ言い出しっぺから行かないとな。

「なんとなく俺は、ふみは、ヒーラーとかで、樹璃ちゃんは、弓士とかだと思う」

 ローズは、うんうんとうなずきながら、興奮気味に言った。

「分かるわ! ふみちゃんって、ヒーラーやりそうだわ! 樹璃は、弓士ってよりは、テイマーとかしそうだわ!」

 ローズは、樹璃ちゃんは、テイマーだと思うのか。
 確かに、動物にもみくちゃにされる樹璃ちゃん、すごく簡単に想像できる。
 でかい魔物にじゃれられて、全身毛だらけになってそう。
 さすが姉! 解像度が高い。
 話が想像の倍以上盛り上がって嬉しいな。

「確かに、樹璃ちゃんって、動物とか好きだし、それも似合うかも」

 今までの話に関連した次の話題をローズが振ってくれた。
 もう少しこの話題のままでも、十分楽しめると思うんだけどなぁ。
 もう少しこの話題を話したかったなぁ、と少し名残惜しかったけど、次の話題も面白そうだから、早々に意識を切り替えて次の話題に集中する。

「あの子は何をテイムすると思う?」

 樹璃ちゃんがテイムする魔物かぁ。
 なんだろうなぁ。
 とりあえず、大型だな。
 小型の動物とか、魔物をめでてるイメージではないな。
 大型の魔物にもみくちゃにされてなきゃ、樹璃ちゃんじゃないな。
 大型の中だったら何がいいかなぁ。

「樹璃ちゃんは、大型の動物とか魔物の方が似合いそう!」

 とりあえず、自分の中で決まっているところまで言った。
 樹璃ちゃんにあいそうな魔物・動物……
 ライオン……カバ……熊……パンダ……ヒョウ……キリン……らくだ……
 うーん……なんかしっくりこないなぁ。
 俺が考えている間に、ローズに先を越されてしまった。

「虎とかに囲まれてたら面白いわ!」

 確かに、虎はいいな。
 ネコ科のあの感じで、でかいし。
 虎が樹璃ちゃんとじゃれて、樹璃ちゃんが虎の毛だらけになるのが想像できた。
 虎と樹璃ちゃんの様子を、一度正確に想像できたから感覚をつかめたのか、すっともう1つ想像できた。
 鷲だ。
 鷲の羽にベシベシされてる樹璃ちゃんが、すごく、すっと想像できた。
 想像できたことをそのまま、ローズに伝える。

「でけぇ鷲とかでも面白そう。樹璃ちゃんが、鷲の羽にベシベシ叩かれてるの面白くない?」

 俺が言ったことを想像してか、くすくすと笑うローズ。
 しばらくして笑いが収まったところで、ローズが、総まとめみたいなことを言った。

「それもナイスアイディアだわ。他の子との兼ね合いもあるだろうから、何を選ぶかわからないけど想像すると面白いわね!」

「そうだな」

 俺がそれに合意したことでこの話題はここで閉じた。
 それからも軽く雑談をしながら、スキルオーブ屋へと向かった。
 歩いて10分もしないうちに、スキルオーブ屋に着いた。
 スキルオーブ屋には何枚か、貼り紙が貼ってあった。
 貼り紙の内容はこんな感じだった。

 1枚目


 ”生産職向けガチャ

 生産職の方にお勧め!
 生産活動の助けになるようなスキルのスキルオーブが入っている。
 排出するスキルオーブの最高額は、5,000,000G!
 1回 20,000G
 5回 90,000G”


 2枚目


 ”物理戦闘職向けガチャ

 物理戦闘職の方にお勧め!
 物理戦闘の助けになるようなスキルのスキルオーブが入っている。
 排出するスキルオーブの最高額は、5,000,000G!
 1回 20,000G
 5回 90,000G”


 3枚目


 ”魔法戦闘職向けガチャ

 魔法戦闘職の方にお勧め!
 魔法戦闘の助けになるようなスキルのスキルオーブが入っている。
 排出するスキルオーブの最高額は、5,000,000G!
 1回 20,000G
 5回 90,000G”


 3枚目を読み終わったところで、ローズに話しかけられた。

「スキルオーブガチャだって。面白そうだね」

 スキルオーブガチャかぁ。
 ガチャかぁ……
 俺はあまりガチャ運ないんだよなぁ。
 良いのが当たる気がしないな。
 最高額のオーブなんて当たる気がしない。
 でも、ガチャって楽しいから好きなんだよなぁ。

「スキルオーブなら、もし必要ないスキルなら必要な人にあげれるしいいかもね」

「めっちゃ、コルドが好きそうよね」

 確かにコルドがすきそうだ。
 あいつ運要素の絡むもの大好きだしなぁ。
 ガチャとか、パックとか大好きなんだよなぁ。

「いっそ、コルドも呼んじゃう?」

 俺は思いつきでそう言った。
 何かみんなでしたいことが思いつかなかったし、各々がちょっとだけバラバラで行動して何かをした方が、面白そうだから個人行動を始めただけで、面白いことを見つけたら、集合するっていうのも間違ってないはずだ。
 ローズも結構乗り気だ。

「いいわね! コルドもそこまで個人行動にこだわってるってわけじゃなさそうだったし、いいと思うわ」

「じゃあ、連絡入れるぞ」

 俺は、コルドにメッセージを送った。

 ”スキルオーブ屋で、スキルオーブガチャっていうのを始めたらしいんだけど、一緒にやらないか? まだ、個人行動をしたいならいいんだけど”

 すると、送って1分もしないうちに返事が返ってきた。

 ”やるやる! そんな面白そうなもの、俺に知らせずにやってたら、すねるところだった! 連絡ありがとうな! すぐにそっちに行くわ! ”

 コルドも乗り気みたいだ。
 コルドが到着するまでの間に、残りの貼り紙にも目を通すことにした。

 4枚目


 ”趣味スキルガチャ

 新たな趣味が欲しい方にお勧め!
 新たな趣味になるような面白いスキルのスキルオーブが入っている。
 ※高額スキルが入っているわけではありません。
 1回 30,000G
 5回 150,000G"


 5枚目


 ”完全ランダムガチャ

 よりガチャを楽しみたい方にお勧め!
 このスキルオーブ屋にあるすべてのスキルオーブが入っている。
 排出するスキルオーブの最高額は、5,000,000,000G
 1回 15,000G
 10回 120,000G”


 6枚目


 ”リッチ向けガチャ

 よりスリルを感じたい金持ちの方にお勧め!
 ちょっと高めのスキルオーブが入っている。
 高額なスキルオーブが比較的出やすく、出てくるスキルオーブの最低額が、他のガチャよりは高い。
 排出するスキルオーブの最高額は、5,000,000,000G
 1回 100,000G
 10回 1,000,000G”


 最後に7枚目


 ”スキルオーブガチャ始めました。
 ランダムなスキルで、あなたの冒険に彩を! ”


 最後の貼り紙を読み終わった時、店主のメイさんが店から出てきた。
 メイさんは、貼り紙を親指で指しながら言った。

「どうする? やるかい?」
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