Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

文字の大きさ
上 下
14 / 193

金欠のときの決断力

しおりを挟む
 午前中に町中を探索をしてた、ローズに付いて行き、町の武器屋まで来た。

 店主は、道具屋の店主をもう少し厳つくしたような姿をしていた。
 ローズがその厳つい店主に話しかけた。

「ギンジさん! 来ましたよ! 友人を2人連れて!」

「剣士のオクツです」

「戦士のコルドだ!」

「お! 嬢ちゃんじゃないか?! 今回は、お友達づれか! 俺は、この店の店主をしてるギンジだ! 嬢ちゃん、今度は、金を持ってきたのか?」

「3時間前の私とは、違うんですよ! ちゃんとお金を持ってきました!」

「じゃあ、好きに見ていくといい! 持ってみたりする分には構わないが、壊すなよ!」

「「「はーい!」」」

 店主の了承を得たので、お店の中を見て回ることにした。

 店に入って、左側には物理系、右側には魔法系の武器が置いてある。正面奥には、防具が置いてあった。

 俺たち3人は、みんな揃って、まずは物理系武器から見ることにした。
 物理系の武器は、基本的な性能は、初心者武器と同じだった。
 ただ、ニッチな武器や何かに特化した武器などがあった。
 攻撃力を上げることはできないけど、スキルとかを派生させる前に、武器と戦い方を決めるのにはいいのかもなぁ。
 ちなみに、置いてあった商品の性能はこんな感じだ。



 初心者のレイピア
 作成者:ギンジ
 ATK:3
 破壊不可


 初心者の大剣
 作成者:ギンジ
 ATK:3
 破壊不可


 初心者の刀
 作成者:ギンジ
 ATK:3
 破壊不可


 初心者のモーニングスター
 作成者:ギンジ
 ATK:3
 破壊不可




 レイピア、大剣、刀を使いたくても、初心者セットで手に入れられる武器では、すべて剣になってしまうので、細分化できるのはいいのかもしれない。
 モーニングスターは、多分初心者セットじゃ槌判定だと思う。

「俺、刀とか憧れるんだよな!」

「俺は、刀はパスかな。管理が難しそうだし、技術が必要そうだから」

「コルド! 店の中で刀を振り回さないの! 店を傷つけたり刀を傷つけたりしたらどうするのよ。使いもしない武器を買い取ることになるわよ! それに、あんた今、剣ですらなく、体術で戦っているんだから、グローブかガントレットかシューズぐらいしか買えるものがないんじゃない?」

 コルドは刀をそっと元の位置に戻した。

 それから、じっとガントレットのコーナーを凝視している。

「オクツは、何かに特化した剣にしないのか? 大剣とか! レイピアとか!」

「俺は、今の剣でいいかな。大剣とかにすると、スピードが死にかねないし、レイピアとかにするにはスピードが足らないし」

「コルドは、どうするの? 何か武器買うの?」

「うーん……性能的には、初心者武器と変わらないし、今はいいかな! 武器より防具かな!」

「じゃあ、次! 魔法系の武器を見ましょう!」


 右側の魔法系の武器コーナーへ移動した。
 魔法系の武器は、各属性に特化した武器と、1つの用途に特化した武器があった。
 性能は、平たく見ると、初心者武器と同じくらいだけど、特化した部分は、初心者武器より強くなっていた。

 こんな感じの商品が並んでいた。



 初心者の火の杖
 作成者:ギンジ
 MAG:3
 火属性魔法ダメージ+10%
 火属性以外の魔法ダメージ-10%


 初心者の水の杖
 作成者:ギンジ
 MAG:3
 水属性魔法ダメージ+10%
 水属性以外の魔法ダメージ-10%


 初心者の長杖
 作成者:ギンジ
 MAG:3
 魔法ダメージ+10%
 装備中移動不可


 初心者の短杖
 作成者:ギンジ
 MAG:3
 魔法ダメージ-10%
 AGI:5



「ローズは杖を買うのか?」

「私は、いろんな魔法を使いたいから、属性系はダメ。長杖も短杖もデメリットがでかいから、今回はまだ武器はいいかな」

「長杖はなんでダメなんだ?!」

「私、杖を歩くときの支えにして楽するのが好きだから、装備時移動不可だと、きついんだわ」

「そうか! じゃあ! 防具の方へ行こうぜ!」


 俺たちは、正面奥の防具コーナーへ向かった。
 防具コーナーの防具は、性能的には、初心者セットに入っている防具と変わらないVIT値だった。
 だけど、初心者セットでは貰えなかった部分の防具が多く、武器とかに比べて買う意味があると思う。

 防具でもVIT値ではなく他のものに補正がつくものもあった。

 こんな感じで商品が並んでいた。



 初心者の帽子
 作成者:ギンジ
 VIT:1
 破壊不可


 初心者の篭手
 作成者:ギンジ
 VIT:1


 初心者のすね当て
 作成者:ギンジ
 VIT:1


 初心者のコート
 作成者:ギンジ
 MP:4


「俺はこれとこれを買おうかな! 体術って感じがするし!」

 コルドが、初心者の篭手と、初心者のすね当てを手に取って言った。

「金は大丈夫なのか?」

「大丈夫! 1つ5000Gで、2つで10000G! もう1つ買いたかったけど、これ以上所持金を減らしたくないから、これでストップ! 残金は8800Gだよ!」

「そんな、コルドにおすすめの防具があるわ! この『初心者のチャンピオンベルト』局所の防御用だからVITは1だけど、ボクサーっぽくて面白いでしょ」

 ローズが隅っこの方にあった防具を持ってきた。
 チャンピオンベルトを掲げるようにコルドに見せている。
 よく、そんなの見つけたなぁ。

「うぅ……面白そうだし、使えそうだし。”初心者の”って入ってるのにチャンピョンベルトってギャップが面白い! 欲しい……欲しいよぉ……でも、お金がぁ、金がなくなっちゃうよぉ……」

 いつもの元気いっぱいのコルドから様変わりして、うな垂れながら本気で買おうか悩んでいる。

 その間に俺は、会計を済ませておいた。
 俺が買ったのは、帽子とコートと篭手、それに下着の上下。
 合計で、25,000Gもした。
 残金が7000Gくらいになってしまった。


 下着の上下は、どちらもVIT1で、試着してみた感じ、着ている感覚はないから、ガチャガチャしてたり、重量だったりとかで、移動のじゃまにならなくていい商品だったから買った! 下着の良さをローズにも共有しておいた。ローズも喜んで買っていた。ローズはSTRに全く振ってないから、重量のある装備だとおもすぎて疲れてしまうらしい。だから重量を感じない下着装備にめちゃくちゃ喜んでいた。


 会計を終えても、コルドは悩んでいた。

 俺的には、面白い商品だし、似合ってるし、コルドに買ってほしいなぁ。

 そう思った俺は、コルドの背中を押す一言を言った。


「金はまた稼げばいいんだよ! 防御力を上げれば、その分ポーション代が浮くだろうし、またすぐ金が貯まるよ! 金策したくなったら狩り手伝うし!」

「悪魔のささやきだよぉ……でも、囁きの内容が、真っ当なことだから、なおさら悪魔だよぉ……買おうかなぁ、どうしよう?! これを買っちゃうと、所持金が5000Gをきるんだよなぁ……」

「今お金があったところで何に使うのよ! 買っちゃいなさいよ」

 ローズもコルドにチャンピオンベルトを買わせようと、コルドの背中を押すことを言う。
 ナイス援護!
 コルドって、普段は気前もいいし、何でも即断即決
 ! みたいな感じなのに、金欠のときのこういう決断だけ優柔不断なんだよなぁ。

 俺達の説得が効いたのか、コルドの顔が決意の顔に変わった。

「うん! わかった! チャンピオンベルト、買う! たしかに今お金があってもポーションを買うか、装備を買うかしか使い道ないし! 節約してても仕方ないね! 俺! この3つ買ってくるね!」

 籠手(こて)にすね当て、更には追加のチャンピョンベルトを持って、コルドは会計に向かった。


 しばらくして、買った3つの防具を装備したコルドが戻ってきた。

「どう?! 似合ってる?!」

 コルドが腰に手を当てて、えっへんの体勢で俺達(たち)に聞いてきた。

「あぁ、いい感じだぞ」

 そう言われてコルドは、満足気に頷いている。

 しばらくして俺の変化に気づいたコルドは、首を傾げながら聞いてきた。

「あれ? 装備変わったよね? いつのまに防具買ったの?」

「コルドがうな垂れている間に買ったぞ。俺は、篭手とコートと帽子と下着の上下。結構買ったから残金が7000Gくらいになっちゃった」

「ちなみに、私も防具をかったわよ。下着の上下だけだけど。私も残りは4000Gくらいよ」

「俺にも下着の防具を教えてよ! 教えてくれたら、それも選択肢に入れて悩んだのに!」

「教えたら、あんたの悩んでる時間が長くなるから教えなかったのよ!」

「みんな装備を整えたし! ポーションも補充したし! みんな金欠だし! もう1狩り行きますか!」

「「了解!」」




しおりを挟む
「いいね」「お気に入り登録」「しおり」などもお願いします!感想も書いていただけると嬉しいです。
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜

八ッ坂千鶴
SF
 普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。  そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……! ※感想は私のXのDMか小説家になろうの感想欄にお願いします。小説家になろうの感想は非ログインユーザーでも記入可能です。

VRゲームでも身体は動かしたくない。

姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。 身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。 当作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結次第、一日一話投稿致します。

後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~

夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。 多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』 一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。 主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!! 小説家になろうからの転載です。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く

オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。 しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。 農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ! ※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル
SF
 これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。 ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。 βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?  そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。  この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

処理中です...