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毎日記念日小説(完)
この景色が嫌いだ 5月26日は東名高速道路全通記念日
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高速道路から見る景色が嫌いだ。
どこでも代わり映えのない景色。
白いガードレールに灰色の壁。たまに除くのは、どこにでもあるような山か、どこにでもあるような田舎の景色。
それをじっくり見れるのなら、俺は高速道路の景色を嫌いにはならなかっただろう。
でも、俺たちはこの景色たちをまるでスキップするかのように高速で通り過ぎる。
時速約100㎞、こんな速さで、ものが楽しめるわけがない。
一般道ですら、景色を見るには不適切なのに、それにスピード五割増しで流れていく景色なんて、風情のへったくれもない。
歩く足で見る景色とは、頭に入る量が違う。
もっと集中してこの景色を取り入れたいのに、高速道路にはその時間が足りない。
遠くの山は、ゆっくりとしか視界に変化はないのだから、十分じゃないかって?
そんなことはない。
遠くの山には遠くなりの楽しみ方がある。角度が少しずつ変わることによって、少しずつ変わる山の形をゆっくりと眺めるのがいいのであって、タイムラプスのように急激に変わる山の景色なんて、本来の魅力からしたら半減じゃすまされない。
渋滞の時の景気はいいものだ。
止まってゆっくり様々な景色を見ることができる。
俺にとっては天国のような時間なのだが、一つ問題点がある。
それは、同乗者のテンションが異様に下がることだ。
何事にもそれを行う環境というのは大切である。
テンションが下がってイライラしている奴らの中で、楽しく景色を見るなんてできる恥がない。
走っているときは、速すぎる景色の移り変わりで、魅力が半減以上で、渋滞にはまって止まったかと思ってはしゃごうとすると、同乗者のテンションの低下で、まともに景色を見る環境じゃなくなってしまう。
だから俺は、高速道路から見る景色は嫌いだ。
面白い景色を楽しめないから。
楽しみたいのにどうしたって楽しめないもどかしさがあるから。
俺のスピーチが終わった。
相手の方を見る。
すると、彼は、こちらを目の奥が笑ってない笑顔で見てきて言った。
「主張、どうもありがとう。じゃあ、次はこちらの番だね」
どこでも代わり映えのない景色。
白いガードレールに灰色の壁。たまに除くのは、どこにでもあるような山か、どこにでもあるような田舎の景色。
それをじっくり見れるのなら、俺は高速道路の景色を嫌いにはならなかっただろう。
でも、俺たちはこの景色たちをまるでスキップするかのように高速で通り過ぎる。
時速約100㎞、こんな速さで、ものが楽しめるわけがない。
一般道ですら、景色を見るには不適切なのに、それにスピード五割増しで流れていく景色なんて、風情のへったくれもない。
歩く足で見る景色とは、頭に入る量が違う。
もっと集中してこの景色を取り入れたいのに、高速道路にはその時間が足りない。
遠くの山は、ゆっくりとしか視界に変化はないのだから、十分じゃないかって?
そんなことはない。
遠くの山には遠くなりの楽しみ方がある。角度が少しずつ変わることによって、少しずつ変わる山の形をゆっくりと眺めるのがいいのであって、タイムラプスのように急激に変わる山の景色なんて、本来の魅力からしたら半減じゃすまされない。
渋滞の時の景気はいいものだ。
止まってゆっくり様々な景色を見ることができる。
俺にとっては天国のような時間なのだが、一つ問題点がある。
それは、同乗者のテンションが異様に下がることだ。
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テンションが下がってイライラしている奴らの中で、楽しく景色を見るなんてできる恥がない。
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だから俺は、高速道路から見る景色は嫌いだ。
面白い景色を楽しめないから。
楽しみたいのにどうしたって楽しめないもどかしさがあるから。
俺のスピーチが終わった。
相手の方を見る。
すると、彼は、こちらを目の奥が笑ってない笑顔で見てきて言った。
「主張、どうもありがとう。じゃあ、次はこちらの番だね」
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