上 下
73 / 259
毎日記念日小説(完)

この景色が嫌いだ 5月26日は東名高速道路全通記念日

しおりを挟む
高速道路から見る景色が嫌いだ。
どこでも代わり映えのない景色。
白いガードレールに灰色の壁。たまに除くのは、どこにでもあるような山か、どこにでもあるような田舎の景色。
それをじっくり見れるのなら、俺は高速道路の景色を嫌いにはならなかっただろう。
でも、俺たちはこの景色たちをまるでスキップするかのように高速で通り過ぎる。
時速約100㎞、こんな速さで、ものが楽しめるわけがない。
一般道ですら、景色を見るには不適切なのに、それにスピード五割増しで流れていく景色なんて、風情のへったくれもない。
歩く足で見る景色とは、頭に入る量が違う。
もっと集中してこの景色を取り入れたいのに、高速道路にはその時間が足りない。
遠くの山は、ゆっくりとしか視界に変化はないのだから、十分じゃないかって?
そんなことはない。
遠くの山には遠くなりの楽しみ方がある。角度が少しずつ変わることによって、少しずつ変わる山の形をゆっくりと眺めるのがいいのであって、タイムラプスのように急激に変わる山の景色なんて、本来の魅力からしたら半減じゃすまされない。
渋滞の時の景気はいいものだ。
止まってゆっくり様々な景色を見ることができる。
俺にとっては天国のような時間なのだが、一つ問題点がある。
それは、同乗者のテンションが異様に下がることだ。
何事にもそれを行う環境というのは大切である。
テンションが下がってイライラしている奴らの中で、楽しく景色を見るなんてできる恥がない。
走っているときは、速すぎる景色の移り変わりで、魅力が半減以上で、渋滞にはまって止まったかと思ってはしゃごうとすると、同乗者のテンションの低下で、まともに景色を見る環境じゃなくなってしまう。
だから俺は、高速道路から見る景色は嫌いだ。
面白い景色を楽しめないから。
楽しみたいのにどうしたって楽しめないもどかしさがあるから。

俺のスピーチが終わった。
相手の方を見る。
すると、彼は、こちらを目の奥が笑ってない笑顔で見てきて言った。
「主張、どうもありがとう。じゃあ、次はこちらの番だね」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

処理中です...