100 / 257
総文字数記念
1000文字記念 1000円あるとしたら
しおりを挟む
「プリンなら、冷蔵庫の上から2段目のところに入ってるぞ」
「そ、ありがと」
スマホから顔を上げずに妹と話す。
妹の足音で、妹が遠ざかっていくことを感じる。
「え?!これ、ぷっち〇プリンじゃないんだ!!専門店的な奴?」
バタンッ!
「冷蔵庫を雑に扱うなよ。何かの液とかが漏れちゃうかもしれないだろ!!駅前になんか見せできてたから買っておいたんだ」
返答がない。
うちの妹は、人の話を聞かないらしい・
「へぇ、あそこらへんに店できたんだぁ」
妹の鼻歌が聞こえてくる。
妹は、だいぶご機嫌なようだ。
しばらくして、妹がソファに戻ってきた。
「それで、次は1000円だな」
スマホを閉じて妹の方を見て聞いた。
「それって何かの心理テストなの?4回も連続で出されたから、何か怪しくなってきちゃった」
妹は、なぜかきらきらとした目で俺の方を見てきた。
「いや、ただの暇つぶしだ」
妹の目は、興味を失ってしまったようだ。
「1000円?そろそろ、何か物が買えそうだね。いや、まずお兄ちゃんの意見を聞いておこう。私は賢い子だから、失敗からちゃんと学べるんだよ!お兄ちゃんは、1000円あったら何をするの」
妹は、腰に手を当て、今にも「えっへん」といいそうな体制で俺に聞いてきた。
それにしては遅くない?
そんな自慢気に言うのは、2度目とかで学習した場合じゃないの?
3回すでに引っかかってる人の口ぶりじゃないだろ。
「1000円かぁ。俺なら、本でも買うかな」
妹は珍しいものを見たみたいな顔をした。
いや、表情豊かだな。
「お兄ちゃんにしては珍しいね。お兄ちゃんなんて、持ってる本が教科書しかない系男子じゃなかったっけ?」
「言うではないか、妹よ。確かに、高校生にもなって、小学校の入学祝に買ってもらった、勉強机の上の小さな本棚すらスカスカな俺だけど、本くらい欲しくなるんだぞ。兄だって、成長しているのだ」
「いやいや、本棚がスカスカなことなんて、自慢することじゃないでしょ。私を見習って欲しいよ。私なんて、部屋中本だらけなんだからね」
またしても、妹はえっへんポーズをした。
「だいたい、ゲーム関連の本だろ。それなら俺と大差ないだろ」
「お兄ちゃん、今ゲームを馬鹿にしたね!!戦争、これは戦争案件だね」
物騒だな。
妹が、ぽかぽかと俺を殴る。
妹の言葉と行動の迫力に差がありすぎて面白い。
ふと、笑みがこぼれてしまった。
「今笑ったね、これは全面戦争不可避だね!!」
妹の怒りの炎に燃料を投下してしまったみたいだ。
「まぁ、まぁ、落ち着け妹よ。それで、お前はどうするんだ?1000円あったら」
妹は、落ち着いたのかソファに座り直し、足をプラプラさせながら考えだした。
100円の時よりも早く考え終わった妹が、足を止め、言う。
「私ならね…ゲーセンで10回ゲームをすると言いたいところだけど、それだとお兄ちゃんと同じくらい卑怯になっちゃうから…ゲーセンで使えるいい感じの手袋買う!」
「ゲーセンで使う手袋ってそんなにするのか?」
妹は、素早くスマホを手に取り、何かを入力している。
多分検索をしているのだろう。
すると、妹は突然画面を俺の方に突き出してきた。
「これとか見て、お兄ちゃん」
そこには、手袋800円と書かれていた。
「これ、そんなにいいのか?100均のと変わらないように見えるんだか」
「ち、ち、ち、お兄ちゃん甘いよ。100均の手袋は、滑り止めがなくて、すごく薄いか、滑り止めがあって厚いかの二択しかないんだよ」
妹が馬鹿にしたように言ってくる。
ただ、そんな煽りよりも気になったことがあったので、イライラせず妹に聞く。
「それじゃダメなのか?」
『はぁあ、これだからお兄ちゃんは』とでも言いそうな仕草をした後に妹は答えてくれた。
「お兄ちゃん、ゲーセンのゲームって画面を触るものが多いのそういう時に滑り止めがあると、触りにくいし、薄いと手が痛くなっちゃうんだよ」
「そもそも手袋っているのか?」
妹がドン引きしている。
『はぁあ、これだからお兄ちゃんは』から『そんなことも分からないのお兄ちゃん』的な雰囲気に変わってしまった。
「お兄ちゃん、ゲーセンは公共の場だよ。いろいろな人が触るものなんだから、汚すわけにはいかないでしょ、だから手袋をするんだよ」
良かった、ここで、『誰かが触ったものとか、汚いでしょ』とか言われなくて。
そんなこと言われたら、妹が変わっちまったと言うことで、2日くらい寝込むところだった。
「そうだったのか。じゃ、また解散」
それから二人とも、何事もなかったかのようにスマホに集中しだした。
「そ、ありがと」
スマホから顔を上げずに妹と話す。
妹の足音で、妹が遠ざかっていくことを感じる。
「え?!これ、ぷっち〇プリンじゃないんだ!!専門店的な奴?」
バタンッ!
「冷蔵庫を雑に扱うなよ。何かの液とかが漏れちゃうかもしれないだろ!!駅前になんか見せできてたから買っておいたんだ」
返答がない。
うちの妹は、人の話を聞かないらしい・
「へぇ、あそこらへんに店できたんだぁ」
妹の鼻歌が聞こえてくる。
妹は、だいぶご機嫌なようだ。
しばらくして、妹がソファに戻ってきた。
「それで、次は1000円だな」
スマホを閉じて妹の方を見て聞いた。
「それって何かの心理テストなの?4回も連続で出されたから、何か怪しくなってきちゃった」
妹は、なぜかきらきらとした目で俺の方を見てきた。
「いや、ただの暇つぶしだ」
妹の目は、興味を失ってしまったようだ。
「1000円?そろそろ、何か物が買えそうだね。いや、まずお兄ちゃんの意見を聞いておこう。私は賢い子だから、失敗からちゃんと学べるんだよ!お兄ちゃんは、1000円あったら何をするの」
妹は、腰に手を当て、今にも「えっへん」といいそうな体制で俺に聞いてきた。
それにしては遅くない?
そんな自慢気に言うのは、2度目とかで学習した場合じゃないの?
3回すでに引っかかってる人の口ぶりじゃないだろ。
「1000円かぁ。俺なら、本でも買うかな」
妹は珍しいものを見たみたいな顔をした。
いや、表情豊かだな。
「お兄ちゃんにしては珍しいね。お兄ちゃんなんて、持ってる本が教科書しかない系男子じゃなかったっけ?」
「言うではないか、妹よ。確かに、高校生にもなって、小学校の入学祝に買ってもらった、勉強机の上の小さな本棚すらスカスカな俺だけど、本くらい欲しくなるんだぞ。兄だって、成長しているのだ」
「いやいや、本棚がスカスカなことなんて、自慢することじゃないでしょ。私を見習って欲しいよ。私なんて、部屋中本だらけなんだからね」
またしても、妹はえっへんポーズをした。
「だいたい、ゲーム関連の本だろ。それなら俺と大差ないだろ」
「お兄ちゃん、今ゲームを馬鹿にしたね!!戦争、これは戦争案件だね」
物騒だな。
妹が、ぽかぽかと俺を殴る。
妹の言葉と行動の迫力に差がありすぎて面白い。
ふと、笑みがこぼれてしまった。
「今笑ったね、これは全面戦争不可避だね!!」
妹の怒りの炎に燃料を投下してしまったみたいだ。
「まぁ、まぁ、落ち着け妹よ。それで、お前はどうするんだ?1000円あったら」
妹は、落ち着いたのかソファに座り直し、足をプラプラさせながら考えだした。
100円の時よりも早く考え終わった妹が、足を止め、言う。
「私ならね…ゲーセンで10回ゲームをすると言いたいところだけど、それだとお兄ちゃんと同じくらい卑怯になっちゃうから…ゲーセンで使えるいい感じの手袋買う!」
「ゲーセンで使う手袋ってそんなにするのか?」
妹は、素早くスマホを手に取り、何かを入力している。
多分検索をしているのだろう。
すると、妹は突然画面を俺の方に突き出してきた。
「これとか見て、お兄ちゃん」
そこには、手袋800円と書かれていた。
「これ、そんなにいいのか?100均のと変わらないように見えるんだか」
「ち、ち、ち、お兄ちゃん甘いよ。100均の手袋は、滑り止めがなくて、すごく薄いか、滑り止めがあって厚いかの二択しかないんだよ」
妹が馬鹿にしたように言ってくる。
ただ、そんな煽りよりも気になったことがあったので、イライラせず妹に聞く。
「それじゃダメなのか?」
『はぁあ、これだからお兄ちゃんは』とでも言いそうな仕草をした後に妹は答えてくれた。
「お兄ちゃん、ゲーセンのゲームって画面を触るものが多いのそういう時に滑り止めがあると、触りにくいし、薄いと手が痛くなっちゃうんだよ」
「そもそも手袋っているのか?」
妹がドン引きしている。
『はぁあ、これだからお兄ちゃんは』から『そんなことも分からないのお兄ちゃん』的な雰囲気に変わってしまった。
「お兄ちゃん、ゲーセンは公共の場だよ。いろいろな人が触るものなんだから、汚すわけにはいかないでしょ、だから手袋をするんだよ」
良かった、ここで、『誰かが触ったものとか、汚いでしょ』とか言われなくて。
そんなこと言われたら、妹が変わっちまったと言うことで、2日くらい寝込むところだった。
「そうだったのか。じゃ、また解散」
それから二人とも、何事もなかったかのようにスマホに集中しだした。
20
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる