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まだまだ童貞、まだ童貞 (未完)
風邪で火照って、火照りきって
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風邪を引いた。
39度近い熱が出ている。
頭がよく回らないし、とにかく体が熱い。
そして、気持ちが悪い。すこぶる悪い。
あぁ、昨日ちゃんと布団かぶればよかったなぁ。
後悔の念が頭を支配する。
ピーンポーーン
インターフォンの音が響く。
ドタドタという足音が鳴り、母の声が聞こえた。
「あら、秋乃ちゃん、どうしたの?...お見舞いなのね。うちのバカ息子のために来てくれてありがとうね。さあ、さあ、上がって、上がって」
母の声がはっきりと聞こえる。そのぐらいには今の我が家は静かであった。
トントントン
小気味の良い階段を登る音が聞こえる。
多分、秋乃だろう。母ならもっと強い音を立てながら来るはずだからな。
コンコンコン
ドアがノックされ、久しぶりに秋乃の声を聞く。
「入って大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ」
秋乃の声を聞いて、辛さが少し取れた気がした。
ガチャ
「失礼しまーす」
声を抑えて、秘密の話でもするのかという声量で、ひっそりと部屋に入ってきた。
秋乃は、ベットの前のカーペットに腰掛けると、優しい声で話しかけてきた。
「なり、体調大丈夫?」
「秋乃が来て少し楽になった気がするよ。でもまだ、起き上がるのは辛い」
布団の中から、秋乃の方へ顔だけ向けて返事をした。
「嬉しいこと言ってくれるねぇ。なりが優しいことを言ってくれるってことは、だいぶ弱ってるんだね」
「...おいこら。それじゃあ俺が普段は、優しさのかけらもないやつみたいじゃねえか!」
「興奮しない、興奮しない。リラックス、リラックス」
図星を突かれたので反応がワンテンポ遅れてしまったが、テンションで無理やり押し切った。
悪あがきでボソッと呟く。
「誰のせいで声張ってると思ってんだよ...」
「聞こえてるぞー。まあいいや。それで、熱は?」
秋乃の顔が、楽しそうな笑顔から、心配そうな顔へと切り替わった。
「さっき測って、38.7度。朝よりは下がってきたし明日か明後日には学校に行けると思うよ。」
秋乃は、ホッと安心するような表情を浮かべる。
「よかったー。インフルとかかと思って心配したんだー。ていうかインフルじゃないよね?移らないよね?」
「どっちかだったら、秋乃を家に入れねえよ」
「確かにそうだわー」
秋乃が、明らかにテンションを上げている。
「秋乃は笑顔でテンション高いほうがしっくり来る。辛気臭い雰囲気とか、似合わないよな」
秋乃と話していて段々と体が軽くなっていったように感じた。でもまあ、体はまだ起こせないんだけどね。メンタル的に楽になった感がすごい。
「言ったね!割と気にしていること言ったね!!治ったら覚えてろよ!!奢ってやるからな」
秋乃の変なスイッチが入ってしまった。
「気にしてたんだ。そのキャラ高校デビューだもんな。えっ奢ってくれんの?サンキュー」
「高校デビューとか言うな」
秋乃は、プンスカという擬音が似合うような頬を膨らませた顔をしている。
他愛もない話をひたすらした。
ふと顔をあげると、夕日が差していた。
夕日に照らされてか少し顔を赤くした秋乃が、照れくさそうに言った。
「ねえ、風邪って移すと治るっていうでしょ?私に移してみない?口移しで」
「いやそれ迷信だし。それに、仮に移したら治るとしても秋乃に移したくない。秋乃には、いつも元気でいてほしい」
赤く照らされていた顔がさらに朱に染まる。
「恥ずかしいこと言ってくれるじゃない。そうかー残念だな。なりとキスができるチャンスだったのになー」
さらに真っ赤に顔を染めながら秋乃が言った。
秋乃の言葉を聞いて、反応を見て、段々と体が熱くなってきた。
もしかして、熱がぶり返してるのかな?
それぐらい、体が火照っていた。
「ただキスがしたいだけじゃねえか。弱ったところにつけ込むのは卑怯だぞ」
顔をそらしながら、精一杯の強がりを言った。
段々と意識が朦朧としてくる。
手放しそうになる理性を必死に引き止めて、体の暴走を抑える。
今、秋乃にこれ以上近づかれたら理性が保つ自信がない。
そう考えているうちに、秋乃は一歩一歩確実に近づいてきている。
それに対抗するかのように、俺は少しずつ後ずさりをしていた。
しかし、元々壁沿いにあったベッドの上に居た俺。
そんな抵抗の末、壁に追い詰められるという結末を迎えてしまった。
やばいどうしよう。
もう逃げる場所がない。
だんだん秋乃が近づいてくる。
なんかいい匂いがする。
やばい、理性が溶ける。
どうしよう、もう何も考えられなくなってきた。
秋乃は、とうとう俺の目の前まで来た。
秋乃の目がとろんとたれている。
もしかして、なにか酒でも飲んだのか?と思うほどに虚ろな目をしている。
もしかして俺の風邪が移っちゃったのかな?昔から、秋乃は風邪をひくと、目をとろんとさせていたし。移ってないかな?大丈夫かな?
秋乃が布団をめくってくる。
すっと俺の布団の中に侵入してきた。
秋乃は楽しそうに笑う。
何が楽しいの?
こっちは、理性崩壊の危機なんですけど!?
もしかして、もう理性を手放してらっしゃる?
秋乃が体を密着させてくる。
熱っ。
もしかして、というか完全に熱移ってない?
発情でこんなに体が熱くはならんだろ。
今まで発情した女子と遭遇したこと無いからわからないけど。
どうしよう。心配したいのに、感触が良すぎてそっちに意識がもっていかれる。
秋乃のモチモチの肌の感触がパジャマの上からでも分かってしまう。
あぁ、秋乃は、もう立派な女性なんだなぁ。
俺のパジャマの中に手を入れようとしないで。
理性が溶ける音がする。
もうどうにでもなれー。
ッは。危ない危ない。本当にギリギリだった。
もう少しで秋乃を襲っているところだった。
くっきりとした女性らしい体のラインが分かるほど密着した俺と秋乃。
秋乃の、落ち着くけれど、俺を興奮させる良い匂いに包まれる。
俺の汗の匂いも秋乃に伝わっているのかな?
嫌がられないかな?
風呂に入っとけばよかったな。
秋乃の息遣いが首筋に当たる。
俺の荒くなった息も秋乃に当たっているのかな?
それは少し恥ずかしいな。
秋乃の心臓の音が聞こえてくる。
互いに共鳴するかのように、同じテンポで心臓の音が鳴る。
そのテンポは段々と速くなっていく。
秋乃も興奮してるんだなぁ。
互いの心臓の音だけが鳴り響いた。
その静寂を秋乃が破った。
「ねえ、じゃあ、下の口にキスをして、風邪を治さない?」
秋乃の爆弾発言。
心臓がはち切れるんじゃないかというほどの速度で鳴る。
ボッと顔が熱くなったように感じる。
秋乃を見ると、蠱惑的な表情を浮かべている。しかし、耳まで真っ赤にしていることから、初心な様子が伝わってくる。
それがまた、本能を掻き立てる。
理性の手綱が切れそうになる。
そこで更に秋乃が体を押し付けてきた。
あぁ、もうだめだ。理性が保たない。
初めては、もっと健康な状態が良かったな。
そんな後悔が頭をよぎる。
しかし、予想していた童貞喪失の未来は来なかった。
顔が熱くなるのに遅れて数秒、体が一気にマグマのように熱くなった。
まだ収まりきっていなかった風邪の熱に加えて、興奮による発熱、それが布団によって外に出されることなくとどまったことにより、マグマのように煮えたぎった体の暑さへと変わった。
理性が溶ける直前、俺は熱によって意識が奪われた。
おでこにひんやりとした感覚がある。
目を開けると、そこにはもう誰も居なかった。
目の焦点が合いだして、段々と意識がはっきりしていく。
もしかして、さっきまでのことは夢だったのだろうか?
熱という不運を相殺するために見た、俺に都合がいい夢だったのだろうか。
そんなことを思い始めた頃、ベッドのわきに書き置きを見つけた。
『ごめんね、なり。熱があるのにあんな誘惑するようなことして。風邪を悪化させちゃって本当にごめんなさい。風邪が治ったら、よかったら続きをしない?秋乃』
メモ用紙ぐらいのサイズの紙に書かれた文を読み、俺は再び意識を失った。
なんで俺はまだ童貞なんだぁぁぁぁぁぁぁあああ
39度近い熱が出ている。
頭がよく回らないし、とにかく体が熱い。
そして、気持ちが悪い。すこぶる悪い。
あぁ、昨日ちゃんと布団かぶればよかったなぁ。
後悔の念が頭を支配する。
ピーンポーーン
インターフォンの音が響く。
ドタドタという足音が鳴り、母の声が聞こえた。
「あら、秋乃ちゃん、どうしたの?...お見舞いなのね。うちのバカ息子のために来てくれてありがとうね。さあ、さあ、上がって、上がって」
母の声がはっきりと聞こえる。そのぐらいには今の我が家は静かであった。
トントントン
小気味の良い階段を登る音が聞こえる。
多分、秋乃だろう。母ならもっと強い音を立てながら来るはずだからな。
コンコンコン
ドアがノックされ、久しぶりに秋乃の声を聞く。
「入って大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ」
秋乃の声を聞いて、辛さが少し取れた気がした。
ガチャ
「失礼しまーす」
声を抑えて、秘密の話でもするのかという声量で、ひっそりと部屋に入ってきた。
秋乃は、ベットの前のカーペットに腰掛けると、優しい声で話しかけてきた。
「なり、体調大丈夫?」
「秋乃が来て少し楽になった気がするよ。でもまだ、起き上がるのは辛い」
布団の中から、秋乃の方へ顔だけ向けて返事をした。
「嬉しいこと言ってくれるねぇ。なりが優しいことを言ってくれるってことは、だいぶ弱ってるんだね」
「...おいこら。それじゃあ俺が普段は、優しさのかけらもないやつみたいじゃねえか!」
「興奮しない、興奮しない。リラックス、リラックス」
図星を突かれたので反応がワンテンポ遅れてしまったが、テンションで無理やり押し切った。
悪あがきでボソッと呟く。
「誰のせいで声張ってると思ってんだよ...」
「聞こえてるぞー。まあいいや。それで、熱は?」
秋乃の顔が、楽しそうな笑顔から、心配そうな顔へと切り替わった。
「さっき測って、38.7度。朝よりは下がってきたし明日か明後日には学校に行けると思うよ。」
秋乃は、ホッと安心するような表情を浮かべる。
「よかったー。インフルとかかと思って心配したんだー。ていうかインフルじゃないよね?移らないよね?」
「どっちかだったら、秋乃を家に入れねえよ」
「確かにそうだわー」
秋乃が、明らかにテンションを上げている。
「秋乃は笑顔でテンション高いほうがしっくり来る。辛気臭い雰囲気とか、似合わないよな」
秋乃と話していて段々と体が軽くなっていったように感じた。でもまあ、体はまだ起こせないんだけどね。メンタル的に楽になった感がすごい。
「言ったね!割と気にしていること言ったね!!治ったら覚えてろよ!!奢ってやるからな」
秋乃の変なスイッチが入ってしまった。
「気にしてたんだ。そのキャラ高校デビューだもんな。えっ奢ってくれんの?サンキュー」
「高校デビューとか言うな」
秋乃は、プンスカという擬音が似合うような頬を膨らませた顔をしている。
他愛もない話をひたすらした。
ふと顔をあげると、夕日が差していた。
夕日に照らされてか少し顔を赤くした秋乃が、照れくさそうに言った。
「ねえ、風邪って移すと治るっていうでしょ?私に移してみない?口移しで」
「いやそれ迷信だし。それに、仮に移したら治るとしても秋乃に移したくない。秋乃には、いつも元気でいてほしい」
赤く照らされていた顔がさらに朱に染まる。
「恥ずかしいこと言ってくれるじゃない。そうかー残念だな。なりとキスができるチャンスだったのになー」
さらに真っ赤に顔を染めながら秋乃が言った。
秋乃の言葉を聞いて、反応を見て、段々と体が熱くなってきた。
もしかして、熱がぶり返してるのかな?
それぐらい、体が火照っていた。
「ただキスがしたいだけじゃねえか。弱ったところにつけ込むのは卑怯だぞ」
顔をそらしながら、精一杯の強がりを言った。
段々と意識が朦朧としてくる。
手放しそうになる理性を必死に引き止めて、体の暴走を抑える。
今、秋乃にこれ以上近づかれたら理性が保つ自信がない。
そう考えているうちに、秋乃は一歩一歩確実に近づいてきている。
それに対抗するかのように、俺は少しずつ後ずさりをしていた。
しかし、元々壁沿いにあったベッドの上に居た俺。
そんな抵抗の末、壁に追い詰められるという結末を迎えてしまった。
やばいどうしよう。
もう逃げる場所がない。
だんだん秋乃が近づいてくる。
なんかいい匂いがする。
やばい、理性が溶ける。
どうしよう、もう何も考えられなくなってきた。
秋乃は、とうとう俺の目の前まで来た。
秋乃の目がとろんとたれている。
もしかして、なにか酒でも飲んだのか?と思うほどに虚ろな目をしている。
もしかして俺の風邪が移っちゃったのかな?昔から、秋乃は風邪をひくと、目をとろんとさせていたし。移ってないかな?大丈夫かな?
秋乃が布団をめくってくる。
すっと俺の布団の中に侵入してきた。
秋乃は楽しそうに笑う。
何が楽しいの?
こっちは、理性崩壊の危機なんですけど!?
もしかして、もう理性を手放してらっしゃる?
秋乃が体を密着させてくる。
熱っ。
もしかして、というか完全に熱移ってない?
発情でこんなに体が熱くはならんだろ。
今まで発情した女子と遭遇したこと無いからわからないけど。
どうしよう。心配したいのに、感触が良すぎてそっちに意識がもっていかれる。
秋乃のモチモチの肌の感触がパジャマの上からでも分かってしまう。
あぁ、秋乃は、もう立派な女性なんだなぁ。
俺のパジャマの中に手を入れようとしないで。
理性が溶ける音がする。
もうどうにでもなれー。
ッは。危ない危ない。本当にギリギリだった。
もう少しで秋乃を襲っているところだった。
くっきりとした女性らしい体のラインが分かるほど密着した俺と秋乃。
秋乃の、落ち着くけれど、俺を興奮させる良い匂いに包まれる。
俺の汗の匂いも秋乃に伝わっているのかな?
嫌がられないかな?
風呂に入っとけばよかったな。
秋乃の息遣いが首筋に当たる。
俺の荒くなった息も秋乃に当たっているのかな?
それは少し恥ずかしいな。
秋乃の心臓の音が聞こえてくる。
互いに共鳴するかのように、同じテンポで心臓の音が鳴る。
そのテンポは段々と速くなっていく。
秋乃も興奮してるんだなぁ。
互いの心臓の音だけが鳴り響いた。
その静寂を秋乃が破った。
「ねえ、じゃあ、下の口にキスをして、風邪を治さない?」
秋乃の爆弾発言。
心臓がはち切れるんじゃないかというほどの速度で鳴る。
ボッと顔が熱くなったように感じる。
秋乃を見ると、蠱惑的な表情を浮かべている。しかし、耳まで真っ赤にしていることから、初心な様子が伝わってくる。
それがまた、本能を掻き立てる。
理性の手綱が切れそうになる。
そこで更に秋乃が体を押し付けてきた。
あぁ、もうだめだ。理性が保たない。
初めては、もっと健康な状態が良かったな。
そんな後悔が頭をよぎる。
しかし、予想していた童貞喪失の未来は来なかった。
顔が熱くなるのに遅れて数秒、体が一気にマグマのように熱くなった。
まだ収まりきっていなかった風邪の熱に加えて、興奮による発熱、それが布団によって外に出されることなくとどまったことにより、マグマのように煮えたぎった体の暑さへと変わった。
理性が溶ける直前、俺は熱によって意識が奪われた。
おでこにひんやりとした感覚がある。
目を開けると、そこにはもう誰も居なかった。
目の焦点が合いだして、段々と意識がはっきりしていく。
もしかして、さっきまでのことは夢だったのだろうか?
熱という不運を相殺するために見た、俺に都合がいい夢だったのだろうか。
そんなことを思い始めた頃、ベッドのわきに書き置きを見つけた。
『ごめんね、なり。熱があるのにあんな誘惑するようなことして。風邪を悪化させちゃって本当にごめんなさい。風邪が治ったら、よかったら続きをしない?秋乃』
メモ用紙ぐらいのサイズの紙に書かれた文を読み、俺は再び意識を失った。
なんで俺はまだ童貞なんだぁぁぁぁぁぁぁあああ
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