最愛Lovers

らいねこ

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後日談 19

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そして、『急なお赤飯を作ってくれたから』と休憩中の松子に会って、美甘堂のどら焼きを梅子と竹子にも『お礼だから渡して欲しい』と預けた。



「あらっ、気にしなくて良いのに律儀ねぇ。茉莉くんじゃーくれないわね」




ここでも『颯人は可愛いのだ』と、茉莉が鼻を伸ばしながら恋人自慢を話した。




「茉莉!恥ずかしいって」




なんだか自分は誉められるような人間では無いので、いたたまれなくなる。




「いや~、何より床…ゴフッ!」




『床上手』とまた言おうとした茉莉の横腹に、さっきと同じく思いっきり肘鉄砲を撃ち込む。




「茉莉!学習してよ!」




「…だって、本当の事だし」




横腹を押さえながら、茉莉は必死に言う。




「もう、尻にひかれているんだねぇ」




松子の言葉に茉莉が『はい!』と、嬉しそうに笑った。



「『はい』って言うなよ…」




恥ずかしいけど、みんなに公認されたことが嬉しかった。







そして、部屋に戻る。




「颯人、また見せて」




茉莉は、颯人の腰を引き寄せた。




「…ん」




颯人は茉莉の首に両腕を絡ませて、抱きつく。


そっと優しく、ベッドに寝かせられた。


颯人は首を捻り、右耳を上に向ける。


茉莉の左手が、耳が良く見えるように髪の毛を退けて優しく耳を、うなじを撫でた。


その刺激に、颯人の身体はピクッと震える。


茉莉は満足そうに、今日買ってきたピアスとイヤーカフを触って見ていた。




「俺の愛しい人」




チュッ、と耳をキスされた。




「…っ!」




声が出そうになり、目を閉じてきつく唇を噛んだ。


颯人の身体は、茉莉が触れるたびに悦んで震える。


茉莉の唇が、うなじにキスをした。




「あっ!」




ビクッと腰がしなる。


目を閉じると茉莉が何をするかわからないので、余計に反応が大きくなってしまう。


颯人は、ゆっくりと目を開けた。




「…」




茉莉の顔が近くにあった。


颯人の大好きなその整った顔は、颯人を見て微笑んでいる。




「颯人、愛してるよ」




颯人は、満足していた。




(茉莉が俺を想ってくれている。愛してくれている)




はっきり言ってレッスンの時は、少しだけ虚しさもあった。


自分から、何度も告白しようと思った。


でも、軽くあしらわれて関係を辞めると言われたらどうしよう…と、葛藤が続いた。




(本当に、良かった…!)




たくさんの人を巻き込んで、協力してもらった。


いくら感謝しても、したりない。




「ねぇ、茉莉」




「ん?」




「一生涯、俺は茉莉のモノだって、ちゃんと毎日教えてね?」




「…あぁ、毎日教えてあげる。颯人は俺だけの最愛の人だって」




この先の全ての時間、ずっとずっと毎日教えようと茉莉は誓った。


どれだけ、颯人を世界で一番に愛しているかを…。




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